第66回宝塚記念
3歳以上 OP コース:2,200メートル(芝・右)
春のGⅠシーズンを締めくくるグランプリレース――それが宝塚記念(GⅠ)です。
2025年の開催は6月15日(日)、阪神競馬場・芝2200mで行われる予定となっており、ファン投票を経て選ばれた豪華メンバーが激突します。
上半期の実力馬が集結するこの一戦は、単なるGⅠレースという枠を超え、「春の最強馬決定戦」として多くの競馬ファンから注目を集めています。今年は、前年の有馬記念を制したレガレイラや、大阪杯連覇を果たしたベラジオオペラ、そして天皇賞・春組やドバイ帰りの強豪勢など、多彩な路線からの有力馬がエントリーを予定。例年以上に層の厚いメンバー構成となりそうです。
この記事では、2025年の宝塚記念に出走を予定している馬たちを一覧でご紹介するとともに、各馬の前走成績や騎手、陣営の動向などを整理。出走予定馬の特徴や注目ポイントを踏まえながら、本番に向けた展望の一助となるよう冷静に情報をまとめました。
「グランプリにふさわしいのはどの馬か?」
そんな問いの答えを探るべく、まずは登録馬たちの顔ぶれを見ていきましょう。
特別登録(18/18)
フルゲート18頭に対して登録18頭。今年の宝塚記念は登録馬すべてが出走できる見込みです。
馬名 | 負担重量 | 想定 |
---|---|---|
アーバンシック | 58 | ルメール |
ジャスティンパレス | 58 | M.ディー |
シュヴァリエローズ | 58 | 北村友 |
ジューンテイク | 58 | 藤岡佑 |
ショウナンラプンタ | 58 | 幸 |
ソールオリエンス | 58 | 松山 |
ダノンベルーガ | 58 | D.レーン |
チャックネイト | 58 | 鮫島克 |
ドゥレッツァ | 58 | 横山武 |
プラダリア | 58 | 高杉 |
ベラジオオペラ | 58 | 横山和 |
ボルドグフーシュ | 58 | 内田 |
メイショウタバル | 58 | 武豊 |
ヨーホーレイク | 58 | 岩田望 |
リビアングラス | 58 | 坂井 |
レガレイラ | 56 | 戸崎 |
ローシャムパーク | 58 | 池添 |
ロードデルレイ | 58 | 川田 |
注目の有力馬
昨年末の有馬記念を制したレガレイラや、大阪杯を連覇したベラジオオペラ、ルメール騎手騎乗のアーバンシックなどが注目されそうな1戦となりそうです。
ベラジオオペラ
- 前走:大阪杯 1着
- 父:ロードカナロア
- 母父:ハービンジャー
前走の大阪杯では連覇を達成。昨年の宝塚記念でも3着とあと一歩のところで沈んだものの、このローテーションは昨年に経験済みで、一先ず問題がないことはたしか。
阪神競馬場を得意としているだけに、ここまで6勝の内4勝を挙げている点もプラス材料ととらえたいところ。それを可能としているのが、自在性が高いキンカメ系特有の器用さが功を奏している印象は強いです。主に短距離で好成績を残したロードカナロアの父を持ち、中距離を走れるだけのスタミナを兼ね備えたハービンジャーの血統の組み合わせが、ここまでの好成績に繋がっているとも考えられます。
気になるのが、前走の反動。昨年もこのパターンで挑んでいるものの、今年はレコード勝ちを収めての今回だけに、反動があれば怖いところです。
レガレイラ
- 前走:有馬記念 1着
- 父:スワーヴリチャード
- 母父:ハービンジャー
昨年の有馬記念を制した1頭。64年ぶりの3歳牝馬による勝利で、このままの勢いで4歳でも無類の強さを誇るかに思えましたが、右前脚第1指骨剥離骨折が判明し、今年序盤は休養に充てられました。ただ、4月の段階でここを目標に乗り込みを開始していることをサンデーサラブレッドクラブが発表しているだけに、思い描いたカレンダーではないにしろ、ある程度は織り込み済みという判断もできそうです。
ここをきっかけに、秋は凱旋門賞を含む海外挑戦を視野に入れていることからも、ここで恥ずかしい負け方はできないか。
ただ、上位の格付けのレースとなると、勝っているのが12月の暮れのレースということもあり、暑くなってきたこの時期に構想が見込めるのかという点では未知数のところが大きい。夏は牝馬とも言いますが、この馬の場合は寒い時期のほうが良い可能性も感じます。
アーバンシック
- 前走:日経賞 3着
- 父:スワーヴリチャード
- 母父:ハービンジャー
昨年の菊花賞馬で、その前哨戦セントライト記念を制していることからも、2000Mを超える距離でこその馬という印象が強い同馬。今年の初戦となった日経賞も2500Mのレースで、3着に入ったことも含めて、距離適性は高いとみていいはず。
今回は初コースで挑む舞台。ただ、輸送自体は菊花賞で経験していることからも、それがマイナスに作用することはなさそうにも感じます。
ペースが緩む展開では力が幾分下がる印象を受けるだけに、淀みのないレース展開となれば前進は十分に可能なポテンシャルは秘めていると思います。
ロードデルレイ
- 前走:大阪杯2着
- 父:ロードカナロア
- 母父:ハーツクライ
5歳の夏前ではあるものの、戦績は汚れておらず、23年神戸新聞杯でサトノグランツが勝ったレースで4着というのが、この馬の底を見せたところです。今年1月に日経新春杯を勝ち、その後挑んだ大阪杯では、ぺラジオオペラに敗れはしたものの2着を死守した形となりました。
この馬の写真を見ても、マイラーっぽさがあるだけに、僕のような素人同然のような人間の目には、この体形で中距離を中心に走れるのかと思ってしまいます。筋肉量が豊富だからこそ成せる技なのでしょうか。
この馬も、キンカメ産駒特有の器用さがあり、レース展開に応じて脚質を変更できるは、出たところで勝負ができるため強いと感じる。崩れにくいのが持ち味でしょうか。
2025年の宝塚記念の過去10年の傾向
人気別成績
- 1番人気:2勝・連対率40%
- 2番人気:2勝・複勝率50%
- 3番人気:3勝・複勝率30%
- 6~9番人気:3勝(波乱傾向あり)
→ 上位人気馬は信頼できるが、中穴の激走も十分ある。人気の盲信は禁物。
年齢・性別の傾向
- 勝ち馬はすべて4~5歳(10年連続)
- 6歳以上は複勝圏もあるが、勝利実績なし。評価は下げたい。
- 牝馬の複勝率が高く、牡馬より好成績(例:クロノジェネシス、リスグラシュー)
→ 若い世代と牝馬の活躍が目立つ構図。
前走レース別の傾向
- GⅠ組が多数を占める(天皇賞・春、大阪杯、ドバイ帰りなど)
- GⅡ以下でも直近好走馬(1~2着)なら通用
- 前走10着以下からの巻き返しは少ない
種牡馬別傾向
- ドゥラメンテ産駒:高勝率(出走数少ながら好成績)
- キングカメハメハ系:勝率・複勝率ともに安定
- ハーツクライ系:長距離適性を持つ血統として好相性。2023年にドゥデュースが優勝。
枠順傾向
- 8枠が最多勝(過去10年で7勝)
- 内枠(1~2枠)はやや不振
- 阪神2200mというコース形状も外枠有利に影響
配当傾向
- 三連単10万円超え:4回(波乱傾向)
- 中穴(6~9番人気)の馬が絡むことも多く、妙味あり
- 三連複・三連単のBOX買いも視野に
総合まとめ
観点 | 傾向 |
---|---|
人気 | 上位人気が基本も、穴馬の激走あり |
馬齢 | 4〜5歳中心、6歳以上は割引 |
性別 | 牝馬は割引不要、むしろ積極的に狙いたい |
前走 | GⅠ組最優先、GⅡ以下でも直近実績あれば評価可 |
血統 | 中長距離型種牡馬が優勢 |
枠順 | 外枠(特に8枠)有利傾向あり |
配当 | 万馬券率高、三連単BOX戦術有効 |