2021年4月18日に行われる皐月賞の最終追い切り考察を行いました。
各馬の考察後に、追い切りから見つけたお薦めの馬をまとめましたので、最後までご覧いただければ幸いです。
クラシックのようなハイレベルなレースになると、追い切りの良し悪しも大事な要素となってきます。
特に1週前の段階から好気配の馬が、そのまま勝つこともありますので、しっかりとチェックしました。
3歳OP コース:2,000メートル(芝・右)
各馬の追い切り考察
評価は【S/A/A-B/B/B-C/C/D】の7段階評価です。
評価について、詳しくはこちらをご覧ください。
アサマノイタズラ【B】
52.3-38.8-25.1-12.4
3頭併せ強め1頭クビ差遅れ、1頭併入。
時計的には悪くはない範囲ですが、馬場が比較的綺麗な時間帯だったことを考慮すると、もう少し出ていても良かったかなと思います。
口の周りが白くなっているのが気になりました。
また、中を走る馬を見ながらの動きで、真っ直ぐに前を向いていません。
やや気性面では幼さが見え隠れするようなものになってしまいました。
1週前は南Wで3頭併せ。
その時は前を向いてゆったりと走っていましたが、当週追いはバタバタした印象。
総合的に見て、この馬の地力は出せる状況にあるでしょう。
ただ、前走からの上積みはなさそうでした。
ただ、追加登録馬ですので、陣営の自信も見え隠れする状況です。
追加登録でうまくいった例が少ない点も加味しなければなりませんが、状態面では前走程度までですので、どちらに転ぶか。
アドマイヤハダル【A-B】
53.6-38.5-24.7-12.1
単走強め。
力強い脚捌きで、前進気勢は十分。
馬場が綺麗な時間帯であったことを考慮すると、もう少し全体時計が良くても良さそうにも感じました。
ただ、末12.1秒なので悪い時計というわけではありません。
新馬戦が8月1日で、次走が10月24日、そして12月12日のエリカ賞へと進み、今年の初戦は3月20日の前走若葉Sでした。
間隔を開けるタイプで、今回の中3週は初。
その点ではどこまで上積みがあるかという部分だと思います。
前走の坂路時計と比較すると、馬場差を考慮すると特に変わり映えしない時計でした。
ただ、動き自体は、今回の方が力強さが増したようにも見えます。
前走は活気がありましたが、今回の方が力強いです。
1週前は併せて楽な手応えで僚馬を突き放しました。
全体的な評価としては、デキは上昇していると考えていいでしょう。
前走OPを勝った馬ですので、あまり強気には買えませんが、追い切り的には楽しみな存在です。一発あるか。
イルーシヴパンサー【B】
6F80.2-64.1-49.8-36.8-1F11.8
2頭併せ外半馬身先着。
芝での追い切りということもあり、スピード感を感じる追い切りとなりました。
体に白い泡みたいなものがついていて、発汗しているのが分かります。
明らかに白くなっているので、その点では、この時期に発汗しているので、暑さに弱いという見方もできるかもしれません。
舌を出して走っているので、良く言えばリラックスして走れている。
悪く言えば、遊んでいるようなものなので、集中力を感じない走り。
当ブログでは、基本的にマイナス評価として考えています。
前走以上ということはないものだと考えています。
ヴィクティファルス【B】
53.5-38.7-25.1-12.9
単走馬なり。
残り1ハロンとなったところで強めに追われますが、最後100Mくらいは流されていました。
反応を確かめて、動いたのでそれで良しと判断したのかもしれません。
池添騎手が跨ったものの、最後は12.9秒と減速ラップとなりました。
その点では、少々微妙に映ります。
前走のラスト2ハロンは、12.4-12.3と加速ラップを刻んでいます。
スピード感溢れる内容でしたが、今回は少々時計が掛かりすぎました。
池添騎手自体も、想定とは違うと口にしています。
自信の裏返しでの弱気発言なのか、それとも素直に吐露しているのかは分かりませんが、少々気になる部分でした。
ただ、最後まで追われているとすると、時計は十分に伸びていると想定できる内容だっただけに、概ね、前走程度のデキと考えていいでしょう。
中間の内容からして、前走以上ということはないはず。
前走のパフォーマンスには期待が持てるというところで考察を終えたいと思います。
エフフォーリア【B】
5F69.0-54.1-39.7-1F12.4
2頭併せ内馬なり1馬身遅れ。
動かされていますが、負荷はほとんどかかっていないような形。
また、ゴール後に併入となりました。
脚色が良かったというわけではなく、淡々と目標時計を消化しただけという形。
併せて負荷を掛けたというよりも、馬を隣において調教を行ったという感じでした。
正直、この追い切りを見て、なにがしたいんだろうかと疑問が浮かびました。
ただ、前走時も最終リハでは負荷を掛けずに、馬の走る気になったら走らせるというような形でしたので、そんなところなのかもしれません。
1週前は、南Wで3頭併せの内に入れて2馬身先行する僚馬を追いかけます。
直線向いても、あまり負荷は掛けずに併入という形でした。
ただ、前走時も1週前も最終リハも、ゴール後にすぐに止められるわけではなく、同じ強度で走り続けています。
実質的には6ハロン追いのような形で終えていて、そこの共通点も一緒です。
時計が良化したということもありませんので、前走のパフォーマンスまで。
ただ、無敗の馬ですので、それで十分に状態が整ったとみることもできます。
脚捌きや気配なども変わらず。
よく言えば、特に変わり映えしないものの、状態は良さそうというところで。
シュヴァリエローズ【B】
6F84.2-67.6-51.7-38.3-1F12.6
3頭併せ内馬なり併入。
直線入ると3頭が横並びになって、馬なりで駆け抜けています。
横一列になるように調整していたというような形になりました。
1週前に3頭併せをCWで行い、3馬身差あるところを、最後は1頭併入、1頭2馬身差を付ける内容でした。
1週前にしっかりとやっているので、最終リハは軽めの調整というところで終わっているのだと判断します。
前走の映像と比較すると、前走時は最終リハまでしっかりと追われていました。
その点を考えると、やや物足りなさを感じる1週前と最終リハの内容でした。
前走以上ということはなく、前走程度のデキでの出走となるでしょう。
気配は、ちょっと落ちたかもと感じる内容だったので、前走を評価しているなら買い、評価してないなら切っていいかもしれません。
ステラヴェローチェ【B】
54.5-39.9-25.5-12.5
単走馬なり。
促されてはいましたが、馬なりの範疇としました。
また、単走扱いになっていますが、斜め前に他馬がいます。
もしかすると2頭併せで、最後まで追いつけなかったので単走に変更したのかもしれません。
雰囲気は悪くはないという印象を受けました。
1週前は2頭併せ強めで半馬身差を付ける併せ調教を行いました。
その時は、やや体が重たそうな走りをしていましたが、今回は淡々と走れていました。
ただ、前走と比較すると、全く変わり映えしない内容でした。
2頭併せが、単走での内容に変更されている程度で、その点以外は、雰囲気などは変わり映えしません。
良くも悪くも前走程度まで。
2着だった朝日杯FSの時は、単走馬なりでした。
脚の回転もしっかりとしていて、今回と比較すると12月の方が良かったようにも感じます。
デキ落ちとまでは評価できる材料がありませんが、前走以上ということもないでしょう。
タイトルホルダー【B】
5F67.5-52.2-8.1-1F12.8
単走馬なり。
促されてはいましたが、馬なりの範疇でした。
1週前は南Wで同じような強度での内容。
実質的には3頭併せのような形になりましたが、前を走る2頭に追いつこうとせずにという印象で、ゴール後に強く追われていました。
前走時は南Wで比較的強度を強くして追われていました。
その点を考えると、やや物足りなさを感じる今回の追い切りです。
動き自体は悪くはないとは思いますが、時計の根拠が乏しく思います。
ただ、伸びのある走りは健在で、活気も十分。
中間の動きを見ても、前走以上ということはないかとは思いますが、前走程度には作られていると判断していいでしょう。
ダノンザキッド【B】
6F85.9-69.3-53.7-39.2-1F11.9
単走馬なり。
脚の回転などもスムーズで、伸び伸びと走っていて好感が持てます。
ホープフルSと前走時は2頭併せでレースに挑みましたが、今回は単走を選択。
1週前に2頭併せでしっかりと追い切っているので、その点で当週追いは負荷を下げたとみることもできます。
しかし、1週前は僚馬にキレ負けしてしまいクビ差遅れてしまいました。
2頭併せで結果が出ていたものを、本番でパターンを変更してきた点はあまり前向きに見れず。
個人的な所感ではあるものの、日本ダービーが終わるまでは2頭併せで貫いてほしかった部分は感じます。
跳びが大きいので、その点では加速が掛かるまでに時間を要してしまうのかなと思います。
1週前にキレ負けしたのも、そのあたりが関係してそう。
ただ、フットワークよく走れていたのは、1週前と当週追いと変わらず。
問題も見えてきましたが、状態面では前走と同程度と考えていいでしょう。
前走は位置取りも影響していたので、買いな1頭だとは思います。
前向きに見たい1頭です。
ディープモンスター【B】
54.6-39.3-25.1-12.5
単走強め。
軽快な動きをみせてくれました。
時計的には根拠乏しい印象も受けますが、馬自体は元気があるように感じます。
1週前の映像がありませんのでなんとも言い難い部分はあります。
有力馬の1頭なので、1週前の映像も観たかったです。
前走時は坂路で同じような時計を刻んでいます。
特に変わり映えしないと言えば変わり映えしませんが、概ね、前走程度には動けるでしょう。
中間の時計を見ても、上積みがあるようには感じませんでした。
ヨーホーレイク【B-C】
54.0-39.9-26.2-13.1
2頭併せ馬なり半馬身遅れ。
稍重が響いたのか、やや走りづらそうな印象を受けました。
走りに力強さは感じるものの、上手く推進力に変換できていないような、前に進んでいかないもどかしさみたいなものを感じます。
いつも坂路は馬なりで時計を出すタイプではないのですが、時計以上に遅い印象を受けてしまいます。
1週前はCWで2頭併せ。
その時は、もう少し脚が上がればいいのかなと感じましたが、負荷を掛けられてしっかりと先着しています。
ただ、最後は脚が上がったようにも見受けられました。
追い切りの時計自体はいつも通りなので、馬場差を考慮しても特段変わり映えしません。
しかし、雰囲気はいつもの方が良い印象を受けるので、厳しいかもしれませんがデキ落ちと評価しておきます。
ラーゴム【A-B】
6F85.6-69.1-53.2-38.5-1F12.0
単走強め。
馬なりから強めの間での走りをしていますが、強めと表記しています。
ゴール後も手綱を緩められることなく走っていますので、上記の時計以上に長い距離を走っています。
可動域が広く、柔軟な走り。個人的に好きな走り方をしています。
1週前は僚馬と2頭併せ。
半馬身出たところで、差し返される内容だっただけに気になっていました。
ただ、前走時は1馬身の差が開いてのゴールでしたので、追い切りでは動かないタイプだと判断していいでしょう。
最終リハを単走で行ってきましたが、前走は2頭併せでレースに向かった点を考えると、その点が逆に気になります。
結果を残しているパターンを試してきて欲しかったです。
雰囲気は今回の方が上。
時計的には前走と変わり映えしないところはありますが、仕上がりは良好です。
ルーパステソーロ【B】
56.0-40.8-25.5-12.4
単走強め。
比較的馬場が綺麗な時間帯でしたが、思いのほかタイムが伸びませんでした。
押しても押しても進んでいかないような形になりましたので、見た目も地味でした。
1勝クラスで足踏みしている状況ですので、ここでは相当恵まれないと厳しいのかなというのは、追い切りから伝わってきます。
もう少し成長してからなのか、ここがこの馬の限界なのかは分かりませんが、時計と見た目、いずれも厳しい印象です。
レッドベルオーブ【B】
5F70.3-55.0-40.2-1F12.4
2頭併せ内馬なり1馬身先着。
やや掛かりながらの動きで、我慢は出来ていたのかなというところまで。
スライドが大きく、リズムよく走れてはいました。
朝日杯FSの時の追い切りもやや引っ掛かりのある中身で、スムーズさも欠いた中で3着と好走を見せました。
ゴール後も手綱を緩められることなく走っていて、今回もそれは同じ。
時計は前回の方が良かったですが、特に気にしなくていいのではないかと思います。
デキは前走程度のところで仕上がっています。
ワールドリバイバル【B】
53.9-39.3-25.2-12.6
2頭併せ強めクビ差遅れ。
真っ直ぐに走れていない点が気になりました。
活気がある走りをしていますが、その活気が上手く推進力に伝わっていないようにも感じます。
僚馬との距離が近くなると、しっかりと併せるように走っていましたが、最後はクビ差遅れるような形になりました。
ただ、脚色はしっかりとしていて、僚馬を上回るスピードで駆けていましたが、時計は伸び切りませんでした。
木曜追い切り馬
グラティアス【B】
5F68.0-53.0-39.1-1F12.6
2頭併せ内馬なり半馬身遅れ。
馬場が綺麗な時間帯でしたが、馬なりでも時計があまりパッとしないような形になりました。
ここまで2戦2勝の馬。
前走時も同じような追い切りを消化しての内容でした。
ただ、僚馬を従えての内容で、今回は遅れての内容。
デキが上昇したとは言い切れない内容で、前走キープまで。
前走以上ということはないでしょう。
まとめ
各馬の考察が終わりました。
この先には日本ダービーが待っているということで、どの陣営も本気仕上げというよりかは、前走程度の作りをしているところが多かったようにも思います。
今回の追い切り考察で上昇気配を示したのは、【A-B】評価のアドマイヤハダル・ラーゴムの2頭でした。
ただ、【B】評価の中でダノンザキッドは十分に楽しみな存在。
その他には、エフフォーリアやタイトルホルダーの2頭も、前走と相変わらず走れる状況に仕上がっていると判断しています。
それでは、追い切りで良かった馬を順位付けしていきます。
1番目はやはりダノンザキッドを推します。
相変わらず動けていました。
前走はポジションで失敗したところがあると思いますので、もう一度見直して。
2番目は ≪B≫ としました。
追い切りでも動けていたところを見せてくれました。
可動域が広いという点は、先週の桜花賞の勝ち馬ソダシと一緒で、柔らかいというのは武器になります。
この馬も同じような面があり、柔軟性高く仕上がっていると思います。
前走からの上積みも加味して、クラシックでも勝ち負けに絡める存在だと判断しています。
3番目はタイトルホルダーとしました。
前走からも可もなく不可もなく、仕上がりは良好。
前走以上の仕上がりに期待したいところはありましたが、どの馬も注文はつくもの。
そんな中でも、動きと雰囲気、いずれも基準を満たしているなと思うのはタイトルホルダーでした。
4番目はエフフォーリアとしました。
こちらもケチが付く部分はありますが、概ね前走程度の仕上がり。
3戦3勝と勢いがある馬ですので、勢いそのままならば勝ち負けに絡めるはず。
以上の4頭が皐月賞の追い切りお薦め馬としています。