第29回東京中日スポーツ杯武蔵野ステークス
3歳以上 OP 1,600メートル(ダート・左)
出走資格は3歳以上のサラブレッド馬で、実力あるダートの中距離馬が集まるため、ハイレベルな戦いが展開されることが多いです。また、武蔵野ステークスはチャンピオンズカップ(GI)の前哨戦としての位置づけも強く、このレースで好成績を収めた馬がチャンピオンズカップでも活躍するケースがよく見られます。さらに、左回りの東京競馬場が舞台となるため、直線での末脚勝負が見どころです。
武蔵野Sの各馬の追い切り考察
評価は【S/A/A-B/B/B-C/C/D】の7段階評価です。
評価について、詳しくはこちらをご覧ください。
イーグルノワール【B】
51.1-38.0-25.3-12.8
2頭併せ強め併入。
一杯に追われる僚馬の方が脚色は良かったのが気がかり。
時計はもう時計の部類ですが、この馬自身は50秒台を出すことも多いため、そこまで速い時計ということではありません。
前走浦和でのオーバルスプリントでは栗東CWを使ってのレース。こちらでもかなりの好時計でしたが、結果は4着止まり。その点で言えば、追い切りの形をもとに戻した格好。
全体的には上昇気配がほしいところですが、デキは前走程度までと評価したい。
エルゲルージ【B】
52.0-37.8-24.3-12.2
単走強め。
前に他陣営の馬が多数いたことから、思い通りの内容を消化したのかは不明。また、単走扱いではあるものの、前に4頭程度いましたので、追いかける形になりました。
前走AリーフSでは4着まで迫ったものの、追い切りの内容的には前走のほうが良かったとも判断できる。
今回は単純にデキ落ちでは。
エンペラーワケア【B】
53.8-38.6-24.6-12.1
単走馬なり。
多少促されていましたが、全体的には馬なりという内容でした。それでも前進気勢を見せて自ら走っていくところもありました。
1週前には坂路で51.6秒-12.0秒で加速ラップを刻む好内容を消化。ここまでの作り方も、前走と同じ程度の負荷。
ただ、根岸Sの1週前に坂路50秒を切る猛時計を刻む内容を消化。そこと比較すると、休養明けやや時計の根拠が乏しくも映る。
デキ自体は悪くはないと判断。良い意味で前走程度には仕上がっていると判断しています。
カズペトシーン【B】
54.8-39.8-25.9-12.7
単走強め。
やや頭を上げてしまうような場面も見受けられましたが、淡々と走っています。
今年の6月以降好成績が続いていますが、この頃から坂路での時計が良くなっています。ようやく力をつけてきたという見方もできます。
最終リハは時計は遅いものの、1週前は52.4秒を刻めている点も考慮しても、前走程度には走れるのではないでしょうか。
キタノヴィジョン【B】
6F83.6-5F67.3-4F52.2-3F37.6-1F11.5
2頭併せ内強め半馬身先着。
少し難しそうなところを見せていますが、直線はいるとグイッと半馬身前に出ます。一旦は追いつかれそうになりましたが、脚色豊かに再度半馬身差前に出たところがゴールでした。
時計判断になってしまうものの、前走のほうが時計は良かっただけに、時計比較では前走のほうがデキは良さそうにも感じます。
ただ、走りの雰囲気は上々でしたので、悪くはないというところで見ておきたいと思います。
サヴァ【B】
54.0-39.2-25.4-12.5
2頭併せ馬なり併入。
脚色やや僚馬のほうが良かったという状況。
ただ、綺麗な走りをしているため、時計以上には遅いとは思いません。
前走と前々走は北海道滞在のため、単純な時計比較はできないものの、変わらない範囲ではないかと見ています。
サンライズホーク【B-C】
52.4-38.2-25.2-12.5
単走馬なり。
馬場が荒れている時間帯ではあるものの、馬なりで52.4秒を考慮すると、決して悪くはありません。
ただ、まっすぐに走れていないのはマイナス要素。頭も高くしてしまうなど、集中力にも疑問が残りました。
ショウナンライシン【B】
53.2-38.7-25.4-12.6
2頭併せ強め半馬身先着。
活気ある動きをしており、元気があるところは加速ラップを刻めている点も考慮して状態が良さそうです。
映像が5秒だけしか配信されていないため、ラスト100Mを切っている状況のところ。しかし、その映像だけを見ても状態は良さそうだと判断できるだけに、近走の走りには期待が持てるかと思います。
ポジティブな【B】評価としておきます。
タマモロック【A-B】
6F83.5-5F67.0-4F52.5-3F38.0-1F12.1
2頭併せ末強め半馬身程先着。
直線半ばで置いていかれそうになりましたが、そこから手が動き出すとあっさりと突き放しにかかります。直近3戦3連対の成績を残している雰囲気は十分です。
追われたらまだまだ走れそうなところも前向きに見れるポイントです。
前走休み明けを使われたところも加味すると、時計は地味ではあるもののデキは今回のほうが上ではないかと感じる部分もあります。
4歳秋を迎え、充実期に入ったのではないかとも思います。
ドルチェモア【B】
53.4-38.9-25.6-13.0
単走馬なりクビ差遅れ。
前走ダートを試されて見たものの大敗。22年の朝日杯FSの勝ち馬ですが、その後はさっぱりの成績。
走っている雰囲気も迫力は感じず、僚馬に無抵抗に離されているところを見ると、ピークは過ぎていると考えられているのではないかと思います。
ビヨンドザファザー【C】
5F69.3-4F52.9-3F37.4-1F11.5
2頭併せ外一杯2馬身遅れ。
ゴール後もしっかりと追われていましたので、上記の時計以上には走っています。
直線入ったところでは画面外にいた単走の馬にも、最後はあっさりと交わされるなど、見た目はかなり地味。
前走時の映像を見ると、もう少し抵抗していただけに、今回の走りには疑問が残る。
順調に使われているため、一旦、仕切り直しする時期なのかもしれませんが果たして。
ペイシャエス【A-B】
6F84.7-5F67.7-4F52.6-3F38.1-1F11.5
単走馬なり。
直線向くまではあまり良くは見えていませんでしたが、鞭を引き抜くとスイッチが入ったのか、そこからの伸び脚は良かったと思います。
1週前に超抜時計、自己ベストをマークしています。この中間の時計も良好なものが続いていますので、その点を考えると最終リハの直線の動きは迫力があり、裏付けているかと思います。
前走がエルムSだったため、単純な比較はできないものの、デキは今回のほうが良いのでは。
ペリエール【A-B】
6F82.8-5F67.2-4F53.1-3F38.9-1F12.0
単走馬なり
集中して走れている点はプラスに見たいところ。しっかりと加速していく時計を記録。近走好成績が続いていますが、それを裏付ける走りをしている印象です。
脚の運び、集中力、どれも良さそうに映りますので、侮れない1頭です。
昨年のこのレースでは9着と凡走。久々を使われた前走、今回は状態が上がっていると判断しています。
メイショウテンスイ【B】
55.9-40.1-25.2-11.9
単走一杯。
動きぎこちなく、顔を背けるなど馬が走る気持ちになっていないのでは。徐々に進行方向に対し左へ流れている点も見た目が地味に映ります。
可はなく不可はある、そんな走りに映ります。
時計が良い時もそうではない時も凡走したりしているため、時計判断でもあまり評価はできず。
武蔵野Sの追い切りまとめ
各馬の追い切りをチェックしましたので、全体評価とまとめを行っていきたいと思います。
今回の追い切りで上昇気配を示したのは、【A-B】評価のタマモロック・ペイシャエス・ペリエールの3頭でした。
【B】評価の中では、エンペラーワケア・カズペトシーン・ショウナンライシンの3頭は前向きにみたいところ。
それでは推奨馬の発表です。
1頭目:ペイシャエス
前走エルムSを中央重賞初勝利。過去にはJBCクラシックで3着の成績を残すなど、地力は高い馬。ようやく長いトンネルから抜けたような印象で、追い切りの雰囲気からもここは筆頭候補。
2頭目:あの馬
カズペトシーンでした。
3頭目:タマモロック
久々を使われた点も含めて、今回はデキは良さそう。OPクラスで足踏みも、相性の良い東京を舞台に活躍が見込める。
4頭目:ショウナンライシン
こちらも久々を使われた前走。しっかりと勝ちきったのはプラス評価。デキ自体はキープできている見込みで、重賞初勝利に向けて視界良好。