11/6(土)に東京で行われる京王杯2歳Sの各馬の追い切り考察と全体のまとめを行った記事です。
有力視されているコラリンは、南Wで3頭併せを行い僚馬の間を突いて伸びています。実戦さながらの追い切りに好評価。ジャスパークローネは栗東坂路51.2秒で、ラストも12.2秒でまとめる走り。持久力も兼ね備えていそうな走りを見せてくれました。
各馬の追い切り考察後に、全体からお薦め馬をピックアップしていますので、最後までご覧になっていただけると嬉しいです。
京王杯2歳S各馬の追い切り考察
評価は【S/A/A-B/B/B-C/C/D】の7段階評価です。
評価について、詳しくはこちらをご覧ください。
ヴィアドロローサ【B】
5F70.4-55.0-40.5-12.9
単走馬なり。
リズムよく走れていますが、あまり前向きさは感じられず。
馬場が綺麗な時間帯の割には時計が伸びず。馬なりだったことを考慮しても、やや物足りなさを感じます。
ここまで無敗の馬ではあるものの、ここまで最終リハで物足りない動きに感じたのは初めてに思います。
1週前の時点である程度は完成しているのかなという時計もマークしていますので、その点問題ないと見ることもできます。
最終リハの物足りなさは、距離延長に対して前向きなところがなく、当週追いはじっくりと乗ったということなのかもしれません。
デキは変わらずの範囲で出走できる見込みではあるものの、距離延長がもしかすると前向きではないのかもしれません。
キングエルメス【B】
52.4-38.4-24.8-12.2
2頭併せ末強め半馬身遅れ。
頭の位置が高い走りをしており、リズムが悪くなる時間帯も。
2発ほど肩鞭が入っていますが、反応しているかは微妙なところ。末12.2秒なので、反応していないということはないかと思いますが、特に上半身に軸がないようなブレて走っています。
ここまでこの馬の映像配信がありませんので、あとは時計判断となるものの、デキとしては変わらずの範囲まで。前走以上ということはないと判断します。
コラリン【B】
6F87.6-70.8-55.4-40.3-1F11.8
3頭併せ中馬なり併入。
2頭の間を割っての内容で、この映像から馬込みがダメということではないということは伝わります。
雰囲気は良かったと思います。手前の変更等もスムーズでした。手前を替えるとスイッチが入ったように脚の回転が速くなりましたので、頭のいい馬という感じ。ゴールを分かっているのだと思います。
一旦抜け出して半馬身程前に出てから、最後は詰め寄られる形になりました。こういう追い切りをした馬は基本的に見劣りしてしまうので、積極的にお薦めはしたくない馬。
ただ、素質の高さは感じるだけに、この内容でここを勝つ結果ならば今後が楽しみに感じます。
シゲルファンノユメ【B】
5F66.0-51.5-37.3-1F11.8
3頭併せ内末強め1頭半馬身遅れ、1頭併入。
馬場が綺麗な時間帯なので、馬なり末11.8秒も特に気にせずに良さそう。目立った時計ではないです。
外を走った僚馬が一杯に追われている点も含めて、半馬身遅れくらいならば良さそうです。
この馬を見た時に、前脚の回転の良さが推進力を生みだしていると感じます。リズムもいいですが、柔軟性も揃っています。
時計判断となってしまいますが、デキとしては特に変わりなく来ていると思います。可もなく不可もなく、良い状態のところで出走できる見込みです。悪くはないです。
ジャスパークローネ【A-B】
51.2-37.1-24.1-12.2
単走強め。
もしかすると、2頭併せの予定が僚馬が大幅に遅れたために単走扱いに変更になっているのかもしれません。途中まで前を走っていた馬を、追われるとあっさりと交わしてのゴールでした。
最後は追われると鋭く伸びての走り。スピード感溢れる走りをしており、状態面で良いということが伝わってきます。いかにも短距離馬というスピードで駆け上がってきた感じ。
ただ、最後の最後で苦しくなったのか、ゴールの手前でいきなり手前を変更しています。
ここまで3戦して1着1回・3着2回と、特にここ2戦は勝ちきれないレースが続いています。
ただ、自己ベストをマークするなど、デキは上げてきている印象。ここで必ず賞金を加算するという陣営の本気度も感じられる。
最後の手前が替わった部分は我慢してほしかったという想いはあるものの、全体51.2秒で駆け抜けた点を考慮すれば、良い追い切りができたと判断するしかない。
スズカコテキタイ【C】
55.2-40.8-26.5-12.7
単走一杯。
どこか体が重たそうな走りをしています。鞭が2回入っていますが、伸びない走りをしていました。
デビュー戦6着から、前走3戦目にして勝ち上がり。どこかズブそうなところを見せていて、それが追い切りにも出ている印象。
最も、このスケジュールでは無理があるのか、疲労が見え隠れしているのではないかとも感じます。
セルバーグ【B】
53.5-39.0-25.1-12.4
2頭併せ強め1馬身遅れ。
僚馬の後ろに入れてというスタート部分。そこから他馬も含めて実質3頭併せのような形になりました。
スピード感溢れるパワフルな走りをしているところは良かったのです。
ただし、追われてからは併せパートナーではなく、他の馬の方へ大きくヨレてしまうなど、真っ直ぐに走れていません。明らかにふらついています。
よく言えば豪快、悪く言えばまだまだ走りが粗削り、そして幼い。
最後も馬なりの僚馬相手に、しっかりと追われたセルバーグが1馬身遅れる内容で見た目は地味。
脚の回転の良さや前進気勢は見せていますので、前走以下ということはまずないと感じますが、前走以上とも感じず。
トウシンマカオ【B】
53.1-37.9-24.4-12.1
2頭併せ強めクビ差遅れ。
活気十分ではあるものの、最後は外を走る僚馬にあっさりと交わされる走りとなってしまいました。
時計は悪くはなく、動きも申し分ないと感じます。僚馬の方が走ったという見方もできますが、地味なのは地味。
前走新馬戦のときの映像がありませんが、時計判断では、中間含めて特に変わりはない印象。センスいい勝ち方をしていましたので、ここでも楽しみに感じます。悪くはない。
ファンデル【B-C】
51.6-38.6-26.2-13.5
単走強め。
時計からわかるように、最後は苦しくなってしまいました。
さすがに想定外だったのか、鞍上の方もしきりに動かしてはいますが、ガス欠したかのように最後は動きも大分鈍くなってしまいました。
自己ベストをマークするなどしていますが、あまり評価できない自己ベストのようにも感じます。
ベルウッドブラボー【B】
6F85.2-68.3-53.0-37.8-1F11.8
2頭併せ外馬なり半馬身先着。
じわりと伸びて僚馬に先着を見せる走り。
じっくりと乗られて、最後までリズムよく走れています。
前進気勢も感じられ、精神面でも落ち着いているように見えました。
余談ですが、ここまで1400→1200→1400のレースを使われています。最終リハの映像を観てこういう走りができるならば距離が伸びた方が良さそうに思います。
素人が何を言っているんだと言われてしまいそうですが、短距離に拘らずににマイルも試して欲しい馬です。
ラブリイユアアイズ【B】
5F68.6-53.5-39.1-1F12.2
2頭併せ外馬なり半馬身先着。
僚馬を1馬身程離した状態で映像はスタート。そこから直線へ入ると並走状態となりますが、最後は半馬身程前に出てのゴールでした。
時計的にはそこまで強く推せるものではありませんでしたが、我慢が効いた走りをしています。
舌を出して走っていますので、本人的には集中力を出して走ったというよりも、遊び程度の内容になっているのでは。精神的にはまだまだこれからというところかもしれません。
全体的には悪くはない走りで、スムーズに回れている点も含めて完成度は高そう。悪くはない。
レッツリブオン【B】
6F87.2-70.2-54.1-38.8-1F12.1
2頭併せ外末強め半馬身先着。
僚馬の2馬身程後方を走り、直線入口で進路を変えて、僚馬の後ろを通して外に持ち出します。ウッドチップを喰らっても嫌がる素振りもなく、しっかりと鞍上の指示に的確に応えています。
最後は追われるとしっかりと伸びて併入に持ち込みました。動きも加速もスムーズで、全体的には悪くはない印象です。
若干、前脚の動きが硬さがあるように感じます。
それがこの馬の特徴なのか、使われていての疲労の蓄積によるものなのかは見えてきません。
ただ、雰囲気は良くて、未勝利戦でやや足踏みしましたが、状態よく出走できるのではないかと見ています。
京王杯2歳Sの追い切りまとめ
今回の追い切りで上昇気配を示したのは、【A-B】評価のジャスパークローネのみでした。
ただ、【B】評価の中では、シゲルファンノユメ・ベルウッドブラボー・ラブリイユアアイズ・レッツリブオンの4頭は楽しみに感じるところで作られていると思います。
あと、映像配信がなかったものの、時計を見て楽しみに感じるのがテーオースパローです。
坂路で51.4-12.2で駆け抜けています。悪くはないというのは伝わる追い切りだっただけに、できれば映像を観たかった1頭です。
テーオースパローを含めて6頭は、今回の追い切りで前向きにみたい馬達です。
その中で特にお薦めするのは以下の4頭です。
前走はコラリンに0.1秒差で敗れる結果も、広いコースの方が合いそうなだけにここは変わり身にも期待が持てる。
追い切りでも動き良く走れている点は前向きに見ていいはず。
ここまで3戦1勝は物足りなさを感じますし、前走は3着という結果も負けすぎた印象。
それでも陣営が本気出して仕上げてきた印象を受けますし、12月目標にしっかりと状態を上げきれたと感じます。
未勝利を勝ちあがるまでに時間は要したものの、追い切りの動きは悪くはなかった。ここからとんとん拍子に進む可能性も感じられるほどの素早い動き。
心配材料は鞍上か。馬の地力は足りているはずなので、重賞勝利となるか。
無難な素質馬という印象。デビューから2連勝で重賞挑戦というのも優等生という感じか。デキも良さそうなだけに期待が掛かる。