2021年5月2日(日曜)に行われる第163回天皇賞(春)の最終追い切り考察を行いました。
主な有力馬などは、別記事にて記載しておりますので、そちらも併せてご覧ください。
注目の長距離レースですが、今年は阪神開催のため、外回り→内回りとコースが変わります。
例年以上にロンスパ戦になりやすい傾向はあると思いますので、そういうロンスパに対応できる馬を決め打ちで買うというのも大事になってくるかもしれません。
それでは、早速ですが、追い切りをチェックしていきます。
天皇賞春の各馬の追い切り考察
評価は【S/A/A-B/B/B-C/C/D】の7段階評価です。
評価について、詳しくはこちらをご覧ください。
4歳以上OP コース:3,200メートル(芝・右 外→内)
アリストテレス【B】
6F79.0-64.1-50.1-37.3-1F12.4
3頭併せ外馬なり1頭1馬身先着、1頭2馬身先着。
他の2頭併せの馬が外から被せてくるようになり、実質的には5頭併せのような形になりました。
その分、コース6分から7分ほどを通過していますので、時計は参考程度まで。
動き自体は軽快でしたが、外に併せた馬がいたことで、足下の動きがやや見づらいものとなってしまいました。
1週前はCW6F84.7秒で全体時計は遅かったものの、ラスト1ハロン11.9秒と好時計をマーク。
予定よりも遅くなったというコメントも出ていましたが、当週追いをしっかるとやるとコメントを残されていました。
その当週追い、負荷的には馬なりでの内容で、当週追いをしっかりとやるというコメント通りではありません。
ややその部分、コメントと内容との差で引っ掛かったものの、時計は自己ベストをマーク。
ただ、自己ベストも、コースの進路取りや馬場差で吸収できてしまいそうな時計の範囲なので、自己ベスト=絶好調とまでは言い切れないでしょう。
この馬的にはデキは前走よりも良くなっている程度でみていいはずです。
個人的には、もう少し活気が欲しかったようにも思いました。
ただ、元気が良すぎるのもこの馬には難しく、前走みたいに引っ掛かる可能性もありますので、その点ではこのくらいに抑えた方が良かったのかもしれません。
ウインマリリン【B】
5F69.0-53.9-39.4-1F12.5
単走強め。
活気十分で、前進気勢を見せての追い切り内容でした。
動き自体は申し分ないのかなと見ています。
1週前はやや遅れるような形になり、脚色は僚馬に劣勢でした。
時計は1週前の方が良かったので、僚馬が意外にも走ったというところではないかと思います。
活気があるのはいつものことなので、今回の時計と内容から上昇気配とするのは難しいですが、状態面でのデキ落ちは考えなくて良さそうです。
良くも悪くも前走程度と考えていいでしょう。
追い切りはいつも動く馬ですから、そこまで
オーソリティ【B】
6F83.4-67.1-52.6-38.4-1F12.4
2頭併せ内強め併入。
カメラの角度的に、もしかするとアタマ差ほど遅れていたかもしれません。
僚馬も強めに追われた中で、手応え的には楽に併入に持ち込めそうな雰囲気こそありましたが、最後は届いたかなというような形になってしまいました。
前向きさはとても感じましたが、コーナーを回ってくるところで掛かりっぱなしになり、追われてからの反応もあまりよくなかったように思いました。
前走時よりも長い距離を追い、時計も前走以上ではありますが、内容的には足りない印象です。
時計はプラス材料に見ることができますが、全体的には差し引きプラスマイナスゼロというような形になったような印象です。
デキは平行線。良くも悪くもと言ったところでしょうか。
オセアグレイト【B】
5F67.0-51.8-39.0-1F12.4
単走馬なり。
軽快な動きで駆けていました。
特に負荷らしい負荷は掛かっていませんが、概ね、雰囲気は良かったです。
前走時の追い切りと比較すると、特に変わった様子はなく、良くも悪くも前走程度のデキだと判断します。
柔軟性がある走りのフォームはいつも通りですし、悪くはないとみています。
少し大人しい印象は受けましたが、走り自体はいつも通りの範囲。
あとは、ステイヤーズSで見せた長距離適正がここでも発揮されるかどうか。
安定した追い切りを消化していますので、ここ数戦のデキは平行線だと思っています。
カレンブーケドール【B】
52.7-38.2-25.2-12.9
2頭併せ馬なり半馬身先着。
最後はやや促されるような形になりましたが、馬なりの範疇としています。
時計はあまり良かったとは思いませんでしたが、馬場が荒れている時間帯なので、許容範囲と考えます。
ただ、G1前にしては、迫力不足は否めません。
1週前も坂路で2頭併せ。
当週追いとは違い、馬場が綺麗な時間帯でしたが、時計が伸びていません。
先週と今週とで馬場の差があるとはいえ、少し疑問が残る内容でした。
追い切りで動くタイプではないとは言え、G1前にしては地味でしょう。
上昇気配が欲しかったです。
ジャコマル【B】
6F83.6-68.3-53.4-39.6-1F12.9
単走末一杯。
最後は鞭が3発4発入るほど、しっかりと追われていました。
動きは活気十分、しっかりと走れていました。
1週前もCWで単走追い。
時計を刻んできましたが、いつも追い切りでは活気を見せているので、これでも通常通りと言えば通常通り。
特に今回の追い切りが良かったとは感じませんが、状態的にはキープできていると思います。
前走から上昇気配はありませんが、下がったという印象も受けません。
シロニイ【B】
53.7-39.1-25.6-12.9
単走強め。
しっかりと負荷を掛けられての内容でした。
1週前に坂路で併せ調教を施していますが、活気は変わらずの内容だったと思います。
前進気勢を見せての追い切りで可もなく不可もなく。
少し頭の位置が高いのが気になりましたが、シロニイはいつもこのような形での追い切りが多いので、特に問題視する必要もないかと思います。
阪神大賞典の追い切りは2頭併せを施していました。
ただ、その時は僚馬に遅れるような形でした。
中間の時計や1週前の映像と当週追いの映像を見て、上昇気配ということはまずないはず。
阪神3200Mを経験しているとは言え、3200M→3000M→3200Mと長距離レースを3戦目だけに、見えていない疲労が蓄積されている可能性も。
追い切りからは、下降線とは言い難いものの、上昇気配が欲しかっただけに、馬券的には前向きに見ることができません。
ディアスティマ【B】
53.1-38.3-25.6-12.9
2頭併せ強め併入。
手応えは僚馬よりも良かったのですが、終わってみれば併入止まりという言い方をする方がいいでしょう。
動き自体は活気がありましたが、内容的には不満が残るものでした。
1週前は坂路を54.1秒という時計で走破。
一杯に追われていますが、時計は伸びていません。
坂路であまり動かないタイプと言えばそこまでですが、G1レースですので時計的な根拠が欲しかった部分も。
この馬なりには動けていましたので、デキが落ちたという判断は下しませんが、物足りななさもあったように思います。
松籟Sを勝っていますので、コース適正は高いのだとは思います。
2連勝の勢いは感じる内容だっただけに、あとはG1レースという部分でどうなるか。
ディープボンド【B】
6F83.5-68.2-53.2-38.9-1F12.5
単走馬なり。
淡々と消化したという形ではありましたが、1週前にしっかりと追われていましたので、調整程度と考えていいでしょう。
その1週前はCWで2頭併せ。
6F79.1秒-3F37.9-1F11.7と、かなり意欲的な好時計をマークしました。
阪神大賞典の時は、最終リハでかなり意欲的な時計を刻んでいました。
今回は、1週前に負荷を駆けて、最終リハ軽めの内容でした。
1週前の段階で完成しているという判断もできますが、パターンが変わるのはあまり前向きには見れないポイントでもあります。
ただ、1週前の好時計を見て、今回のデキが落ちたと判断する必要はないでしょう。
デキは前走程度の状況にあると判断しています。
前向きに見たい1頭です。
ディバインフォース【B】
5F68.4-52.8-38.6-1F12.3
単走馬なり。
促されていましたが、馬なりの範疇としています。
前走から間隔が近い点もありますので、この内容で十分でしょう。
足取りやバランスなどから、疲労等の心配は必要ないと判断しています。
良くも悪くも前走程度まで。
前走以上に仕上がっているという雰囲気はありませんでした。
ナムラドノヴァン【B-C】
6F84.9-68.1-52.0-38.0-1F12.5
2頭併せ内馬なり併入。
馬なりではありましたが、最後にやや促されたような形になりました。
全体的にもう少し覇気が欲しかったです。
淡々としすぎているような印象を受けます。
1週前は、3頭併せの追い切りを行いました。
6F78.7秒-3F36.8-1F11.9秒という好時計をマークしています。
ただ、舌を出して走っているなど、集中力はあまり感じず。
1週前の活気が、最終リハでも観れたら良かったのですが、落差が大きい印象を受けました。
馬なりと強めの内容の違いもありますので、一概に落差があるから駄目というのは言い切れませんが、前走と比較してもやや迫力不足が大きい印象を受けました。
マカヒキ【B】
6F87.0-71.8-56.4-41.6-1F12.3
単走馬なり。
長い距離をじっくりと走らせるというのは、長距離を走る上で心肺機能を高めるためには必要なこと。
しかし、マカヒキのこれまでの追い切りと比較すると、あまりに負荷を掛けない追い切りだったことは否めません。
最初、時計を見た時に、どこか具合でも悪いのだろうかと勘繰ったくらいです。
動きなどは特に問題なさそうですから、馬体に何か問題があるようには思いませんでした。
1週前に6F78.4-3F37.2-1F12.4の追い切りを消化していますので、それで状態整ったとみているのでしょう。
しっかりと先着しての内容だけに、悪いというわけではありません。
ただ、マカヒキは追い切りでも動くタイプですので、その点ではデキはいつも通りと考える方がいいかもしれません。
久々は意識しなくて良さそうですが、8歳馬ですので上積みを見込むのは厳しいかもしれません。
デキは良くも悪くも平行線です。
メイショウテンゲン【A】
6F81.3-65.7-50.8-37.1-1F11.6
2頭併せ一杯半馬身差先着。
先週の馬場状況ならばこの時計でもと思うところはありましたが、今週の時計では上々の時計と言えるでしょう。
1馬身先行させて直線入ったところで馬体を併せると、しっかりと追われて先着することができました。
前走時の最終リハの時計とあまり差がないように感じますが、末11秒台は恐らくこれまでなかった時計です。
最後は伸びそうで伸びないという動きをみせていましたが、今回はしっかりと時計を縮めてきました。
もう少し柔軟性がほしいところがありますが、前走時と比較すると今回の方が上。
時計の根拠は十分。
台風の目になりそうな予感がします。
メロディーレーン【D】
56.5-40.4-26.3-13.5
2頭併せ末強め併入。
時計をみると馬なりだろうと思ったのですが、手綱は動かされていました。
坂路ではあまり時計を刻まない馬ではあるものの、さすがに全体時計と末の時計のいずれもが遅い印象。
調教後の馬体重を見てもそこまで増えた印象は受けませんが、精神的なものなのか馬体重的なものなのかは分かりませんが、やや気になる時計の刻み方です。
デキ落ちと考えていいでしょう。
ユーキャンスマイル【B】
6F88.4-71.1-55.0-40.0-1F12.5
単走馬なり。
促されてはいましたが、馬なりの範疇でした。
時計を見れば分かりますが、あまり負荷は掛けずにというところでのものでした。
前走時の最終リハは2頭併せでの内容でしたが、馬なりという部分は変わりません。
今回は全体時計が遅すぎるのが気掛かりですが、デキ自体は前走のままのところで作られていると考えていいはずです。
良くも悪くも前走程度まで。
ワールドプレミア【B】
6F84.3-68.7-54.1-40.1-1F13.0
単走馬なり。
走っている姿を見るに、デキは良さそうです。
伸びやかなフォームに、気持ちも前向きに乗っているように見えました。
1週前に2頭併せで負荷の高い追い切りを消化。
7ハロン追いを行い、長い距離をしっかりと乗られていました。
長距離G1である天春を獲りに来たと感じさせる好内容を消化していました。
追い切りの組み立て方は、今回のメンバーの中でもしっかりと理解できる部分は感じます。
長距離を走るための下地は作れました。
ただ、そこにプラス状態が上がってきているのかというのは少々難しい判断。
動きの迫力自体は前走の1週前の方が良かったようにも感じます。
長い距離をしっかりと走らせるというのは、心肺機能を高めるためには必要なことで、トレーニングをしっかりと積んでいます。
その点では、デキ云々の前に、狙いを定めてしっかりと作ってきたという点を評価するならば馬券で積極的に買うのをお薦めします。
追い切り考察的には、前走のデキまでとしておきます。
木曜追い切り馬
ゴースト【B※】
6F86.1-70.2-54.9-40.5-1F12.5
※前走競走中止
単走末強め。
大粒の雨が降っているのが画面越しからも伝わるほどの悪条件でしたが、時計はなんとかまとめてきました。
前走の阪神大賞典は心房細動の影響で競走中止。
その影響がどこまであるのか心配でしたが、中間の時計等を見ても、特に問題は感じさせていません。
1週前はCWで2頭併せ。
6F77.8-3F37.7-1F12.6の時計をマーク。
最後はやや苦しくなったのか、首を挙げてしまいそうになる場面もありましたが、それだけしっかりと負荷を掛けられたと見ることもできます。
ここまで激しく追われていますので、病気の影響は考えなくていいはずです。
比較するのが難しい部分はありますが、中止となった前走時の方が時計は良かったです。
ただ、良馬場と不良馬場との違いもありますので、時計だけで判断するのは危険。
デキは変わらずの部分で出走できる見込みです。
万葉Sと比較しても、デキは変わらないと考えています。
お薦め馬のご紹介
各馬の考察が終わりましたので、最後に追い切りお薦めの馬をご紹介して終わりとさせていただきます。
まず、今回の追い切りで上昇気配を示したのは、【A】評価のメイショウテンゲンのみでした。
【B】評価の中では、アリストテレス・ウインマリリン・オーソリティ・オセアグレイト・ディープボンド・ワールドプレミアの6頭は、追い切りを見る限りでは善戦以上の活躍に期待が持てそうなデキでした。
7頭もいますので、更に絞っていきたいと思います。
1頭目にお薦めするのは、ディープボンドとします。
前走阪神大賞典を優勝。
その時の走りと変わらずに出走できる見込みなのは心強い。
走りを見る限りでは、引き続き元気一杯。
G1勝利は目の前にあると考えていいはずです。
2頭目にお薦めするのは、メイショウテンゲンとします。
台風の目になりそうな1頭。
注目の1頭ではなく、あくまで伏兵の扱いですが、追い切りではこれまでにないラスト1ハロンの時計。
持久力+スピードが備わってきたと考えるのが妥当で、今回の阪神コースも相性が良さそうです。
3頭目にお薦めするのは、ワールドプレミアとします。
動きは相変わらずに良かったです。
上昇気配を求めたいところもありましたが、とにかく陣営の用意周到さを考慮すると、ここを狙っているのは明らか。
菊花賞以来のG1奪取へ向けて、視界良好ではないでしょうか。
今回は上記の3頭をお薦め馬にしておきます。
以上、天皇賞春の追い切り予想でした。