しらさぎステークスは、2025年に新たにGⅢ競走として設けられた、古馬のマイル戦です。これまでは「米子ステークス」というリステッド競走として行われていましたが、夏季競馬のマイル路線の充実を図るため、2025年からGⅢへ格上げされ、その名もしらさぎステークスと改められました。
このレースは、サマーマイルシリーズの初戦を飾る重要な一戦となります。舞台は阪神競馬場の芝1600メートル(外回り)で、3歳以上の競走馬が出走できます。1着の賞金は4100万円です。
「しらさぎ」というレース名は、阪神競馬場がある兵庫県に位置する世界遺産であり国宝の姫路城の別名、「白鷺城」に由来しているとのこと。
特別登録(15/18)
馬名 | 負担重量 | 想定 |
---|---|---|
キープカルム | 57 | 坂井瑠 |
グランスラムアスク | 55 | ○○ |
コレペティトール | 57 | 井上 |
シヴァース | 57 | M.デム |
ダイシンヤマト | 57 | 岩田康 |
タシット | 57 | 田口 |
ダディーズビビッド | 57 | 池添 |
ダンツエラン | 51 | ○○ |
チェルヴィニア | 57 | C.ルメール |
デビットバローズ | 57 | 松山 |
ニホンピロキーフ | 57 | 幸 |
ボルザコフスキー | 57 | 吉村 |
マテンロウオリオン | 57 | 横山典 |
ラケマーダ | 57 | ○○ |
レーベンスティール | 59 | 川田 |
フルゲート18頭に対して、15頭が登録。全頭が出走できる見込みです。
有力馬詳細分析
ここからは特に注目される4頭の有力馬について、血統や実績、長所と懸念点を冷静に分析し、レース展望に活かせるよう解説します。
チェルヴィニア
基本情報と血統
チェルヴィニアは2021年2月3日生まれの牝馬で、父はハービンジャー、母はチェッキーノ(母父キングカメハメハ)という良血馬です。2023年のアルテミスステークス(GIII)を皮切りに、2024年にはオークス(GⅠ)と秋華賞(GⅠ)を連勝。2024年のJRA最優秀3歳牝馬にも選ばれています。
長所
- クラシック2冠(オークス・秋華賞)+GⅠ2勝の高い能力
- ハイペースでも折り合いをつけることができる耐性
- 瞬発力とスタミナを兼ね備えたバランス型の馬
懸念点
- マイル戦がやや短く、折り合いに課題が残る可能性
- 阪神外回りの右回りコースは得意ではない可能性がある
- ドバイ帰りの輸送明け初戦で、調子のピークを掴めているか不透明
- 騎手にルメール騎手を確保できるかどうかが大きなポイント
総評
チェルヴィニアは、このレースの中心馬に位置付けられますが、上記の懸念材料がすべてクリアできるかどうかが勝敗の鍵。特に直前の調教内容と騎手決定は要注目です。
シヴァース
基本情報と血統
2021年4月24日生まれの牡馬、父はモーリス、母はヴィブロス(母父ディープインパクト)という血統。調教師は友道康夫氏で、馬主は元プロ野球選手佐々木主浩氏、ノーザンファームの生産馬です。
長所
- モーリス×ヴィブロス×ディープインパクトの配合で、スピードと持久力のバランスが良い
- 2025年の夢洲ステークスで好時計&快勝し調子は良好
- 先行〜中団で競馬ができ、33秒台の上がりを使える瞬発力も備える
懸念点
- 重賞実績はまだ少なく未知数の部分が多い
- 距離短縮で2000mからマイル戦への適応が課題
- ハイペースでの折り合いが課題になる可能性がある
- 馬場が悪化するとパフォーマンスが落ちる可能性もある
総評
シヴァースは阪神マイルで好走実績もあり、調整も順調。良馬場での好走に期待できる一頭で、展開次第で上位争いに加わる力があります。
レーベンスティール
基本情報と血統
2020年3月8日生まれの牡馬。広富牧場生産、キャロットファーム所有。父はリアルスティール、母はトウカイライフ(母父トウカイテイオー)という血統で、シンボリルドルフやトウカイテイオーの名血を受け継いでいます。
長所
- 重厚な中距離実績があり、三重大賞勝利など重賞3勝の実績を持つ
- 高速馬場で強力な末脚を発揮する力馬
- 軽快な調教動きを取り戻し、転厩効果も期待できる
懸念点
- 初めてのマイル戦、阪神コースは未知の領域
- 近走の安定感に欠けるため、当日の状態が重要
- ハイペースが続く展開への適応力も問われる
総評
レーベンスティールは実績は申し分ないものの、距離やコースの適性が未知数。しっかり調整されているかが重要で、チェルヴィニアやシヴァースに続く準主役クラスの存在です。
キープカルム
基本情報と血統
2021年4月8日生まれ、父ロードカナロア、母はダンスアミーガ(母父サクラバクシンオー)。社台ファーム生産で2022年セレクトセールで約6,380万円の高額落札馬。馬主は前田晋二氏。
長所
- 血統と高額落札価格から期待値が非常に高い
- 重賞3着経験があり、安定した実力を持つ
- 良馬場なら末脚が光り、中山でも好走歴あり
懸念点
- まだ重賞勝利がなく、本格化はこれからの印象
- 阪神外回りの経験が少なく適性未知数
- 馬場悪化に弱い面があり、不良馬場はマイナス
総評
血統と価格から将来性豊かな馬ですが、現状は安定感に課題
レースの特徴と傾向
- 阪神芝1600m(外回り)は、スタートから3コーナーまでの距離が444mと長め
- コーナーは緩やかな下り坂で、最後の直線は約474mの長い直線と急坂(高低差1.8m)がある
- ペースは落ち着きやすく、最後の直線での瞬発力勝負になりやすい
- 過去の米子ステークスから格上げ後は出走頭数増加とともに波乱傾向が強まっている
- 7~11番人気の馬の複勝回収率が100%超え。人気薄の伏兵にも要注意