いよいよ夏競馬が本格化し、サマースプリントシリーズ開幕戦となる函館スプリントステークス2025が開催されます。このレースを制してシリーズに弾みをつけるのは、一体どの馬なのでしょうか。
高速決着になりやすい函館の舞台では、各馬のスピード能力はもちろん、最終追い切りで見せる状態が勝敗に影響を与えることもあります。馬場への適性や、夏場に向けての仕上がり具合など、細かな点まで注目してみたいものです。
このブログ記事では、主要な出走各馬の最終追い切りを診断しました。カルチャーデイ、ナムラクレア、インビンシブルパパといった有力馬たちの最新の状態、データから読み解く高速馬場適性、さらには伏兵となるかもしれない馬たちの気配まで、馬券検討の参考になりそうな情報をまとめています。
函館スプリントSの各馬の追い切り考察
評価は【S/A/A-B/B/B-C/C/D】の7段階評価です。 評価について、詳しくはこちらをご覧ください。
ジューンブレア【B】
【4F51.8-3F37.5-1F12.3】
単走馬なり。
一生懸命に走れているのは前向きな評価。ここまで条件戦ながら連勝で一気にオープン入りを果たすなど好走が目立つ同馬。スプリント路線が合っているのだろうと感じる走りはしています。
もう少し力感が抜けている方が個人的に好きですが、この馬のらしさは出ているかと感じる追い切りで悪くはなかったです。
カルチャーデイ【B】
【4F55.2-3F40.3-1F12.5】
単走馬なり。
促されていましたが、馬なりまでとします。
仕上がり自体は悪くはないと感じますが、走りに覇気を感じません。首が立つ場面もあったりと、どこかふわっとした走りをしています。こういう時は来ないなという印象を受けますが、この馬はどうでしょうか。
インビンシブルパパ【B】
【5F69.6-54.6-3F39.3-1F12.1】
2頭併せ内末強め1馬身程度先着。
函館芝コースを走っていますので、ゴールがどこなのかがわかりづらいものの、1馬身程度前に出たところがゴールだったのではないかと思います。
時計的には馬なりから末強めの内容としてはボチボチといったところ。走りと時計がマッチしているので、この程度は時計が出ていてもおかしくはないという走りでした。
重賞では跳ね返されましたが、前走リステッドの京葉Sを逃げ切り勝ち。逃げればしぶとく伸びるだけに、ここでも同じ走りを見せることができるか。前走程度の走りには期待が持てる追い切りだけに、再現があっても驚きはありません。
カピリナ【B】
【4F54.1-3F38.8-1F12.3】
2頭併せ馬なり2馬身先着。
しっかりと先着できたのは前向きな評価。コーナー部分で僚馬に競りかけると、直線入り口の部分で脚を滑らせてしまったように見受けられます。それでも最後は突き抜けていることから、馬体に問題があったということはなさそうです。
中間美浦Wで自己ベストをマークしてはいますが、元々この馬は坂路を中心に乗られていますので、この自己ベストはあまり気にしなくていいでしょう。逆に、坂路中心だったにも関わらず、ウッドを多用しているところが気がかりではあります。
函館に来てからも順調に追い切りを消化しているので、そこまで問題としなくてもよさそうです。
ドンアミティエ【B】
【4F56.6-3F41.2-1F11.9】
2頭併せ外強め2馬身ほど先着。
直線に入ると手応えよく伸びていきます。連勝の追い切りは感じる走りをしているだけに、軽視するのは危険でしょう。どこか父のアジアエクスプレスを彷彿とさせるような動きをしています。
この時計ですから、僚馬が不甲斐ないとみることもできますが、見た目もよかったですし、状態は引き続きよさそうに感じます。前向きに見たい【B】評価です。
ウイングレイテスト【B】
【4F55.1-3F40.0-1F12.8】
2頭併せ内強め半馬身先着。
僚馬の方が力強く追われていましたが、促されて先着を見せたのは良かったと感じます。
8歳馬なので上積みを望むのは酷かもしれませんが、ある程度この馬にしては走れる状況にあるとみています。
ナムラクレア【B】
【5F64.4-48.4-3F35.3-1F12.0】
単走馬なり。
調整程度の走りだったと考えます。調教師自らが跨るという気合の入れようではありますが、違和感を覚えたのが手前を替えた直後にやや失速したように見受けられました。
昨年のキーンランドCで5着と取りこぼしていますが、その時の予感もしてしまうだけに、この違和感がどうか。
坂路中心に作られてきているため、最終リハが軽いのはいいとしても、まだ本調子には遠いのではないかと見ることができます。
ミリアッドラヴ【前走海外】
【5F66.7-50.8-3F37.6-1F11.7】
2頭併せ内強め1馬身ほど先着。
初芝挑戦の1戦。芝で追い切りを行い感触を確かめたような形ですが、追われればまだ時計は出そうなところです。
2歳のダートチャンピオンだけに、ここが試金石となりそうです。ダート単距離路線は限られているため、ここで活路を見出せるかに注目。
芝の走りも悪くはないだけに、さらに馬場が渋るなどすればチャンスはありそうです。3歳馬なので斤量も恵まれていますので、善戦以上あってもおかしくはなさそう。
フィオライア【B】
【5F70.7-54.7-3F40.1-1F12.4】
単走末強め。
最後だけ気合を入れられた形。全体的に硬さがあるように見受けられますが、それでも最後は伸びのあるフォームを見せてくれました。
ややちぐはぐな印象も受けるため、見た目は正直地味な印象で、前走以上の仕上がりは感じませんでした。
ジョーメッドヴィン【B】
【5F69.4-53.6-3F39.3-1F12.6】
単走強め。
しっかりと追われながらもという形でした。若干、体重のありそうな方が騎乗されているため、時計が伸びていないのは仕方がないでしょう。
2走前の船橋Sを勝利しオープン入り。その前走春雷Sでは0.6秒差の6着と、見せ場らしい見せ場は作れずに敗れてしまいました。
今回立て直しの1戦ですが、個人的には悪くはないのかなと思います。引き続きデキ自体はキープしているのではないでしょうか。
ペアポルックス【B】
【4F54.9-3F39.1-1F11.7】
単走末強め。
時計を見てもわかる通り、最後だけさらっとやった程度の内容です。
追われてから徐々にギアが入っていくような形となり、一気に加速していないようにも見受けられました。
きびきびとした印象は受けるものの、走りが小さいような気がします。こういう状態の馬はあまり走る印象を持っていないだけに、個人的には強めに推すことは難しい1頭に感じます。
ステークホルダー【※映像なし】
【4F51.2-3F37.6-1F12.2】
2頭併せ馬なり。
美浦の坂路などを使って中間は攻められています。時計的には良くはないという感じで進んでいた様子。今年のオーシャンSで2人気に推されるなど指示を集めましたが、条件戦が頭打ちだった可能性も。オープン入りして、テンのペースなどに戸惑ってしまっているのかもしれません。
前走成績から上向きだと評価できる材料が欲しかったです。
プルパレイ【B】
【5F69.0-52.0-3F38.0-1F12.0】
2頭併せ内強めアタマ差ほど先着。
先着はしているものの、脚色は明らかに僚馬の方が上でした。時計的にも追われた割には伸びきれずといったところでした。
6歳の夏ということもあり、近走から一気に飛躍を見せるというのは難しいのではないかとも思います。中間の本数が少ないのも、やや夏バテのような症状が既に出ている可能性も視野にしつつという感じです。
レイベリング【B】
【5F70.7-54.6-3F39.1-1F12.0】
2頭併せ馬なり2馬身先着。
6月1日のレースに出走していることから、中間らしい中間もない形。最終リハも直前での輸送を検討しているだけに、ここを使った次のレースを見据えているようにも感じます。
疲労などは感じさせない動きは見せていますが、同時に上積みがありそうには感じない。
モリノドリーム【B】
【5F68.3-51.3-3F37.6-1F11.6】
単走馬なり。
一生懸命に走っているようには感じますが、上半身と下半身とで、どこかバラバラな印象を受けました。
重賞だと足りないと感じるだけに、上積みがほしいところですが6歳の夏を迎えた馬にそれを望むのは酷かもしれません。
ゾンニッヒ【B】
【5F68.6-51.9-3F38.3-1F11.7】
単走馬なり。
調整程度の内容となりましたが、きびきびとは走れています。
ただ、頭の位置が高いこともあり、スピード感はありませんでした。この馬の力は発揮できるのではないかと思いますが、近走成績から上昇気配はほしいだけにどうか。
中間の時計は良かっただけに、レースに向かって一変の可能性もあるにはありますが、当週追いはあまりぱっとせず。
函館スプリントSの追い切り見解と推奨馬
各馬の考察が終わりましたので、全体のまとめをおこなっていきます。
今回の追い切りで上昇気配を示した馬はいませんでした。
ただ、【B】評価の中では、ジューンブレア・インビンシブルパパ・カピリナ・ドンアミティエ・ナムラクレア、前走海外のミリアッドラヴの6頭が状態がよさそうに感じます。
1頭目はこれからの単距離路線を背負っていける存在になれるかという馬
1頭目に推奨するのはミリアッドラヴとしました。久々ということ、そして前走が前走だけに心配にはなりますが、斤量面でもこの馬はねらい目かなと思い、1頭目に推奨としました。足捌きなども綺麗ですし、思ったよりも時計が出ている点もプラスだと判断しています。
2頭目はカピリナ
前走愛知杯で3着という成績、2走前はシルクロードSで4着ときています。順調にここまできていることもプラスと捉え、2頭目推奨といたします。
3頭目はナムラクレア
さすがに3頭目には推奨しておきたいという印象。本調子までもう1つありそうだぞと思いながらも、このメンバーなら再先着はあってもおかしくはないレベルでの仕上がりだと思います。
4頭目はドンアミティエ
オープンを連勝して挑む同馬。人気こそありませんが、侮れない1頭でしょう。父譲りの迫力ある走りは、今回の洋芝でも力を発揮してくれるのではないかと思います。
以上、函館スプリントSの追い切り考察でした。馬券の参考になれば幸いです。