2025年6月22日（日） 東京競馬場 芝1,800m（左） 3歳以上牝馬・ハンデ GIIIレース
2025年から、このレースは新たに「府中牝馬ステークス（GIII）」として生まれ変わりました。
旧来は「マーメイドステークス」という名で、6月に阪神競馬場の芝2000mで行われていた牝馬限定のハンデ重賞でした。
しかし、今年からJRAの番組体系見直しにより、
- レース名を「府中牝馬ステークス」に改称
- 開催地を「東京競馬場」へ移設
- 距離も「芝1800m」に短縮
- 時期は据え置きで「6月下旬」
という変更が加わり、これまでとはまったく新しい意味を持つ一戦となりました。
なお、旧「府中牝馬ステークス」は秋の牝馬GII戦として10月に開催されていましたが、こちらは「アイルランドトロフィー」に移行予定とされており、今後の牝馬路線の再編が進行中です。
つまりこの新「府中牝馬S」は、
- 夏競馬初期における牝馬重賞の登竜門
- 秋のエリザベス女王杯やアイルランドトロフィーを見据えるステップレース
としての意味を強く持つようになったわけです。
特別登録馬＆想定騎手・斤量（2025年6月15日時点）
以下の14頭が登録済みです（斤量や騎手は想定です）。
| 馬名 | 性齢 | 斤量（kg） | 想定騎手 |
|---|---|---|---|
| アスコルティアーモ | 牝5 | 53.0 | 荻野極 |
| ウインエーデル | 牝5 | 52.0 | 原優介 |
| ウンブライル | 牝5 | 54.0 | ○○ |
| エリカヴィータ | 牝6 | 52.0 | 北村宏司 |
| カナテープ | 牝6 | 53.0 | レーン |
| カニキュル | 牝4 | 54.0 | 戸崎圭太 |
| グランスラムアスク | 牝6 | 54.0 | ○○ |
| シングザットソング | 牝5 | 57.0 | 菅原明良 |
| セキトバイースト | 牝4 | 55.0 | 浜中俊 |
| タガノエルピーダ | 牝4 | 56.0 | 団野大成 |
| フィールシンパシー | 牝6 | 57.0 | 横山琉人 |
| ミアネーロ | 牝4 | 54.0 | D.ディー |
| ラヴァンダ | 牝4 | 54.0 | 岩田望来 |
| ラヴェル | 牝5 | 57.0 | 津村明秀 |
注目の有力馬ピックアップ
カナテープ≪牝6／鹿毛 堀宣行厩舎≫
【前走】初音ステークス（3勝クラス・東京・芝1800m）1着【父】ロードカナロア【母父】ロイヤルアプローズ
6歳牝馬ながら近走は安定した成績を残しており、東京芝1800mで特に成績優秀です。2025年2月の初音Sでは直線の切れ味で抜け出し、3勝クラス卒業を飾りました。セレクトセールで高額落札された良血で、現級でも常に上位争いに加わる実力があります。6歳でも衰え知らずで、東京コースは複数好走実績あり。ハンデ戦への適応も見込め、軽量なら一発も期待できる一頭。
カニキュル≪牝4／黒鹿毛 菊沢隆徳厩舎≫
【前走】4歳以上2勝クラス（東京・芝1600m）1着【父】エピファネイア【母父】ゼンノロブロイ
2021年生まれの4歳牝馬。父系にシーザリオ、エピファネイアの配合で注目を集めます。2025年5月に東京芝1600mで2勝クラスを完勝し、そのときの馬体重は510kgと大型馬と呼ばれるまで成長を見せました。昨年の三浦特別（芝1800m）でも好走実績があり、東京では〔3-1-1-0〕とコース適性も高いです。調教師は関東の菊沢隆徳厩舎。4歳世代の中では勢いある馬で、当レースで末脚爆発の可能性あり。
セキトバイースト≪牝4／鹿毛 四位洋文厩舎≫
【前走】都大路ステークス（L・京都・芝1800m）1着【父】デクラレーションオブウォー【母父】Footstepsinthesand
2021年1月生まれ。この血統の組合せは欧州血統寄りでパワー型。2025年5月の都大路Sではリステッド競走ながら0.5秒差の快勝し、芝1800mの適性を改めて証明。通算成績13戦3勝で上り勝負にも対応可能。前走の勝利で賞金的にも重賞で戦える層に上がり、東京芝1800mはプラス材料。55.5kgは見込まれた印象も受けますが、秋に向けて弾みをつけたい1頭。
ラヴェル≪牝5／鹿毛 矢作芳人厩舎≫
【前走】ヴィクトリアマイル（GⅠ・東京・芝1600m）12着【父】キタサンブラック【母父】ダイワメジャー
2020年2月生まれ、キャロットファーム生産。2022年アルテミスS（GIII）＆2024年チャレンジC（GIII）勝ち馬として実績十分。昨春のGⅠにチャレンジもヴィクトリアMでは12着と課題も見せました。東京芝1800mは未経験ながら、キレと持久力を両立できる血統。東京での重賞実績あり。斤量軽減があれば好走可能性もあり、巻き返しに期待されます。
タガエルピーダ≪牝4／黒鹿毛 斉藤崇史厩舎≫
【前走】阪神牝馬ステークス（GⅡ・阪神・芝1600m）7着【父】キズナ【母父】キングカメハメハ
2021年4月生まれ。名前の由来は「希望」で、父キズナ×母父キングカメハメハという豪華配合。2025年4月の阪神牝馬Sでは7着でしたが、着差は0.4秒で掲示板に近い内容。2025年2月には3勝クラス斑鳩Sを快勝済。血統からスタミナとキレを併せ持ち、東京芝1800mは距離延長になじみやすい。ハンデ戦で軽量なら激走の可能性を秘めた4歳新鋭です。
府中牝馬ステークス 過去10年データ分析（2015～2024）
開催時期のほかにも、別定戦からハンディキャップ競走と変わっているため、どこまでデータが通用するかはわかりませんが、一応、府中牝馬ステークスのデータを残しておきます。参考程度にご覧ください。
1. 【府中牝馬ステークス｜人気別成績（過去10年）】
| 人気 | 着別度数（1着-2着-3着-着外） | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1番人気 | 2-3-2-3/10 | 20.0% | 50.0% | 70.0% | 70 | 103 |
| 2番人気 | 1-2-2-5/10 | 10.0% | 30.0% | 50.0% | 36 | 72 |
| 3番人気 | 1-0-1-8/10 | 10.0% | 10.0% | 20.0% | 65 | 45 |
| 4番人気 | 2-1-0-7/10 | 20.0% | 30.0% | 30.0% | 156 | 73 |
| 5番人気 | 1-1-1-7/10 | 10.0% | 20.0% | 30.0% | 104 | 93 |
| 6番人気 | 0-1-0-9/10 | 0.0% | 10.0% | 10.0% | 0 | 42 |
| 7番人気 | 1-0-1-8/10 | 10.0% | 10.0% | 20.0% | 202 | 64 |
| 8番人気 | 0-0-2-8/10 | 0.0% | 0.0% | 20.0% | 0 | 93 |
| 9番人気 | 0-1-0-8/9 | 0.0% | 11.1% | 11.1% | 0 | 46 |
| 10番人気 | 0-1-1-7/9 | 0.0% | 11.1% | 22.2% | 0 | 126 |
| 11番人気 | 1-0-0-8/9 | 11.1% | 11.1% | 11.1% | 355 | 85 |
| 12番人気 | 1-0-0-7/8 | 12.5% | 12.5% | 12.5% | 435 | 77 |
| 13番人気以下 | 0-0-0-32/32 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
◆人気別傾向
- 1番人気馬の複勝率は70%と高く、軸馬として信頼できる水準。ただし、勝率自体は20%とそこまで抜けて強いわけではなく、取りこぼしもある。
- 2～5番人気の勝率・複勝率は比較的安定しており、連軸や穴候補として機能。
- 6～10番人気からも馬券圏内に入る例あり。特に7番人気（勝率10%、単勝回収値202）など、妙味あり。
- 11番人気と12番人気からも勝ち馬が出ており、波乱の可能性も一定数存在。
- 13番人気以下は過去10年で馬券圏内ゼロ。軽視してよい材料。
◆回収値から見る注目ポイント
4番人気（156）、5番人気（104）も回収率は良好。人気の盲点になりやすく、穴の中では買い目に加えたいゾーン。較的安定して上位に来ています。一方で7人気以下でも数回優勝例があり、波乱も完全には否定できません。
単勝回収値が最も高いのは12番人気（435）と11番人気（355）。これはいずれも単発の激走によるもので、「穴一発型」がいるということ。
2. 枠順別成績
- 内枠（1～3枠）
勝率：2.3％、複勝率：約20.5％
《1.6.2.35》と内枠が成績奮わず。1枠2枠は未勝利も、5頭が2着に入っている。 - 中枠（4～6枠）
勝率：11.1%、複勝率：24.1％
《6.3.4.41》で、単勝回収値143円と優秀の成績。 - 外枠（7～8枠）
勝率：7.3％、複勝率：19.5％
《3.1.4.33》と中途半端な成績。単勝回収値は119円とプラスの成績を残している。
→ 内枠はとにかく勝負気配が弱い。4枠から外の馬で単勝勝負でプラスになっているという数字の根拠がある。
3. 前走クラス別の好走率
| 前走クラス | 勝率 | 複勝率 |
|---|---|---|
| G1・G2重賞 | 約20% | 約40% |
| G3重賞 | 約15% | 約35% |
| オープン特別以下 | 約5% | 約15% |
→ やはり前走で重賞（特にG2以上）に出走経験のある馬が強い傾向にあります。オープン特別以下からの大穴は少なめです。
4. 年齢別傾向
- 4歳馬：勝率・連対率が最も高く、特に良績
- 5歳馬：安定した成績を残すが、4歳に一歩劣る。単勝回収値は164円と、単純にプラス。
- 6歳以上：出走数は少ないが波乱要因になることも
まとめ
- 人気馬（特に1～3人気）は安定して好走しやすい。
- 枠順は中枠～外枠が勝ち馬を多く輩出。
- 前走重賞組（特にG2以上）に注目。
- 4歳馬の好走が目立つ。
爆穴データ
5歳馬＋中枠から外枠に入った馬の単勝回収値は228円。単純に5歳馬の中枠外枠に入った馬を買っていた場合は、単純にプラス収支でした。《5.1.1.37》
以上、府中牝馬ステークスの出走予定馬情報でした。
