第66回 大阪杯
発走時刻:15時40分
4歳以上 OP コース:2,000メートル(芝・右)
大阪杯の最終追い切り考察を行っている記事です。各馬の考察後に全体まとめを行い、前日に予想を追記する形でお伝えします。
エフフォーリアやジャックドールと注目馬が揃った大阪杯。詳しい出走馬情報は大阪杯の出走予定馬をまとめたページにて公開していますのでご覧いただければ幸いです。
それでは各馬の追い切りをチェックしていきます。
各馬の追い切り考察
評価は【S/A/A-B/B/B-C/C/D】の7段階評価です。
評価について、詳しくはこちらをご覧ください。
アカイイト【B】
53.9-37.7-24.5-12.5
単走強め。
しっかりと負荷を掛けられて本番へ挑みます。最後はやや余力尽きかけたような走りになりましたが、それほど負荷を掛けられたと判断して良さそうです。
前走時も同じような時計を刻んでいます。内容的には余裕を感じるのは前走の方ですが、雰囲気が良さそうなのは今回も変わりない範囲。
今回は最後にやや苦しさも目についただけに少々心配材料もあるものの、デキは前走程度までと評価したい。
もしかすると、前走の反動が出ている可能性も。当日の馬体重や気配には要警戒。
アフリカンゴールド【B】
6F81.0-66.3-52.3-37.6-1F11.5
単走末一杯。
肩鞭が何発も入るなど、最後はしっかりと追われての最終リハとなりました。
前走時もしっかりと追われたものの、鞭は入っていませんでした。その点では、今回の方がより負荷はしっかりと掛けたという形になったとみていいでしょう。
時計も今回の方がよく、走りの雰囲気も今回の方が1つ上の印象。
7歳馬ということですが、疲労などは特に考えなくて良さそうです。通用するかどうかは難しいところですが、好走出来ても不思議ではない。
アリーヴォ【B】
51.3-37.4-24.6-12.4
単走強め。
やや頭の位置が高い走りが気になりますが、この馬の特徴でもあるのでそこまで気にしなくてもよさそうです。
1週前は3頭併せを行いました。僚馬に1馬身付ける内容で悪くはありませんが、雰囲気1つという感じでした。
最終リハを見たところでも、そこは変わりない印象です。もう1つ上がありそう。
前走時と比較すると、今回の方が断然。負荷をしっかりと掛けてG1仕様へと仕上げてきました。
その点では通用してもよさそうではあるものの、G1で好走するには雰囲気の良い馬が活躍するというところはあると思う。G1馬の風格というべきか。重賞馬の風格はあるとは思うものの、G1勝ち負けとなると足りない印象です。
ウインマリリン【B-C】
6F85.5-68.9-53.4-37.9-1F11.2
単走馬なり。
レービュアでは映像配信こそありませんが、1週前は3頭併せ6F83.8-1F11.4の時計をマークしていますが、配信がなかったのが気になるところ。
今回の最終リハの内容があまりにピリッとしない印象で、今回は最後の最後まで馬なりでの内容でした。
昨秋のオールカマーからエリ女の2戦に関してだけでも、馬なりから強めという内容でした。今回の最終リハの様子がやや気になります。
関東のレースでしか勝っていない点を考えると、そもそも輸送競馬が苦手だと考えるのが妥当。それを考慮した馬なり調整だと思いますが、ここまで関西でのレースが苦手なので、突然ここで輸送競馬を攻略できるとは思えず。
追い切り内容もピリッとせず、仕上げきれなかった印象。
エフフォーリア【B-C】
6F82.5-66.0-51.4-37.3-1F11.2
3頭併せ中末強め併入。
外を走る僚馬が早々に離脱したので、実質的には2頭併せのような形。
1週前は単走扱いも、前に2頭がいるような状況で、その前の2頭を交わせそうな位置から進んでいかずにという内容。時計は決して悪くはないものの、仕上がり不足を受けるものでした。
そのような状況から1週間経過した今回の最終リハですが、G1馬としての雰囲気が出てきました。それでも1つ2つ足りない印象は受けます。
それがエピファネイア産駒特有の早熟から来ているのか、それとも単純に思ったほど状態が上がってきていないのかは分かりません。ここが簡単ではないと感じる内容ではありましたので、2着3着に敗れる可能性は十分にあります。
この内容で圧倒的な勝ち方ができれば、今年1年安泰では。
キングオブコージ【B】
6F82.5-66.8-51.4-36.3-1F11.4
単走馬なり。
やや頭の位置が高い走りをしていたのでスピードは感じない走り。それでも馬なりで82.5-11.4で走破できているので、前走AJCCを勝ってるように、力があることは今回の追い切りでも見せ付けたところ。
ただ、前走時は掛かりそうになるほどの手応えで、正直、見た目は地味でした。
その点では、今回は大人しい印象を受けますので、それが前向きになれるかどうか。
下半身の動きは悪くはなく、脚捌きには違いは見当たらず。
悪くはないけれど、良くもないという印象です。デキは変わらずまでで、大人しすぎる印象を受けたので、デキ落ちまで考えたい。前走以上の仕上がりということはなさそう。
ジャックドール【B】
5F66.9-50.8-36.1-1F10.8
2頭併せ内強め半馬身先着。
末の時計10.8秒は簡単に出せる時計ではないので、並みの馬ということはないでしょう。
ただ、僚馬の後ろから直線に入り、半ばで1馬身差ほどつけたものの、最後は一完歩ずつ差し返されそうな動き。ゴール後にはすぐに併入となっていました。
中2週での出走となりますので、内容的にはあまり負荷を掛けてこないところで仕上げてくると思いましたが、時計判断では前走以上。デキとしては前走以上だとは思いたいものの、最後に差し返されそうになったところが微妙に気になるところ。
差し引き前走程度までと評価したい。悪くはない。
ショウナンバルディ【B】
54.7-39.6-25.1-12.2
単走馬なり。
時計が示す通り、全体的にはゆったりと走っていて、最後にやや促された程度で、全体でも馬なりという状況でした。
馬場差があるとは言え、前走から時計が悪い点が気になりますが、中2週での出走ですので状態を整えた程度までと評価したい。
デキとしては前走程度はあると判断。ただ、前走以上ということはないかなと思います。
スカーフェイス【B】
52.9-37.6-24.1-12.1
単走強め。
しっかりと追われていて、それに応えるように走れており、好感が持てる内容を消化していました。
雰囲気も悪くはなく、重賞のどこかは勝てそうなものを感じます。中山金杯2着はまぐれということはなさそうです。
前走時と比較すると、それでも差はない範囲。集中力や脚捌きなども特に変化はありません。
デキ自体は前走程度としてますが、前走以下のデキであるとは感じませんでした。
ステラリア【B】
6F82.8-67.6-52.2-37.1-1F11.3
3頭併せ内馬なり1頭併入、1頭アタマ差先着。
馬なりから最後は促されてという内容。
僚馬に追いついてから伸びが今一つ。映像を見たところではアタマ差からクビ差前に出てもよさそうな手応えがあったものの、併入で終わったのが気になります。
エリ女で2着の好成績も、前走金鯱賞で11着と大敗。
追い切りを比較すると、今回はやや大人しすぎる印象。徐々に大人しくなっている印象で、その点が少し引っ掛かる。
デキとしては前走程度まで。前走の大敗が、デキとは別のところにあると考えるのであれば見直すのもありか。
ヒシイグアス【B-C】※
5F67.7-52.6-39.0-1F11.7
※天皇賞秋と比較して
単走強め。
最後に追われての内容でした。コース3分4分を通過している中で、時計の根拠が足りない印象は受けます。
頭の位置が高く、上体が上へ上へと力が抜けるような形になっていて、それが前進気勢がないように映りました。
前向きさも足りない印象で、どこか心ここにあらずかなという感じでしょうか。
前走海外だったので、疲労が見え隠れしている可能性はあるのかなと感じます。雰囲気が良かったとは感じませんので、単純にデキ落ちという評価です。
ヒュミドール【B】
5F69.1-53.5-39.0-1F12.0
単走馬なり。
コース8分9分のところを走っていましたが、直線入ったところでコース7分ほどのところまで内へともたれる形になりました。その後修正されたように見えましたが、鞍上の意思とは関係なく進路を変更していますのでマイナス。
それ以外は特に問題なく、前進気勢をしっかりと見せて走れていました。
前走中山記念6着という結果ですが、その時と比較しても遜色ないデキ。前々走福島記念2着と比較しても変わり映えはしない印象で、安定して作られていると判断してよさそうです。
ポタジェ【B】
56.4-40.1-25.7-12.6
単走馬なり。
淡々と消化した印象で、雰囲気が良かったとは言えず。もう少し迫力が欲しいところ。
途中フラフラする部分も見受けられ、真っ直ぐに綺麗に駆け上がってきてほしかった。
金鯱賞の最終リハはCWを選択。7F99.5-3F38.6-1F12.1と長い距離を走っての内容でした。中2週を考慮しても、今回は中身が軽すぎる印象です。
ただ、力強さに欠けるとか、疲労感が前面に出ているというよりも、前走と比較すれば程度のもの。デキ落ちとまでは言い切れず。前走以上の仕上がりということはなさそう。
マカヒキ【B】
51.7-38.2-25.1-12.6
2頭併せ強め併入。
いつも時計を良く見せて走るので、その点ではいつも通りと言えばいつも通り。
迫力は京都記念と比較しても変わり映えしない。さすがに9歳となりといったところ。京都大賞典を勝ったときのような雰囲気は消えたかなと思います。
デキ自体は前走程度だと見ています。仕上がっていないということはないと思いますが、全盛期の6割7割程度のパフォーマンスしか発揮できないのでは。
レイパパレ【B】
53.4-39.3-25.1-12.2
単走強め。
低い体勢を作り、しっかりと駆け抜けていました。
それでも少しふわふわとした走りをしてしまっていて、その点は昨年とは違う印象を受けました。思ったよりも状態が上がり切れなかったと考える方がいいのかもしれません。
前走と比較すると変わりない範囲と見ています。中2週での出走でデキの上がり下がりは感じません。悪くはない仕上がりです。
前走時は単走扱いも、僚馬の後方から残り100Mで持ち出して追うという内容でした。今回は単走での内容だっただけに、控えるのかどうなのかというのが気になる部分。もしかすると今回は思い切って逃げる可能性も。鈴を付けにいくならばレイパパレか。
昨年の大阪杯前までと比較すると、前進気勢の部分で1つ落ちる印象。もう少し迫力が増さっていたと感じます。
レッドジェネシス【B】
52.7-38.0-24.9-12.5
単走一杯。
しっかりと追われた割には時計の根拠が足りない印象も。首が立っているので、それがスピード感に繋がっていない印象です。
活気は十分にあるものの、それが前向きになっていないというべきか。無駄な動きが多い印象です。
前走の疲労などは感じないものの、上積みがあるのかは微妙なところ。大敗後のレースですので、精神的なものが心配です。
最終追い切りのまとめ
各馬の追い切りをチェックしました。今回の追い切りで上昇気配を示したのは残念ながらいませんでした。
大阪杯が、宝塚記念まで続く古馬中距離路線のG1スタートであることが挙げられると思います。ここで仕上げてくる陣営が少ないというのがこのような形になっているのだと思います。
ただ、【B】評価、すなわち前走と変わりない範囲の馬は揃いました。その中では、アフリカンゴールド・アリーヴォ・エフフォーリア・ジャックドール・レイパパレは直近のレースと遜色ない仕上がりで、そのレースで結果を残しています。
今回は5頭まで絞れていますので、素直にこのまま5頭をお薦めしたいと思います。
大阪杯の予想
大阪杯は阪神2000Mで行われるレース。何度もお伝えしているように、大阪杯は完璧に仕上げて挑む有力馬を狙うのではなく、G1を奪取したい陣営が完璧に仕上げきって、残りの上半期は余力だけで走るようなG1というお話はしてきました。
ここが初G1制覇となったのは、スワーヴリチャードとレイパパレだけではありますが、本当の有力馬でここを獲ったのはキタサンブラックくらいでしょう。
どうしても宝塚記念までの上半期のG1を逆算して考える際、ここで仕上げてしまっては後々のレース選択に支障を来す。その為、余力残しになってしまいます。
その点では、今年の仕上がりを考えると、面白そうなのはアリーヴォとジャックドールの2頭に、レイパパレはさすがに必勝態勢を敷いてきたという印象。これ以上は負けられないという状況です。
ただ、追い切りの内容を見るに、エフフォーリアも最終リハで仕上げてきた印象。年度代表馬で恥ずかしい競馬はできない立場。形にはしてきた。
アフリカンゴールドの存在も怖いものの、今回は上記のうち4頭の中で選択していきたい。
枠順を確認すると、ジャックドールは2枠4番で内枠に入れた。エフフォーリアも3枠6番で内枠。一方でレイパパレは7枠14番で外枠。そして、アリーヴォは5枠9番と中枠とこちらはまずまずとなりました。
大阪杯は、傾向的に1枠2枠が不振気味。中枠から外枠に掛けて好走が続いている特殊なレース。
また、大阪杯の出走予定馬情報でも書いたように、1人気2人気のワンツーがこれまでないレース。
それだけ前評判がそのまま通用するというわけではないということ。
今回のメンバーで言うならば、エフフォーリアを選択するならばジャックドールは3着以下で観るべき。その逆も然りと言える傾向。
前書きはこれまで、今回も馬連とワイドの2点勝負。
1頭目:エフフォーリア
やはり年度代表馬。4コーナーの位置取りが気になるものの、このメンバーならば4番手5番手を追走しているのではないか。4コーナーでのポジションが大事な阪神2000Mですが、今回は幸運にも最終までにポジションを上げれそうだ。
2頭目:レイパパレ
昨年の覇者がこの人気ならば。仕上がりは昨年の方が良かったとは感じるものの、このメンバーならば上位に食い込めるはず。
今回は上記の2頭の馬連とワイド勝負とします。