11/7(日)に阪神ダ1800で行われるみやこSの最終追い切りの各馬の様子と全体のまとめをおこなっている記事です。
人気が予想されるクリンチャーは、坂路で全体51.9秒と好時計も、最後は13.1秒でやや苦しそうな走り。状態が上がり切っていない不安を感じます。
各馬の考察後に、全体まとめでお薦めの馬を記載しておりますので、最後までご覧になっていただけるならば幸いです。
みやこSの各馬の追い切り考察
評価は【S/A/A-B/B/B-C/C/D】の7段階評価です。
評価について、詳しくはこちらをご覧ください。
アシャカトブ【B】
52.7-38.3-24.7-12.4
2頭併せ強め1馬身先着。
手前の変更もスムーズで、しっかりと最後も伸びています。
引き続き動き良好で、この馬としては特にデキ落ちとせず良さそうです。
前走時と比較しても、上向いたとは言い切れない内容も、時計は良化を感じる。前走以下ということはまずない。
アナザートゥルース【B】
5F67.3-52.3-37.4-1F12.0
2頭併せ外強め併入。
内を回った僚馬に馬体をぶつけられましたが、その後も順調に走っています。
前走時と比較すると、今回の方が陣営的には勝負度は高いとみていい内容です。
ただ、馬自体は特に変わり映えしない内容となってしまいました。
デキは前走までと評価します。この馬としてはしっかりとやれている。
エクスパートラン【C】
55.1-40.0-26.5-13.6
単走馬なり。
時計の根拠的には足りないところですが、前走が10月24日ブラジルCだった点を考慮すれば中1週での出走となりますのでこのくらいでもいいのでは。
ただ、ダートを走るにしては、やや蹴る力が足りていない気もします。もう少し前脚の掻き込みが強い方が適正高そうに見えます。
この内容で評価するのは難しいのですが、前走以上ということはないと判断。前走以下も視野に考えています。
オーヴェルニュ【B】
55.6-38.9-25.0-12.4
単走末強め。
前走の帝王賞ではCWでの単走追いでした。舌を出して集中力は感じずという内容でした。
帝王賞の追い切り考察を出していたら、平安Sからデキ落ちと評価していたはずです。タラレバの後出しですので、なんとも分かりませんが。
今回は坂路で最後にしっかりと動かされていました。
平安Sの時は、CWでしっかりと動かされていましたのでこのパターン変更がどうなのかという疑問が沸きます。もしかすると馬体重が思ったよりも下がらなかった可能性がありますので、当日の馬体重には要注意。
帝王賞の時と比べると、今回の方が走りに精彩がない印象。それだけ活気があるという見方もできますが、もう少しスマートに走ってほしい印象も。
デキは上がり切れていないのでは。
クリンチャー【B-C】
51.9-38.2-25.5-13.1
単走末強め。
帝王賞で3着の実績馬。それだけに期待が掛かる1戦ではあるものの、坂路自己ベストをマークする走りも、最後は明らかに息切れ。
テンから飛ばしての走りだけに、仕方がないと見ることができますが、久々の影響はあるのではないかと見ています。
ただ、力づよい走りは健在。7歳後半に入りましたが、決して能力が劣っているという印象は受けません。
前走からはやや見劣りする部分は感じますが、そこまで落ちたという印象もなく。
スワーヴアラミス【B】
52.5-38.4-25.1-12.6
単走強め。
しっかりとした脚捌きで走れています。最後の方でやや頭の位置が高くなってきてしまいましたが、それでもなんとか耐えていたという形でした。
前走時と比較しても、特に遜色ないレベルかと思います。
坂路を選択してきたのは意外でしたが、動き等々から考えても、デキが悪いということは考え難い。結果が出ている間のパターンの変更は嫌いたい部分ではあるものの、動きは決して悪いとは感じませんし、2走前のエルムSや前走時計と比較しても、近走は状態キープで出走できると考えています。
前向きに見ておきたい1頭です。
ダンビュライト【A-B】
50.9-37.2-24.9-12.9
2頭併せ末強め4馬身先着。
初ダートへの挑戦で意欲的になっているのか、追い切り自体は熱心に作られています。決して試してみようという感じではなく、勝ちに行っている印象を受けます。
前走時の時計を比較しても、今回の方が断然良いですし、動きもより増して動けていました。
仕上がり良好で、あとはダートでどこまでやれるかに注目です。ここをあっさりと勝てるようであれば、12月のチャンピオンズCが楽しみに感じる馬だと思いますし、そのまま年末の東京大賞典や翌年の川崎記念までは楽しみな1頭ではないでしょうか。
ニューモニュメント【B】
52.5-38.8-25.7-12.9
単走強め。
しっかりと動かされて走れていました。ただ、時計の根拠的にはもう1つ足りない印象は受けます。
前走と比較して、デキが落ちたとは感じませんが、上向いたとも感じず。OPの高い壁に跳ね返されている現状では、重賞では厳しい印象を受けてしまいます。
この馬としては地力は出せる状況です。
プリティーチャンス【B】
53.2-39.0-25.4-12.5
単走強め。
追われてからも伸びていますので、特にどこかに問題がありそうという印象は受けません。
ただし、ダート路線は条件戦とオープンの間に高い壁がある。それを越していくためには、それ相応の能力が必要となります。調子も上げていかなければいけない。
今回の内容的には足りないという印象。この馬なりには全力は出せる状況ですが、調子をキープしているところまで。上向いたとは言い切れず。
メイショウハリオ【B】
53.7-38.5-24.5-12.2
単走強め。
単走扱いですが、渋滞している中ですぐ隣に他馬がいましたので実質的には2頭併せでした。
全体時計は見劣りしてしまいますが、最後は12.2秒と、最後はしっかりと伸びています。もう少し首を上手に使えるとさらに良さそうですが、全体的に動きは小さい印象です。
今回の追い切りの動きをチェックして、もし結果を出したのであればこの動きで問題ないと判断していいでしょう。現時点では時計判断ではそこまで大差がわるわけでないのですが、映像を観ると少々不安。
デキはキープできているので、重賞挑戦でどこまでやれるのか。
メイショウムラクモ【B】
6F85.2-68.7-53.7-39.1-1F11.9
2頭併せ内馬なりアタマ差遅れ。
僚馬の方が脚色は良かったですが、決してメイショウムラクモが悪い走りをしていたというわけではありません。馬なりでの内容ですので、着差よりも時計を優先した形と判断しています。
追い切り的には逃げもしくは先行を意識したような形。僚馬の1馬身から2馬身先行して、直線に入ってという追い切りでした。
前走時と比較すると、前走時は僚馬の後方を追走する形。ただ、時計的にも内容的にも大差はありません。もしかしたら逃げるかも、くらいに考えておいていいかもしれません。
久々ですが、デキ自体は変わりなく出走できる見込みです。
ラストマン【B】
5F66.5-51.6-37.9-1F12.2
2頭併せ内強め併入。
促されるとスムーズに加速して先着。動きも活気があり、上々の仕上がりだと判断します。
ただ、ゴール後に手綱を緩められると急減速する形。ゴール後に手綱を緩められすぐに減速する馬は個人的にはあまり好きではない。走ることを嫌がっている可能性がないとも言い切れないので。
追われてからの伸びの良さを考えると、走る気持ちになっていないなどということはなさそうですが、少々不安点がありました。
交流重賞で苦戦していますが、デキ自体は相変わらずのところで仕上がっている。クラス慣れが必要なのかもしれませんが、走りを見ていると重賞のどこかは勝てそうにも思います。悪くはない。
ロードブレス【B】
6F85.0-68.0-52.8-38.8-1F12.0
3頭併せ中馬なり1頭併入、1頭1馬身半先着。
最後は外を走る馬に迫られる形になりましたが、内を走る馬にはしっかりと先着を見せた。全体時計が物足りないものの、末の12.0秒は上々。
前走時の映像が配信されていませんので、映像比較ができませんが、13着に敗れた2走前の平安Sと比較すると、今回の方が好仕上がりな印象。
一息入れたことでリフレッシュ効果が出ているのかもしれません。悪くはない動きをしていたので、今回は前走から変わりないと判断しておきます。
今年に入って極端に悪い状態にはなっていないと思うので、あとは5歳のこの時期となって、さらに肉体的に強化できるのかという部分。成長力が残っていれば楽しみ。
みやこSの追い切り全体まとめ
今回の追い切りで上昇気配を示したのは【A-B】評価のダンビュライトのみ。ダートへの適性が鍵となる馬ですが、仕上がりはかなり良好。ダート路線で活躍させたいという気持ちの表れか、それを馬自体も感じ取っているかのよう。
【B】評価の中では、スワーヴアラミス・メイショウムラクモ・ラストマン・ロードブレスらが良さそうでした。【B-C】評価とデキ落ち判断とは感じますが、このメンバーならばクリンチャーも侮れないところで仕上がっているでしょう。連覇は難しいかもしれませんが。
この辺りが今回の追い切りで評価できる馬達でした。このまま全体評価を行います。以下の4頭を今回のお薦め馬といたします。
仕上がり断然。追い切り評価という意味では、今回は周りと比べてもトップの状態。あとはダート適正のみ。
仕上がりは悪くはない。平安Sは速い時計に対応できなかっただけとも読み取れる。調子自体は前走と変わりなく、リフレッシュ効果が上手く出ているのでは。
今回はやはりデキ落ちだと思いますが、それでもこのメンバーならば。ライバル達も思うように状態が上がっていない中で、この内容の追い切りでもパフォーマンスは発揮できる。ただ、追い切りを見る限りでは、やはり狙いは次走の方が作り込まれていると判断したい。
重賞で好走が続く馬だけに軽視は禁物。ここを勝てるようであれば、今後も安定して勝てそうです。