こんにちは!
爆穴ブログ管理人のリッキーです^^
本日もご覧いただきありがとうございます。
当ブログは、「爆穴」〜的中率が低くても回収率で勝負するブログでは、重賞レースの追い切り情報を基に予想をしていくスタイルをとっています。
お蔭様で、徐々に認知度も上がってきたのか、Twitterなどで質問していただける機会が増えてきました。
「追い切りの見るべきポイントはどこだろう?」
「どんなところに気を付ければ馬券に繋げられるのだろう?」
そんなことを思っていらっしゃる方に、リッキー流の追い切り調教のチェックの中で、抑えるべきポイントについて書いていきたいと思います。
ご参考になるものがあれば幸いです。
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”hidarineko.png” name=”ちゃちゃ”] 僕たちも説明します! [/speech_bubble]
[speech_bubble type=”std” subtype=”R1″ icon=”migineko.png” name=”こてつ”] 俺たちに任せてくれ! [/speech_bubble]
まずは、前提条件としていくつかの情報を皆様にお伝えしておきます。
いわば基礎知識となるものです。
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”hidarineko.png” name=”ちゃちゃ”] 基礎知識は大事だよ [/speech_bubble]
調教施設は大まかに分けて栗東トレセンと美浦トレセンがある
よく競馬では、西と東という言葉が出てきます。
方位というのは間違いではないのですが、競馬では西と言えば栗東(りっとう)トレセン、東と言えば美浦(みほ)トレセンに分けられます。
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”hidarineko.png” name=”ちゃちゃ”] トレセンというのは、トレーニングセンターの略だよ [/speech_bubble]
[speech_bubble type=”std” subtype=”R1″ icon=”migineko.png” name=”こてつ”] 馬や人が生活する場所でもあるんだぜ [/speech_bubble]
各トレセンには、馬を強くするための調教施設が備わっており、多岐に渡ります。
そこで次に、トレセン内にある施設について見ていきたいと思います。
栗東トレセン
栗東トレセンの基礎情報です。
住所は
〒520-3085
滋賀県栗東市御園1028
旧滋賀県栗太郡栗東町(現滋賀県栗東市)にあるため、栗東トレセンと呼ばれています。
広大な敷地を誇り、総面積約1,522,000平方メートル。
東京ドームにしておよそ32.5個分の敷地面積です。
最大で約2000頭が収容可能な馬房を備え、6つのコースを持つトラック型調教コース、1085mの坂路調教馬場、競走馬スイミングプール、逍遥馬場といったさまざまな調教施設を有する施設になっています。
ここで栗東トレセンの調教施設を紹介しておきます。
馬場 コース 1周距離 種類 Aコース 1,450m 芝(障害専用) Bコース 1,600m ダート C・Wコース 1,800m ウッドチップ D・芝コース 1,950m 芝 D・Pコース 2,038m ニューポリトラック Eコース 2,200m ダート 坂路(はんろ)調教馬場 1,085m ウッドチップ
主に使われているのは、以下の3つですね。
- C・Wコース
- 坂路調教馬場
- D・Pコース
以上の3つの他に、芝馬であれば芝コース、ダート馬であればダートコースであるBコースが使われることもあります。
ただ、こちらに関しては使う厩舎は使うかなという認識で問題ないと思います。
ダート馬だからダートで調教を行っているということでもなく、ダート馬でもCWや坂路で調教をする機会が多いです。
特徴
栗東コースの最大の武器は、なんといっても坂路調教馬場です。
全長1,085M(実質800M)の直線馬場で、その名の通り、坂道が続くコースです。
全長1,085Mですが、加速するゾーンと減速するゾーンがありますので、実際に走るコースは1,085mより短くなります。東西トレセンに坂路がありますが、いずれもタイム計測期間は800M(4ハロン)となっています。
美浦トレセンにもありますが、その違いは角度。
これは美浦トレセンの時にお伝えしますが、この角度がよりあるのが栗東トレセンの坂路馬場なので覚えておくといいですよ。
全長 1,085メートル 幅員7メートル 高低差32メートル 勾配 上り勾配はスタートから300メートルまでは2.0%(約1.1度)、続く570メートルは3.5%(約2.0度)、100メートルは4.5%(約2.6度)、最後115メートルで1.25%(約0.7度)
短時間で減速するために、減速ゾーンの角度がきつく設計されていますので、実際にはコース上の高低差は26Mとなっています。
スタートしてから230Mは傾斜角度2.0%の勾配を上っていきますが、そこからゴールまでの570Mは3.5%の勾配がついています。800Mで高低差26Mを上りきるので、相当な力を要しないといけません。
その後も、減速ゾーンではありますが、疲れて登り切った馬に対し、4.5%の勾配が100Mに渡ってついています。
歩くだけでもトレーニングですね。
この坂路馬場が栗東コース最大の武器になっていて、少し前までは西高東低とも揶揄(やゆ)されていました。
西の栗東所属がハイレベルで、東の美浦所属が低レベルの意味です。
それだけ、栗東トレセンの坂路馬場は力をつけるにはもってこいの調教馬場となっている点は覚えておいていいでしょう。
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”hidarineko.png” name=”ちゃちゃ”] 関西馬が強いと言われる要因の1つに坂路の存在があるんだね [/speech_bubble]
美浦トレセン
美浦トレセンの基本情報です。
〒300-0493
茨城県稲敷郡美浦村大字美駒2500-2
茨城県稲敷郡美浦村にあるため、美浦トレセンと呼ばれています。
栗東トレセンも広大な敷地面積でしたが、こちらも東京ドーム約47個分と広大な敷地を持っています。
栗東トレセンは、施設が1個所に集約されていましたが、美浦トレセンは北と南で別れています。
北コースと南コースの間に、厩舎があるような設計となっています。
それでは美浦の調教コースを紹介しておきます。
南馬場 Aコース 1,370m(ダート) Bコース 1,600m(ウッドチップ) Cコース 【内柵側】1,800m 芝 (幅員8~10m) 【外柵側】1,858m ニューポリトラック(幅員15m) Dコース 2,000m(ダート) 坂路調教馬場 1,200m(ウッドチップ) 北馬場 Aコース 1,370m(ダート) 1,447m(芝) (障害専用) Bコース 1,600m(ダート) Cコース 1,800m(ダート)
上記の中で、主に使われているのは以下の2つです。
- 南馬場Bコース(ウッドチップ)
- 坂路調教馬場
その他に、ニューポリトラックやダートコースも使われますが、比較的余裕がある作りになっています。
特徴と、栗東坂路との違いと問題
先ほど、競馬界は西高東低というお話をさせていただきました。
栗東トレセンに所属する馬が強く、美浦トレセンに所属する馬が弱いことを揶揄する言葉です。
逆に、美浦トレセンの坂路馬場の特徴を見ていきたいと思います。
全長1,200Mありますが、実際にコースとしては加速ゾーンと減速ゾーンを除いて800Mがコースとなっています。
加速ゾーンを除くコース上のお話ですが、スタートしてから400Mは0.625%の勾配がついています。
その後350Mで3.0%の勾配がついています。
最後の50Mの距離のみ4.688%の勾配がついていて、その部分のみが坂らしい坂となっています。
ここで、もう一度栗東坂路馬場のコースの傾斜を見ていきます。
800Mで高低差26Mを上りきるので、相当な力を要しないといけません。
美浦トレセンに馬房を構える国枝調教師は、以前のインタビューで栗東と美浦の坂路馬場の違いをこのように語られています。
「一番の違いは、栗東の坂路は最初から2%の登り坂になっているということでしょう。最初から最後まで登り続けていますので、馬が勝手に走ることができなく、馬たちもそのことをよく理解しているのです。だから、栗東の坂路では、引っ掛かっていく馬たちをほとんど見かけることはありません。それによって、騎乗者が無理なく、馬とコンタクトを取ることができて、手の内に入れた形となりますので、馬に必要以上の負担を強いることなく、調教を行うことができるのです。とても使いやすいですよ」
ちょっと見た目で分かりやすいように、絵にしてみました。
絵心が全くありませんので、適当さが滲み出ていますが、分かりやすく誇張している部分もあります。
ご覧の通り、計測地点の800M基準で見ても、差が広がっていることが分かります。
スタートからゴール後の減速区間を含めた全体の高低差18Mの美浦に比べて、栗東の坂路コースは、スタートからゴール後の減速区間を含めた高低差は32Mもあります。
上記の画像は、計測区間の800Mに合わせて作っていますが、これ以上に差が広がっているのが判るかと思います。
そして、美浦坂路馬場と栗東坂路馬場の大きな違いがもう1つあります。
それは、ゴール後の減速ゾーンの長さです。
美浦坂路馬場の減速ゾーンの長さは約130Mで、さらにゴール後の傾斜勾配が1.25%しかないため、減速するにはゴール手前くらいから徐々に力を抑えないと止まりきれない可能性があるんです。
ちなみに、栗東坂路馬場の減速ゾーンの長さは215Mあります。
美浦坂路馬場の方が、約100M短いことになります。
そもそも勾配が緩やかな美浦坂路馬場ですが、減速ゾーンの短さから、最後のゴールラインを超えるまで追い続けると大きな事故に繋がるので、ゴールした瞬間に手綱を緩めなければなりません。
勾配が付いている部分で手綱を緩めなければならないのは、調教をするという点で言えば大きなマイナスです。
美浦の坂路馬場には、構造的に見直さなければならない項目がいくつかあるのが分かりますね。
ちなみに、東西坂路馬場のどちらもウッドチップが敷き詰められています。
この部分は後々のポイントになりますので、覚えておいてください。
[speech_bubble type=”std” subtype=”L2″ icon=”hidarineko.png” name=”ちゃちゃ”] ウッドチップか…覚えておこう [/speech_bubble]
ちなみに、ウッドチップとは、走路の基盤の上に、粉砕された木片を敷きつめた馬場で、日本でも調教用馬場として多く用いられている。この馬場はダートコースに比べてクッションが数段よく、脚への負担が少ない。
坂路は時計が出易い反面、南Wは時計が掛かる
一方で、競馬場のコースのような形になっている坂路以外の調教コースは、カーブが厳しくなっている関係上どうしても時計が掛かるようになっています。
美浦の坂路と並んでよく使われる南Bコース(ウッドチップ)(※当ブログでは南Wと表記しています)は、コースの内から2つ目に併設されているコースです。
コースの内側からA・B・C・Dコースと区切られていて、南Bコース(ウッドチップ)は2つ目のコースとなります。
その一番外に坂路コースがあるため、殆ど外周の外々を回っている形になっており、コーナーというよりも全体的に緩やかなカーブが続ている状態です。
そのため、南Wコースは、コースの比較的内側を周回するコースのため、コーナー部分がどうしてもタイトな作りになってしまいます。
コーナー部分を上手く走れない馬に関しては、時計が出にくくなっています。
その反面、器用さが求められるコースとなっていると言っていいでしょう。
そして、もう1つ大事な要素として、美浦南Wコースのゴール前は上り坂になっていることです。
意外と忘れられている情報というか、意外と書かれていないことが多いですが、実は美浦南Wコースには約1%の傾斜がついています。
ゴール前260Mの地点から、ゴール前60M地点までの200Mで、2M上る傾斜です。
その為、美浦南Wは、急カーブ・傾斜の関係でどうしてもラストが地味になってしまいます。
ちなみに、あくまで余談です。
こういうことを書くと、大袈裟に捉えられることもありますが、余談程度に聞いてください。
実は美浦南Wコースは、この登り坂がある影響で、右回りの周回しかできない構造となっています。
特に新馬の場合は、右回りは得意であるものの、左回りの東京や新潟などで外に膨れてしまうなどすることもあるそうです。
そこで、2015年5月に試験的に左回りも試してみました。
結果は不満続出。
藤沢調教師らは、左回りのWコースの新設を要望するほどだったとか。
ちなみに、通常左回りの栗東CWは、定期的に左回り右回りと時間で区切って行っています。
そこで差を付けられているというのは、美浦の施設そのものに色々と問題がありそうな気もしますね。
- 美浦坂路馬場の高低差18Mに対し、栗東坂路馬場の高低差は26M
- 栗東坂路馬場は、最初から2%の傾斜が付いているのに対し、美浦坂路はスタートして暫く平坦よりやや角度が付いている程度の坂道
- 馬への負荷の掛かり方が違うので、美浦坂路馬場はあまり意味がないと言われていた
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”hidarineko.png” name=”ちゃちゃ”]美浦トレセンでは強い馬は作れないってこと? [/speech_bubble]
[speech_bubble type=”std” subtype=”R1″ icon=”migineko.png” name=”こてつ”]坂路の違いが大きいからな [/speech_bubble]
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”hidarineko.png” name=”ちゃちゃ”]だけど、坂路を工事したら良さそうだけど… [/speech_bubble]
[speech_bubble type=”std” subtype=”R1″ icon=”migineko.png” name=”こてつ”]土地の関係上、これ以上の坂路拡張などはできないのさ [/speech_bubble]
[speech_bubble type=”std” subtype=”R1″ icon=”migineko.png” name=”こてつ”]だけどな、このまま手をこまねいているだけじゃないんだぜ [/speech_bubble]
昔に比べれば西高東低は感じなくなっている
2014年の美浦坂路馬場の改装工事を経て
美浦の坂路馬場を大掛かりな改修工事をすることは不可能だということを、前項で述べた通りです。
土地の拡張が難しい現在、その他の部分で対処するしかありません。
そこで2014年に美浦の坂路馬場の細かい改修を行いました。
1つ目に、敷き詰めたウッドチップを、より細かく裁断して、深い馬場を作ることにしました。
ウッドチップを細かくすることで、踏み込む力が必要になります。
その為、足腰に強い負担がかかる反面、それだけ負荷を掛けることが可能になります。
2つ目に、散水してより力が必要な馬場としています。
良馬場となっていても、散水している影響がある時があり、凍結の恐れがない時は、積極的に散水しているという話もあります。
具体的に詳しく書くと以下の通りの作業を行っています。
東京大学農学部弥生講堂で行われた講演のPDFです。
具体的な管理方法として、①細粒化した WC を使用,②大量の散水,③転圧効果のないハローを使用,の 3 点を実施した。通常細粒化した WC では排水性が悪化するため、定期的に粗い WC に交換するが、これを細粒化した状態のままとし、さらに通常の数倍量の散水を実施することで馬場に水分を持たせ、人為的に重い馬場になるよう管理した。また、日々行う坂路のハロー掛けでは、従来は馬場に支持力が得られるよう、転圧効果があるミキシングハローを使用していたが、これの代わりに、支持層ができないよう上層部をほぐす効果のあるグリップハローやアグリレバー、轍のみを消して転圧効果のないタインハローを使用することによって、あえて支持力が出ないよう掘れやすい状態を維持した。
引用:第 58 回 競走馬に関する調査研究発表会(平成 28 年度)(PDFファイル)
2014年を境に、美浦坂路馬場の時計の出方が違っていて、2014年以降は時計が出にくくなっています。
これまで51秒台を出していても、そこまで速いと感じることはありませんでしたが、今(2017年)でその時計が出ると「出しすぎ」という印象すら受けてしまいます。
勿論、坂路馬場を得意とする馬もいて、坂道をものともせずに走れる馬もいます。
未だに美浦坂路を50秒台で駆け抜ける馬がいるのも事実ですが、全体的には時計が出づらくなっています。
このような努力もあり、直近では美浦の馬がG1で優勝するなどの機会も増えてきました。
これは1つの要因として、強い馬は栗東に卸すのが慣例ともなっていたものが、美浦でも強い馬が作れるという流れになったことも大きいのではないかと思います。
2015年7月上旬にも細かな改修を行っています
これは頭に入れなくてもいい情報ですが、美浦坂路馬場に手を加えています。
それは、あまりに細かくなり過ぎたウッドチップを、全面的に入れ替えを行っています。
(余談ですが、この情報を知らないため、美浦坂路が使われていない!って叫んでいたブロガーさんがいましたが、当然、閉鎖されて作業されています。)
これにより、深く潜り込むほど細かくなった馬場が、多少解消されています。
そのため、2015年7月を前後して、また時計の出方が違っています。
この項目で覚えておいて欲しいのは、坂路の馬場を含めて、ウッドチップを入れ替え、ダート馬場なら砂の入れ替えを行っただけでもかなり時計の出方が違ってくるという点です。
基準時計というものを、読者やブロガーの中に持っている方も多いかと思いますが、ウッドチップの入れ方を変えただけで全く使い物にならなくなりますし、ハロー掛け(荒れた馬場を農耕機械を使って平らに均すこと)のやり方を変えるだけでも時計の出方が違ってきますので、基準はわからなくなります。
追い切り時計は1つの指標に留めて、柔軟な姿勢で時計を見ていく方がいいでしょう。
- 2014年の美浦坂路の改修で、ウッドチップを細かくしたり散水したり負荷を増やし、血中乳酸値の上昇している
- 2015年の改修では、行き過ぎた負荷を、ある程度元に戻した
- ハロー掛けのやり方や、気象条件により刻々と時計は変わるので、ある程度の部分は参考程度にみるべき項目です。
続く!!