2021年3月21日(日曜)に行われる第69回阪神大賞典の最終追い切り考察をまとめた記事です。
4歳以上OP 3,000メートル(芝・右)
阪神大賞典追い切り考察
評価は【S/A/A-B/B/B-C/C/D】の7段階評価です。
評価について、詳しくはこちらをご覧ください。
アドマイヤジャスタ【B】
6F82.4-66.0-52.4-39.2-1F12.5
2頭併せ末強め半馬身先着。
映像が直線入ってからのものしかありませんでした。
追われてからはしっかりと伸びていきましたが、やや頭の位置が高いのが気掛かり。
それでも概ね悪い状況ではないと感じます。
全体的に近走のところでは作られていると思います。
上昇した雰囲気もありませんが、この馬の状態の良さは感じます。
アリストテレス【B】
6F82.9-66.0-51.7-38.0-1F12.3
3頭併せ馬なり1頭2馬身先着、1頭3馬身先着。
馬なり+αという感じの負荷の具合でしたが、しっかりと伸びていきました。
相手は6歳3勝クラスと、4歳OP馬でしたが、格の違いを見せつけた内容でした。
菊花賞で力んだ部分もありましたので、距離適性がどうなのかという部分はありますが、追い切りの内容的には好仕上がり。
引き続き、状態良く動けるものと思います。
ショウリュウイクゾ【B】
51.1-37.5-24.3-12.1
単走強め。
しっかりと追われて、全体51.1秒で末の時計も12.1秒ならば上々です。
この時計でしっかりと加速ラップを刻めるのはさすがと言えるでしょう。
馬場差もありますが、坂路自己ベストをマーク。
51秒台を刻んでいるのも、前走の最終リハと今回の最終リハの2本のみということで、成長著しいと考えていいのではないでしょうか。
オルフェ産駒のなかにも晩成型が多いですので、ここから上昇していくということを考えてもいいのかもしれません。
引き続き好気配と考えてよろしいのだと思います。
シロニイ【B】
52.7-38.5-24.7-12.3
2頭併せ馬なり半馬身遅れ。
多少追われていましたが、馬なりの範疇としています。
ただ、見る人によっては、強めという言葉を使うかもしれません。
淡々と駆け上がっていますので、特にこれといった感想がありません。
気配があまりよいと感じる内容ではないと感じてしまいます。
馬体が白いせいか、膨張色ということも相まってか、やや太目残りの印象も受けてしまいます。
馬体が白くなってきている馬は、ややだらしない馬体をしているように見えてしまうので、気を付けなければいけませんが、それが本当に膨張色だからなのかは当日の馬体重を見てみないと分かりません。
時計は刻めているので、デキは平行線としておきます。
上昇気配が欲しかった部分もあります。
タイセイトレイル【B】
52.4-38.4-25.2-12.9
2頭併せ併入1馬身先着。
渋滞している時間帯ということもあり、実質的には4頭併せのような恰好となりました。
僚馬は鞭が激しく飛ぶ一杯での追い切りで、強めに追い切って併入ならば、見た目は悪くはありません。
ただ、前を走る馬に一旦追いつくも、最後は離されたところを見ると、ややバテ気味だったのかもしれません。
僚馬とタイセイトレイルともに、テンからスピードを上げているので、苦しくなったとも見受けられます。
昨年の阪神大賞典の時以降と比較して、坂路で時計が刻めなくなってきているのが気掛かりです。
昨年の阪神大賞典の時が、51.9秒-12.5秒という時計を刻んでいます。
今回は全体と末の時計のどちらも上回っていません。
この馬とすれば、悪くはないけれど、良くもないという感じでしょうか。
デキは前走程度には作られていると感じます。
タイセイモナーク【B】
54.0-39.0-25.3-12.6
2頭併せ強め1馬身先着。
徐々に進行方向に対して、右へと流れていくような形になりました。
真っ直ぐに走れていない点はマイナスです。
時計的にはやや物足りなさを感じますが、坂路で走るタイプではありません。
この時計で十分に整ったと言えます。
最後まで伸びていますので、状態面での心配は要らないと思います。
ただ、デキとしては前走程度までとは思います。
3勝クラスで足踏みしている馬ですので、大幅な良化、或いは上昇気配が欲しかったです。
ダンスディライト【A-B】
6F83.8-68.0-53.0-39.3-1F12.4
単走一杯。
直線入ったところで手前を変更しますが、その時にもしかしたら若干ふらついたようにも感じます。
ピッチ走法で脚の回転も速く、その分、活気があるように感じます。
若干、アタマの位置が高いのですが、残り100Mのところで鞭が入ると、上体が低くなりました。
アタマの位置が下がりきれたというわけではありませんが、反応はしているようです。
前走時は2頭併せの追い切りを消化していますが、その時と時計自体の変化がありません。
ただ、今回の方が活気があります。
難しいのが、距離が伸びることが前向きに評価できるのかという点です。
走り的には、2000M前後が良さそうな気がします。
実績では、2000Mを超える距離で結果を残してますが、それでも2400M辺りが守備範囲となるのでは。
追い切り的には上昇気配としておきますが、適距離かどうかは未知数な印象を受けました。
ディープボンド【B】
6F79.7-64.6-50.8-37.4-1F11.7
単走強め。
しっかりと追われていました。
全体的に柔軟性があり、活気がある走りをしています。
時計も良好で、状態の良さが伝わってきます。
1週前も活気がある走りをして、僚馬を1馬身突き放してのゴールでした。
ただ、中山金杯の時も今回のような動きをみせていました。
やや違うという風に感じるのは、前走時はやや力んでいましたが、今回はリラックスしている部分も感じます。
特に変わりない部分で作られていると思いますので、デキは前走程度としておきます。
デキが悪いという判断をしていなかったので、引き続き状態は良いでしょう。
あとは距離や馬場が守備範囲かどうか。
ナムラドノヴァン【B】
6F82.7-67.0-51.7-37.6-1F11.9
3頭併せ外強め1頭1馬身遅れ、1頭併入。
ややチグハグな追い切りとなってしまいました。
僚馬の半馬身先を走って直線へ。
直線入ったところで、僚馬と並ぶものの、そこから内側を走る僚馬に1馬身半、中を走る馬に半馬身程遅れます。
最後は盛り返したものの、差し切るまでにはいきませんでした。
(カメラの角度的に分かりにくいですが、もしかしたら前に出ている可能性もあります。)
直線入ったところから遅れて盛り返すのは、先行してた方なので悪くはないと思うのですが、ずっと馬体を併せててほしかったです。
遅れて差し返す分、やや地味に見えてしまいました。
時計は十分に出ています。
それが最後の差し返しに繋がったのだと思いますが、概ね、悪くはない程度に留めておきたいと思います。
前走時の追い切りも、時計は良好でしたので、今週の馬場を意識すると、いつも通りの範囲という印象も受けます。
メイショウテンゲン【B】
6F81.2-65.8-51.6-38.3-1F12.5
2頭併せ内強めアタマ差先着。
僚馬とはクビ差離したところから差が変わらないものとなっていました。
それが良いとか悪いとかではないのですが、もう少し差を広げて欲しかった部分もあります。
ただ、動きは良好でした。
僚馬も同じだけの運動負荷を掛けられていましたが、譲らない姿勢を見せてくれた部分は前向きな評価をしても良いでしょう。
前走時が単走追いで、時計的には変わらない範囲。
引き続き、この馬の地力は出せるところで来ているのではないかと思います。
ユーキャンスマイル【B-C】
6F82.4-66.8-52.0-38.4-1F12.4
2頭併せ内馬なり併入。
脚色は僚馬の方がよかったです。
馬なりでの調整と決めていたような内容で、その点では併入だったのは気にしなくても良さそうです。
若干、気負いながら走っている印象は受けました。
ただ、直線入って手綱を緩められて加速すると、自分の走りができていました。
3月11日の1週前は、3頭併せの内を走って7F98.8秒-1F12.3秒という時計でした。
追われてからしっかりと抜け出せた。
僚馬が不甲斐ないだけのような印象がありました。
それでも時計がしっかりと出ています。
1週前の時点では、最終でどのくらい負荷を掛けてくるのかと思っていたのですが、馬なり調整でした。
有馬記念の時が坂路での追い切りでした。
比較的追った内容だった点を考慮すると、今回は勝負度合い的に弱い印象を受けます。
再度言うと、今回のCWでの馬なりでの時計が悪いわけではありませんが、デキは一つ落ちる印象を受けます。
CWを長い距離を走っているので、心肺機能を高めるための内容だとしても、もう1つ足りないのではないかと思ってしまいます。
追い切りまとめと推奨馬
今回の追い切りで、上昇気配を示した馬は【A-B】評価のダンスディライトのみでした。
【B】評価ではありましたが、アリストテレスとショウリュウイクゾの2頭のデキは素晴らしいところにあると思います。
もちろん、レース本番では、位置取りや展開や当日の気配などの要素もあるため、追い切りが良かったから好走できるかどうかというのは蓋をあけてみなければ分かりません。
しかし、上記の2頭は、しっかりと仕上がって阪神大賞典に挑めるものと思います。
推奨1頭目は、アリストテレスです。
正直、ここまであまりパッとしない馬という印象がありませんでした。
今回の追い切りは、気配は大物馬のそれ。
重賞連勝へ向けて視界良好です。
推奨2頭目は、ショウリュウイクゾです。
日経新春杯の記事で、(追い切り映像はありませんでしたが、)斤量を考えると怖いかもしれないと書いていました。
それが的中した形。
今回、さらに自己ベストをマークしてきた点を考慮すると、ここは一発もあるかもしれません。
仕上がり良好ですので、期待できるでしょう。
ただ、逆に言えば57kgを背負う点を考えると、ここは試金石のレースとなるでしょう。
推奨3頭目に、ダンスディライトです。
前走から上昇気配を示していました。
距離的な不安はありますが、概ね、前走以上には走れる見込みで、ここでは楽しみな存在です。
以上、阪神大賞典の追い切り考察をお届けしました。