2021年5月16日に行われる第16回ヴィクトリアマイルの追い切り考察を行った記事です。
春のマイル女王を決める1戦。
主な有力馬はグランアレグリア・レシステンシアの2頭などがいますが、その他にも面白い馬が揃ったレースです。
各馬の追い切りをチェックしたあとにお薦め馬の記載を行っていますので、参考になれば幸いです。
ヴィクトリアM各馬の追い切り考察
評価は【S/A/A-B/B/B-C/C/D】の7段階評価です。
評価について、詳しくはこちらをご覧ください。
4歳以上OP コース:1,600メートル(芝・左)
アフランシール【B】
5F69.0-52.6-38.5-1F12.9
単走末強め。
コーナー部分をやや掛かりながらの動きとなりました。
1600Mであれば問題なさそうにも思いますが、距離短縮or延長ともに不発で終わっています。
状態自体は特に変わり映えしない部分かなと思います。
1週前の時点で、前脚を高く上げて走る活気のある動きをしていました。
無駄のある動きとも言いかえることができそうで、その点は微妙でしたが、状態面では平行線で来ているものと判断しています。
イベリス【B】
54.8-39.9-25.3-12.4
単走馬なり。
馬なり表記としていますが、最後はやや促された形となりました。強めと判断する方もいらっしゃるかと思います。その程度の運動強度でした。
前走時と比較すると、特に変わり映えしない動き。
時計自体はここ2走と比較すると落ちる印象は強いですが、輸送を考慮すると仕方がない部分があるでしょう。
阪神Cで0.5秒差6着、京都牝馬S0.3秒差1着、阪神牝馬S0.3秒差6着と、着順以上に負けた印象はありません。
どの馬なりにもレースができる活躍を見せていますので、この内容でも特に問題なく順調に来ていると思います。
ただ、時計が遅すぎる印象は受けますので、前走以上ということはない作りまでとなっているはずです。
追い切りで動いた時にそのまま結果が繋がっているようにも思いますので、その点では最終リハでもう少し負荷を掛けてほしかったです。
グランアレグリア【B】
6F82.5-66.7-51.8-38.0-1F12.5
2頭併せ内強めクビ差先着。
馬なりから強め程度の内容で、強めと書くと語弊があるかもしれません。
ただ、藤沢厩舎にしては珍しくやや強めに追い切った形となりました。
コース5分から6分を通過しているので、時計自体はこの程度でもやや時計が掛かっているかもという内容でした。
1週前は、我慢が効かないようにコーナー部分を回って直線へ。
馬なりではありましたが、追われてたら伸びていきそうな内容で併入という内容でした。
作りに甘さを感じる部分は否めませんが、8割9割のデキで出走できる見込みです。地力は十分に出し切れる。
ここは勝って当然という作りにも見えてしまうので、慢心などがなければいいのかなとは思いました。
中距離を走ったあとの内容ですので、スピード寄りの調教を行ったのはたしか。
しっかりと合わせて作った印象は強いです。
マイル路線で、特に牝馬同士となると負けられないという気持ちがあるのだろうと思います。
クリスティ【B】
52.9-37.6-24.2-12.0
単走強め。
単走扱いですが、すぐ後ろに2頭併せの馬がいました。
実質的には道中3頭併せで、最後は突き抜けた形。
六甲Sを勝ち上がったばかりでしたが、特段、今回負荷を掛けたというわけではない印象です。
G1前に、普段のルーティーンで整えてきました。
活気がある走りで、前進気勢も感じます。
今回が悪いということはなさそうです。
サウンドキアラ【B】
53.1-37.3-24.3-12.4
単走末強め。
馬なりと強めの間くらいの負荷運動でした。
活気を見せての内容で、特に悪い部分は感じませんでした。
前走時と特に変わり映えしない時計で走れています。
雰囲気は、今回の方が活気がありますが、時計が変わらないというのはある意味無駄な動きが多いのかもしれません。
ただ、馬場差などもありますので、その点では無駄な動きというよりも、この動きで上々の仕上がりと判断した方が良さそうです。
悪くはないです。
シゲルピンクダイヤ【B】
53.8-38.9-24.8-12.1
単走強め。
しっかりと負荷を掛けてきました。
ただ、舌を出して走っており、精神面でややマイナス。遊んでいるような格好となりました。
走り自体はこれまで通りで、リラックスしていると言えばリラックスしているようにも見えますが、あまりやる気になっていないのでは。
走り自体は前走と変わりなく、変わり映えしないものとなりました。
あまり前向きには見れない1頭です。
スマイルカナ【B】
53.9-38.6-25.1-12.0
単走馬なり。
最後はやや促された形になりましたが、馬なりと表記しておきます。
状態面では特に問題なさそう。
活気も十分で、前進気勢を感じました。
雰囲気は前走程度まで。
悪くはないものの、状態面ではもう少しスマートさが欲しかったです。
悪くはないとは思いますが、前走時と同程度のデキと考えておきます。
ダノンファンタジー【A-B】
5F68.7-51.3-37.7-1F11.9
単走馬なり。
促されていましたが、馬なりの範疇としておきます。
前走時は坂路を使っての高松宮記念でしたが、今回はCWを選択。
負荷自体は前走の方が上でしたが、距離延長に合わせてCWを選択した印象です。
活気は十分でしたが、やや無駄な動きが多い印象です。
阪神Cの時はCWで4ハロン追い。
今回は5ハロン追いでしたが、時計は今回の方が良かったです。
デキ自体は今回の方が良かった印象を受けます。
前走の負けからどこまで前進できるか。
ディアンドル【B】
55.5-9.2-25.1-12.7
2頭併せ馬なり1馬身先着。
強く追われることはなかった点、時計での判断で、僚馬の不甲斐ない動きでこの着差となったと考える方がいいでしょう。
活気自体はありましたが、中間もそこまで責めてものは消化していません。
前走時と比較しても、なにかが変わったという印象は受けず。
この馬なりに順調にここまで来ています。
デゼル【A-B】
55.0-40.4-26.6-13.2
単走馬なり。
時計を見て分かる通り、淡々と駆け上がってきたという印象です。
1週前にCWで7F96.0秒と長い距離を走っています。
末も11.8秒で上々の時計をマークしていて、実質的な最終リハは1週前のもの。
前進気勢を見せて、活気ある動きでした。
前走時も1週前にしっかりとやって、当週追いはリラックスして走らせていました。
ガツンと来るところは前走の方が良かったようにも思いましたが、時計の根拠と調教の雰囲気からして今回の方が上だと判断します。
前走以下ということはまずないでしょう。順調にここまで来ています。
テルツェット【B】
5F68.1-53.2-39.2-1F12.5
2頭併せ内強め併入。
脚色は僚馬の方が良かったです。
1馬身先行させて直線へ。
一旦は半馬身程前に出ましたが、最後は横並びでの内容でした。若干、テルツェットの方が前に出ていたかもしれませんが、半馬身程の差はありませんでした。
ただ、時計は悲観するものではありません。
雰囲気的には上昇気配は感じず。
もう少し活気がほしいところです。
プールヴィル【A-B】
54.3-39.7-25.5-12.1
単走強め。
しっかりと負荷を掛けられての内容でした。
欲を言えば、もう少し首の上げ下げがスムーズだといいのですが、観た印象としてはやや硬さがあるように感じました。ただ、この馬はいつもこんな感じなので、深く気にする必要はないでしょう。
前走時と比較すると、今回は時計が伸びていません。52.1-12.3で駆け抜けているので、その点では全体2秒弱遅いということになります。
1週前に、前が渋滞している中を、全体50.5秒-12.1秒で駆け抜けています。
頭が高いのが少々気になりましたが、それでもこの時計は上々です。
1週前にしっかりとやったので、当週追いは軽めの負荷で輸送を考慮してということになるかと思います。
前走のパターンを見せてほしかったのですが、1週前の雰囲気では今回の方が上。
仕上がり良好で、前走以上と判断しています。
マジックキャッスル【B】
5F67.1-51.9-37.9-1F12.2
2頭併せ内馬なり併入。
脚色は僅かに僚馬の方が良かったです。
ただ、走り自体に問題がありそうな印象はありません。
1週前に南Wで5F66.4秒-3F37.3秒-1F11.9秒の時計を消化。
その時は半馬身程遅れていました。
前走時は単走追いでレースに向かいました。
時計は大幅良化しています。
右回りと左回りの違いがあります(東京開催となると、美浦南Wは左回り)ので、その点では強く上昇した雰囲気を感じるとまでは言い切れませんが、前走以下のデキということはまずないでしょう。
マルターズディオサ【A-B】
5F68.7-53.9-39.7-1F12.5
単走強め。
走り自体は悪くなく、前進気勢も見せて。
1週前も同じようなつくりをされていて、踏み込みも強く全体的に雰囲気は上々。
前走時は坂路で3頭併せを行っていました。
その点では、高松宮記念からヴィクトリアマイルへの距離延長を意識しての作り方をしていると思います。
その点でも、しっかりと狙って仕上げてきた印象は受けます。
前走以下ということはまずないでしょう。
今回の方が、走りの雰囲気的には上ですので、素直にデキ上昇としておきます。
ランブリングアレー【C】
5F66.2-51.4-38.1-1F12.7
単走馬なり。
淡々と走っている印象で、踏み込みもやや甘め。
1週前はしっかりと鞭まで入ってCW5F64.6-3F36.7-1F12.5を消化。
その点では、1週前の方がやや心配になる時計で、思ったよりも時計が伸びていない印象です。
反応しているのかも怪しく、状態面がやや気になるところ。
前走時は同じくCWを消化していて、末11.9秒と猛時計を刻みました。
その点では、今回は1週前と当週追いといずれも12秒台までというところを見ると、時計の根拠が足りない印象です。
前走の反動があってもおかしくはないものを感じます。
買われる方は、当日の毛艶や雰囲気や馬体重などにも気を付けた方がいいかもしれません。
リアアメリア【B】
51.4-37.4-24.6-12.5
単走強め。
脚捌きなどは問題なく、最終リハの雰囲気を見る限りでは上々。
ただ、もう少しオーラみたいなものを感じさせてほしいのですが、近走の凡走をみると難しいかもしれません。
前走時はCWを選択していましたが、今回は坂路を選択。
時計の根拠的にはあまり変わらずの範囲。
この馬としては地力は出せるはずですが、能力的にはやや微妙な印象も。
明らかな上昇気配が欲しかった。
レシステンシア【B】
52.9-38.1-24.4-11.7
単走強め。
淡々と駆け上がっていますが、末は11.7秒と上々の時計をマークしました。
1週前も坂路を使って54.4-12.0をマーク。
当週追いで仕上げてきたという形で、ここまで順調さを感じさせます。
阪急杯や高松宮記念で結果を残しているように、どこか短距離馬の印象が強いです。
マイルも守備範囲だとは思いますが、スピードも求められる舞台になれば結果を残せそうなところは感じます。
デキは前走をキープできていると判断していいでしょう。
あとは、中距離を走る能力を求められると言われる東京マイルを攻略できるか。
レッドベルディエス【B】
5F68.6-53.5-39.4-1F12.6
3頭併せ中馬なりクビ差先着。
やや促されての内容で、ゴール後も手綱を緩められることはありませんでしたので、上記以上には走っています。
1週前も南Wを選択。
伸びのある走りで前進気勢も感じる内容で好感が持てます。
やや間隔が空くローテを歩んでいますが、、これまでの戦績をみると使い詰めよりかは間隔を開けた方がいいと感じる部分もあります。
デキ自体はこれまで通りまで。
デキ落ちと判断する必要はありませんが、上昇気配が欲しかったところです。
ヴィクトリアMの追い切りお薦め馬
各馬の考察が終わりましたので、最後に推奨馬をピックアップして終わります。
まず、今回の追い切りで上昇気配を示したのは、【A-B】評価のダノンファンタジー・デゼル・プールヴィル・マルターズディオサの4頭でした。
【B】評価の中で好感が持てたのは、グランアレグリア・テルツェット・マジックキャッスル・レシステンシアの4頭は前向きに評価しています。
上記の8頭は追い切りからは注目しておいていい馬です。
8頭を丸々お薦めですでもいいのですが、さすがに多いので上位トップ4を選択してご紹介しておきます。
1頭目にお薦めするのは、グランアレグリアです。
状態面は心配なさそうで、これまで通りの地力を発揮できそう。
藤沢厩舎にしては珍しくやや強めに追われていました。
その点では、調整があまりうまくいっていないという不安なパターンもたしかに存在しますが、しっかりと走れている点を考えると、そこの心配はいらないかと感じます。
若干、雰囲気がどうかなとは思いましたが、さすがにこのメンバーであれば勝ち負けに持ち込めるはず。
2頭目にお薦めするのは、 ≪B≫ とします。(ランキングへのご協力をお願いします)
好勝負気配!
前走で初重賞制覇となりましたが、最終リハの雰囲気はとても良かったです。
牝馬限定G1であれば、勝ち負けに持ちこめるはず。
東京マイルは中距離を走れる地力が必要になりますが、そこもこの馬はクリアにしていますので、楽しみな存在です。
3頭目にお薦めするのは、プールヴィルとします。
前走阪神牝馬Sで惜しくも4着。着差は0.1秒差であれば負けた印象はあまりありません。
前走以上の作りを施されてきたと感じますし、東京や新潟と広いコースで結果を残しています。ここでも上位争い可能でしょう。
4頭目にお薦めするのは、レシステンシアとします。
距離延長が怖いと感じる1頭。
追い切り自体もスピード寄りの調整を行っているようなところもありますので、4番手評価とします。
ただ、デキ自体はこれまで通りだと思いますので、その点では優勝があっても驚きはありません。
時計の刻み方を考えると、距離は短い方がいいのかもしれないという点は感じます。
以上が、今年のヴィクトリアマイルの追い切り考察と推奨馬です。参考になれば幸いです。