11月13日に東京で行われる武蔵野ステークスの追い切り考察を行った記事です。各馬の追い切りを評価した後に、全体のまとめを行っていて、お薦め馬を挙げています。
有力視されているソリストサンダーは栗東坂路を53.5秒で駆け上がりました。活気のある走りを披露。
タガノビューティーは栗東CWで6F85.4秒をマーク。悪くはない動きをしていました。
そのほかの有力視されている馬や伏兵馬達の考察を行っていますので、最後までご覧いただければ幸いです。
武蔵野Sの最終追い切り考察
評価は【S/A/A-B/B/B-C/C/D】の7段階評価です。
評価について、詳しくはこちらをご覧ください。
エアスピネル【B】
52.4-38.4-24.6-12.0
単走強め。
しっかりと負荷を掛けられての内容で、追われてからの反応も良かったと感じます。
ただ、動きがやや不自然だった印象も。特に左前脚の踏み込みが甘い印象で、全体的にバランスが悪いと感じました。
時計自体はしっかりと出ていますのでそこまで気にする必要もないかと思いますが、良かったときはもう少し踏み込みがしっかりとしているとも感じます。
デキ自体は前走と変わりなく来ていると思います。
8歳も暮れが近づいてきました。ここから大幅な良化というのは望み薄ではありますが、この馬なりの地力は引き出せる範囲。
オメガレインボー【A】
5F71.1-54.0-39.4-1F12.2
単走末強め。
残り1ハロンのところから徐々に気合を入れられて、残り100Mを全力で駆け抜けていきました。
馬なりだった部分の走りを見ると、一完歩の動作がやや跳ねるような動きをしていて滞空時間が長いと感じる形。これはあまり好きな動作ではありません。
ただ、追われてからの反応は目を引くところがあり、迫力・そして時計の根拠も含めて楽しみな存在だと感じさせてくれる存在です。
近走でもマーチS4着・アハルテケS1着・マリーンS2着・エルムS2着と、重賞でも上位争いができるまでになりました。今回の追い切りを見る限りだと、前走以上の仕上がりだと考えていいでしょう。
前走は函館Wでラスト1F12.8秒でやや動作はもっさりとしていました。今回の追い切りはもっさりとした部分が解消しています。追われてからの反応が鋭くなっており、休養の効果がしっかりと表れていると考えていいでしょう。楽しみな存在です。
サトノアーサー【B】
52.8-38.1-24.7-12.4
単走強め。
馬なりから強めの間の運動強度でした。
馬場が綺麗な時間帯でしたので、時計はこの程度でも特に良かったとは感じません。時計では分かりづらいですが、最後の数十Mのところでやや余力を失ったかと思わせる動きにも感じます。
もう少し走りにメリハリが欲しいところ。促されても反応しているのはかは微妙なところで、全体的に雰囲気もやや足りないか。活気がもう少し欲しいところ。
スマッシャー【B】
55.9-40.2-25.6-12.4
2頭併せ強め半馬身先着。
強めと馬なりとの間という運動負荷でしたが、強め寄りだったので強めと表記しています。
やや前脚の運びが甘いというか、タッチが軽い印象を受ける馬。
映像がユニコーンSの時と比較するしかないですが、その時と変わり映えしない範囲。このような走りをする馬だと判断していいでしょう。
時計判断だと、前走程度のデキまでと考えています。前走久々を使われて上向いたという印象は受けません。デキは変わらずの範囲。
スリーグランド【B】
52.1-38.2-25.3-13.1
単走馬なり。
後脚の動きがやや硬さを感じます。
残り100Mくらいまでは活気がある走りをしていますが、時計を見て分かる通り、最後の部分でややバテてしまったかのような形になりました。
状態面で特に悪いという印象はありません。いつもの範囲と言えばいつもの範囲の時計ですので、いつもこの程度の内容となっています。
前走使われた上積みといったものも特に感じませんので、デキはいつも通りまでとします。
最後は耐えて12秒台後半で良かったので走ってくれると良かったのですが、馬なりではあるものの13秒まで落ちてしまうと評価しづらい。
ソリストサンダー【B】
53.5-38.6-24.7-12.3
単走馬なり。
MCS南部杯からの上積みは感じませんが、引き続き好調さを伺わせる内容だったと判断しています。
淡々と走っていますが、いつもこのような形での追い切りですし、悪いところは見当たりません。
中央だと成績が伸び悩んでいますが、G1級レースで2着3着と結果は残しています。フェブラリーSでは地方馬のミューチャリーの負けてしまいましたが、先日のJBCクラシックの優勝馬。その点を考えると、この馬もG1級の地力は持っているものだと思います。
速い時計に対応できない可能性は否定できませんが、引き続き状態面では特に悪い部分なく出走できる見込みです。前向きに見たい【B】評価としておきます。
ダイワキャグニー【B】
6F85.3-68.3-53.0-38.0-1F11.5
2頭併せ外強めクビ差先着。
しっかりと最後は促されてクビ差から半馬身程前に出たところがゴールでした。
僚馬を3馬身から4馬身程追いかける形でコーナーに入り、直線向いたところまでで並びます。
手前を替えてからの動きは軽快で、悪い部分というのは特に見当たりませんでした。
強いていうなれば、もう少し力を抜いた走りができるといいかもしれません。掛かるような素振りは見せていませんが、力一杯に走っている印象を受ける走りをしていて、余力がなさそうに見えてしまいます。
G1シーズンに入り芝の重賞の選択肢が無くなったのだと思いますが、ダートをこのタイミングで試すのは難しい判断だったと思います。先週のみやこSのダンビュライトのように、力はしっかりと出せるように作られています。
陣営はなんとかしたいと試しているのだろうと思います。ダートを試すというよりも、勝ちに来たという意識を感じられます。
あとはダート適正があるかどうか。
タガノビューティー【B】
6F85.4-68.8-53.0-38.7-1F12.0
単走強め。
最後追われると鋭く伸びて1F12.0秒で駆け抜けていきました。体の柔軟性に富んでおり、特に気になる部分はありませんでした。
少し気になるのが、頭の位置が中途半端に高いこと。高いとも言い切れない範囲で、低すぎるということもない。どこか中途半端と感じました。
映像があるのが昨年のユニコーンSまで遡らないといけません。今回はCWでその時は坂路追いでした。比べると、もう少し上手に首を使えて走れているようにも感じます。ユニコーンSでは13着でしたので、結果が出ていないレースと比較することが難しいことは理解していますが、今回、もう少し上手に首を使って欲しかった印象は受けました。
ただ、追われてからの鋭い反応は今回の方が明らかに上。ここまでの時計判断でも好調時と変わりないでしょう。
走りが変わったから条件戦とOPを勝ち上がってこれたと判断することもできます。
今回のこの首の動きが今後のこの馬のポイントになりそうです。デキは前走以下ということはありません。地力は引き出せる。
テイエムサウスダン【】
54.7-38.8-24.3-11.8
単走末強め。
馬場が綺麗な時間帯でしたので、末の11.8秒はそこまで速いという印象は受けません。もちろん、好時計であることは間違いないです。
1600は全日本2歳優駿以来の距離。それだけに、テンションを上げずにいこうとするのが伝わる追い切りで、最後の部分でややガスを抜いたという形での内容でした。
追われてからも反応も良く、しっかりとした足取りで動けていました。
今後のG1を見据えての出走だと思います。ここでしっかりと仕上げたというよりも、余力はありそう。中央重賞は未勝利ですので意欲的に作られてきた印象は受けますが、ここが駄目ならば地方交流に回って全国を回るのかもしれません。
ヒロシゲゴールド【B】
52.7-38.5-24.4-11.8
単走強め。
馬場が綺麗な時間帯での追い切りでしたので、時計は参考程度まで。
しっかりとした脚捌きで走れています。
追われるとやや頭を高くしてしまいましたが、それでも11.8秒で駆け抜けていますので立派です。
力強さも感じられ、状態面で特に心配は必要なさそうです。
ただ、雰囲気がもう少し良くなるといいです。今は淡々と走っている印象を受けるので、重賞をしっかりと勝てるようになるにはもう少しオーラが漂うと良いです。
MCS2着からの参戦ですが、引き続き状態は良さそうです。前向きに見たい1頭です。
ブルベアイリーデ【B】
52.4-7.6-24.6-12.3
単走馬なり。
馬なりで、最後はやや促された程度でした。
馬なりにしては時計がしっかりと出ています。リラックスして走れているのにも関わらず、時計が出ているのは前向きにみたい証拠です。
前走時は促されて52.0秒で末12.0秒でした。その点を考えると前走以下ということはなさそう。
あとは前走と比較して骨太なメンバーが集まった点が気になりますが、この馬もなかなかにやれそう。
レピアーウィット【C】
5F69.3–53.1-38.1-1F11.9
単走末強め。
8月8日のエルムS以来のレースとなりますが、走りに力強さを感じられず。力が抜けるような走りをしていて、ここを使われてから上向くのではないかと見ています。
優勝した今年のマーチSと比較しても、映像を比べると歴然としています。
状態が戻り切れない印象で、もしかするとマーチS前後がピークだった可能性も。燃え尽き症候群ではないですが、前走と比較しても、前向きさが失せた印象です。
ワイドファラオ【B-C】
55.1-39.6-25.3-12.5
2頭併せ強めアタマ差遅れ。
軽快とは感じませんが、この馬らしく走れている。元々坂路を軽快に走るタイプではないので、いつも通りと考えていいでしょう。
前走時の映像と比較しても、変わりない範囲。時計は今回の方が明らかに遅いですが、前走時は負荷を掛けていますので時計に差が出るのは仕方がないでしょう。
それだけ勝負度合いは低いレースとなってしまいますが、この馬の地力は出せる範囲では仕上がっている。
ワンダーリーデル【B】
53.2-39.1-25.2-12.6
単走強め。
淡々と駆けていますが、特に変わりは感じません。いつもこのような動きで53秒台前半から末は12秒台を刻む馬です。
フェブラリーSの時と比較しても、動き気配共に変わりなし。
きっかけ1つで、また活躍できそうな部分はある。
ただ、8歳も暮れに近づきここから上を目指すのは少々酷か。今年は根岸S2着・フェブラリーS3着の実績がありますが、前走の走りを見るともう1戦くらいは必要かもしれません。
武蔵野Sの追い切り総評
今回の追い切りで上昇気配を示してきたのは、【A】評価のオメガレインボーが上昇気配漂う追い切りを消化。
その他、【B】評価の中からは、ソリストサンダー・ダイワキャグニー・タガノビューティー・テイエムサウスダン・ヒロシゲゴールド・ブルベアイリーデの6頭は前向きにみたい馬でした。
エアスピネルも具合は良さそうではあるものの、どこか頼りない動きにも見受けられるので、その点が心配。評価するならば上記メンバーの下になりそう。ただ、得意な舞台なだけに、カバーできるかもしれません。
それでは推奨馬4頭を発表します。
OPで勝ちきれない脆さはあるものの、ダート重賞でも上位争いを演じており、前走は0.1秒差の2着。その時から気配良化ならば楽しみが広がる舞台。
前走シリウスSで3着。その時と比較しても遜色ない仕上がり。着実に力をつけており、人気がないならば真っ先に狙いたい1頭。
OP2連勝で重賞挑戦。世代重賞ではさっぱりだったものの、特に今年は本格化したと感じる走り。あとは重賞の壁を打ち破れるか。ブルベアイリーデを買うならばこちらもセット買いするべき馬だと判断しています。
直近3走は交流重賞でいずれも馬券内。前走はMCS南部杯で2着という成績も心強い。騎手には不安が残るが、ここはG3の舞台。そこまで気負いはないのではないかと信じたい。
今回は上記の4頭をお薦めしたいと思います。