第56回 日刊スポーツ賞シンザン記念
3歳 OP コース:1,600メートル(芝・左)
シンザン記念の昨年の覇者はピクシーナイト。過去にはジェンティルドンナやミッキーアイルやアーモンドアイなど、後々のG1を勝つ馬が優勝を果たすなど、出世レースとして定着してきた重賞です。
今年はフルゲート16頭に対し、20頭が登録しています。
主な有力馬は、新馬戦で3馬身以上の差を付けて完勝を見せたラスールや東スポ2歳Sで5着だったものの善戦したレッドベルアームなどが中心。登録馬をチェックして、有力馬考察を行っていきます。
特別登録(16/20)
馬名 | 負担重量 | 想定 |
---|---|---|
ビーアストニッシド | 56 | 岩田康 |
ベルウッドブラボー | 56 | ○○ |
ソリタリオ | 56 | Cデム |
マテンロウオリオン | 56 | 横山典 |
抽選対象(12/16)
馬名 | 負担重量 | 想定 |
---|---|---|
アバンチュリエ | 56 | ○○ |
アールチャレンジ | 56 | 川須 |
ウナギノボリ | 56 | 吉田隼 |
カワキタレブリー | 56 | 松山 |
サウンドビバーチェ | 54 | ○○ |
ジャカランダ | 56 | ○○ |
ジャスティンヴェル | 56 | ○○ |
ショウナンアメリア | 54 | 池添 |
シーズザデイ | 56 | 鮫島克 |
スプリットザシー | 54 | ○○ |
セルバーグ | 56 | 和田 |
デルマグレムリン | 56 | 武豊 |
モズゴールドバレル | 54 | 坂井瑠 |
ラスール | 54 | ルメール |
レッドベルアーム | 56 | 川田 |
ロードカテドラル | 56 | ○○ |
有力馬見解
ラスール≪牝2/鹿 藤沢和雄厩舎≫
【前走】新馬 1着
【父】キタサンブラック
【母父】シングスピール
前走はゲート難を見せやや立ち遅れたものの、すぐに先団に取りついていく。スムーズに4番手3番手まで押し上げていくと内を突いて直線へ。逃げ粘るアイキャンドウイッを交わすと、34秒の末脚を見せての完勝だった。馬群の中でも掛かるような部分もなく立ち回れたのか前向きに見たい。
期待のキタサンブラック産駒で、ノーザンF×藤沢和雄調教師×ルメール騎手とのタッグは、グランアレグリアやレイデオロのコンビを彷彿とさせる。そこにシルクレーシングも加わるのであれば鬼に金棒ではないか。行く行くが楽しみな馬であると陣営が期待を寄せているのが分かるだけに、ここは通過点としたいところだろう。
レッドベルアーム≪牡2/鹿 藤原英昭厩舎≫
【前走】東スポ2歳S 5着
【父】ハーツクライ
【母父】Unbridled’s Song
デビューから1800Mを使われ、そのまま1800Mの東スポ2歳Sを選択。スタートは立ち遅れるなどはなかったものの、向正面では気性難を見せてポジションの上げ下げが激しくなってしまった。首を上げてしまうなど、幼さを見せる中での競馬をしていて、最後は余力が尽きた形になってしまった。
まだまだ奥がありそうなところは見せてくれたものの、素直に距離短縮を選択してきた陣営の判断を前向きに見たい。自ら進んで行く走りを示している点では1600Mのこの舞台は楽しみ。
今回は川田騎手とのコンビとなるが手は合うはず。
半兄はデイリー杯2歳Sを制したレッドベルジュールと同重賞を制しているレッドベルオーブといずれも早熟傾向が強い。
しかし、レッドベルアーム自身はハーツクライ産駒で、父ハーツクライ×Unbridled’s Songの組み合わせとなるとスワーヴリチャードが有名。ハーツクライ産駒という点から、3歳のこれからさらに良くなる可能性がある。
ソリタリオ≪牡2/栗 西村真幸厩舎≫
【前走】こうやまき賞 1着
【父】モーリス
【母父】キングカメハメハ
ここまで4戦いずれも連対と堅実な走りが武器の馬で、直近の2走で一気にオープン入りを果たした。前走のこうやまき賞は今回と同じく中京1600Mでのレースだった点を考慮すれば、ここもあっさの可能性は高い。
昨年の覇者ピクシーナイトもモーリス産駒だったように、中京マイルを得意としているモーリス産駒。逆に関西圏の競馬場ではやや不向きなデータがありますので、京都開催ではないここはチャンス。
Cデム騎手を確保してきた陣営の本気度を考えればここは勝負度合いは高そうだが、ここまで勝ってきたメンバーがあまりに平凡なため、一気にメンバーが強化された印象を受ける。どこまで前進できるか。
予想参考情報
京都開催・中京開催の過去10年でも、このレースは意外と荒れやすい。
過去10年のデータを見ても、1人気の活躍が≪3.0.1.6≫というデータがあり勝ちきれないどころか、馬券内すら残れていない年の方が多い。一方で、2人気≪3.2.2.3≫と好成績を残している。昨年も2人気のバスラットレオンが3着に残ったように、2人気の方が活躍しているレース。
それだけ前評判を気にしてはいけないレースであると言える。
それを表しているのが、キャリア別の成績。
キャリア | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1戦 | 1- 2- 0- 12/ 15 | 6.7% | 20.0% | 20.0% |
2戦 | 4- 2- 3- 18/ 27 | 14.8% | 22.2% | 33.3% |
3戦 | 1- 1- 2- 25/ 29 | 3.4% | 6.9% | 13.8% |
4戦 | 2- 1- 2- 16/ 21 | 9.5% | 14.3% | 23.8% |
5戦 | 2- 2- 3- 17/ 24 | 8.3% | 16.7% | 29.2% |
6戦 | 0- 2- 0- 10/ 12 | 0.0% | 16.7% | 16.7% |
7戦 | 0- 0- 0- 6/ 6 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
8戦 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
9戦 | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
2歳・3歳レースはどうしても前走の勝ち方や戦ってきたメンバーに人気が左右されてしまう。
特にキャリア1戦の馬、要は前走新馬戦からのローテーション組が、派手な勝ち方をしてシンザン記念に進んで人気を吸って負けるということが往々にして起きている。
キャリア2戦の馬は多くの活躍馬を輩出しているものの、狙いはキャリア4戦5戦の馬。今回の出走が5戦目6戦目となる馬のこと。
この辺りで、早熟馬の成績が下降線に入り、並みの成長を描く馬が伸びてくる時期。その成長曲線が交差しだす。
さすがにキャリア7戦以上ともなると厳しい成績。キャリア5戦までを中心に見ていきたい。
以上がシンザン記念の予想参考情報でした。