5月23日に行われる第82回オークスの最終追い切り考察を行って記事です。
桜花賞はソダシが優勝。
ソダシの連勝か、他の馬が連勝を止めるのか。
G1、特にクラシックともなると、地力の高さだけでは好走出来にくくなります。
特に二冠目のオークスやダービーは、この後夏の休養期間を挟むので、どの陣営もメイチでの仕上げを施してきます。
地力+調子の良さが大事になりますので、そのあたりをしっかりとチェックしました。
各馬の考察後に、まとめの考察を行っていますので、最後までご覧いただけると幸いです。
追い切り考察
評価は【S/A/A-B/B/B-C/C/D】の7段階評価です。
評価について、詳しくはこちらをご覧ください。
3歳OP コース:2,400メートル(芝・左)
アールドヴィーヴル【B】
54.2-39.0-25.1-12.5
単走強め。
1週前は集中力を欠いた走りをしていましたが、当週追いではしっかりと真っ直ぐに走れています。
ただ、淡々と走っており、もう少し雰囲気がほしいところ。
前走時の時計はさらに遅い時計で駆け抜けています。
時計判断では、デキは今回の方が上だと思ってしまいそうですが、中身は変わらずのところだと判断しています。
前向きに見れば、クイーンC2着の時と比較しても変わり映えはしません。
引き続き順調に来ていると判断しています。
陣営的にも、馬体重には気を使っているのかなと感じる内容でした。
1週前に自己ベストも、ここをどう評価するか。
時計判断では上昇気配と言っても良さそうですが、気持ちが切れているように感じられるので、雰囲気はよくありませんでした。
アカイトリノムスメ【B】
5F68.4-52.4-38.0-1F12.9
2頭併せ内馬なり併入。
コース3分から4分を通過しているので、時計は参考程度。
前走時はデキ落ち評価としていましたが、今回は引き続きの評価とします。
1週前の映像を見た時に、前脚の動きがやや怪しい。
どこか力強さが消えた印象で、軽い馬場であれば対応できるのかなと感じます。
時計の根拠も、前走時の馬場差や進路取りを考慮すると変わらない範囲。
1週前も最終リハも、もう少しピリッとしてほしかったです。
それでも桜花賞4着でしたから、地力は高い馬だということだと思います。
ウインアグライア【A-B】
4F54.8-39.2-1F11.8
単走末強め。
馬場が綺麗な時間帯での追い切りでしたので、時計は割引材料です。
動き軽快で、伸びのある走りをしています。
ただ、タッチが軽い印象を受けるので、良馬場希望でしょうか。
1週前は3頭併せ。
内を走った僚馬が早々に脱落したため、実質2頭併せでの内容でした。
2週続けてある程度負荷を掛けてきました。
前走時と比較すると、時計の根拠は今回の方が上。
また、メリハリという点でも今回の方が良かったと思います。
デキは上昇していると考えて良さそうですが、大幅な上昇とまでは感じません。
エンスージアズム【B】
6F84.0-67.0-52.4-38.4-1F12.2
3頭併せ末強め1頭併入、1頭3/4馬身先着。
1週前に坂路でしっかりと追われているので、最終リハは馬なりと強めの中間といった具合でした。
時計自体はそこまで変わった印象は受けません。
デキ自体もそこまで変わりなくきているのではないでしょうか。
フラワーC2着の実績時から、特に変わりなくここまで来ています。
この馬にしては順調。
クールキャット【A-B】
5F67.7-52.1-38.0-1F11.8
2頭併せ内末強め半馬身先着。
じっくりと乗られて、最後はやや促されてという内容でした。
スムーズな加速を見せての先着の内容で、全体を通して悪くはないと判断します。
時計は明らかに今回の方が上。
ただ、前走時は手綱を引っ張って、掛かりながらの内容でしたが、今回はやや大人しさが目立つものでした。
掛かり癖が治ったとも言えますが、逆に言えば、闘志が消えたとも言いかえることもできます。
時計判断では今回の方が良かったです。
落ち着きが出てきたと評価して、デキ上昇としておきます。
この内容で凡走したのであれば、適正距離とレース前からのやる気が大事になる馬という評価で良いのではないでしょうか。
ククナ【B】
5F66.6-52.2-38.3-1F12.1
単走強め。
前を走る同厩舎の馬がいましたが、後ろを振り返ったりしているので、本当に単走だったのかは分かりません。もしかすると、途中で単走に切り替えた可能性も。
(デイリーの記事で、元々は2頭併せも併せなかったと書いてありました。)
こういう場合、これで好走したという経験が乏しいので、そもそも評価が難しいです。
予定通りの内容を消化することがまず大前提となりますので、その点では評価が難しい面があります。
1週前は3頭併せを実施。
馬なりから強めの中間の運動負荷で、僚馬に先着することができました。
ただ、時計の根拠が乏しいもので、僚馬2頭が不甲斐ない動きをしたとも言いかえることができます。
前走時は坂路を選択していますが、今回は距離延長の分南Wで息を入れながらという内容が続きます。
距離延長では、これまでのパターンを変更することも大事になりますので、その点では準備はできています。
ただ、前走と変わらない範囲での仕上がり(前走デキ落ち評価)だと思います。
上昇を感じさせるものがなければ厳しいと思いますので、巻き返しは厳しい印象です。
ステラリア【A-B】
6F85.6-68.0-52.5-38.9-1F12.2
単走馬なり。
最後にやや促されましたが、馬なりの範疇としています。
どちらかというと、身軽に走っているというよりも、パワー型なのかなと思われる走りをしています。重戦車のようなどっしり感を感じます。
可動域が狭いとか、そういったマイナス要素はありませんでしたが、もう少し最終リハの雰囲気が増して欲しいところ。
1週前は7ハロン追いを行いました。
99.2-3F36.9-1F11.5と、上々の時計と内容を消化しています。
実質的な最終リハは1週前の追い切りだったと考えて差し支えないはずです。
時計判断では、ここは上昇気配の舞台。
2走前のクイーンCの時と比較しても、一回り良くなった印象を受けます。
キズナ産駒なので、この春一気に才能開花とはいかない可能性もありますが、成長を感じる内容だったとは思います。
ストライプ【B】
52.9-38.7-25.2-12.2
2頭併せ強め2馬身先着。
しっかりと先着できたことがまずは良かったと思います。
ただ、あまりに淡々と走ってしまっていて、雰囲気が良かったとは感じませんでした。
デキ自体は悪くはないと見ていますが、強調できる材料も乏しく。
スライリー【B】
5F68.7-52.7-38.5-1F12.7
単走馬なり。
淡々と走っている形になりました。
馬体が小さく見せてしまうのが、400kg前半の馬体重が影響しているのか、それとも雰囲気が悪いからなのかは少々迷うところ。
最後にやや促されていましたが、伸びのある走りはしていましたが、気迫というものは感じませんでした。
1週前は2頭併せを南Wで行っていました。
伸びそうなところで伸びずに、鞭が入っても僚馬にじりじりと離される内容でした。
もう少し雰囲気が良くなると推せそうな部分も感じます。
デキは良くも悪くも前走程度までとしておきます。
上昇度の高い追い切りを見せてほしかったです。
スルーセブンシーズ【A】
5F66.8-52.0-38.6-1F11.9
単走強め。
しっかりとスピードに乗って、前進気勢を見せての内容でした。
状態面では特に心配はいらないとみています。
1週前は、やや掛かりそうになりながらのコーナー部分で、スピードあふれる走りを披露してくれました。
ただ、その1週前は3頭併せだったのではないかと思います。
単走扱いでしたが、前を走る同厩舎の2頭併せの鞍上が後ろを気にして走っていました。
待つべきかどうか迷いながらというような印象も受けましたので、本当に予定通りの内容を消化したのかは分かりません。
ただ、追われてからのスピード感は、1週前と当週追いと変わらずに良かったです。
前走時の映像がありましたので確認しましたが、首を高く走ったりとしていましたので、今回の方が断然デキが良さそう。
時計の根拠も明らかに今回が上で、デキ上昇としておきます。楽しみな存在です。
ソダシ【B】
54.7-39.5-25.3-12.3
2頭併せ馬なり3/4馬身先着。
馬体が白いので、どうしても膨張色で大きく見えてしまうところと、ズブく見えてしまうのが難点。
脚色はソダシの方が良く、先着した点を考慮しても状態面では特に気にせず考えて良さそうです。
1週前はCWで6F86.9-3F38.3-1F11.6と好時計をマーク。
オークスの距離を考慮して、CWで長めに息を入れながらという内容だったと思います。
桜花賞では1週前と当週追いは坂路を使っていたので、その点では、パターンが違います。
狙い定めて追い切った準備の良さも含めて、デキはキープできていると考えていいでしょう。
桜花賞の時から、というか、昨年末の時からデキは変わらずに、良い状態で出走できる見込みです。
ただ、成長という面では疑問も残ります。
あまりパフォーマンスが変わっていない印象も受けましたので、その点では逆転される隙はあるような印象も受けました。
能力は疑いようのないものですが、その辺りは走ってみないと分かりません。
デキとしては良い意味で平行線です。
タガノパッション【A-B】
6F84.3-67.3-52.4-38.0-1F12.1
単走末一杯。
中2週での出走ですが、最終リハでしっかりと負荷を掛けられているところを見ると、状態面では心配がいらないことの証明だと思います。
伸び脚もしっかりとしており、追われてからの反応も良かったです。
評価難しいところで、最終リハを見る限りでは上昇気配でも良さそうな気もします。
追加登録してきたということは自信の表れと見るか。
それとも、前哨戦を勝ったので、出走できるならば出走したいというだけなのか。
追い切りを見る限りでは、前者の方だとは思います。
勝ちにきている追い切りだと思いました。
ここまでの追い切り時計で判断することしかできませんので、この内容で好走できるようであれば、次からの指標としたいと思います。
ニーナドレス【B】
56.0-40.3-25.3-11.9
単走馬なり。
テンはゆったりと入って、ゴール前に促されてという形。
ただ、強めというほどでもないので、馬なりと表記しています。
全体時計を考慮すると、末の時計は特段凄いとは思いませんが、一応、12秒を切る内容でした。
調子が悪いと出せる時計ではないので、状態面での心配は必要ないと思います。
しっかりと反応している証拠ではあるので、精神面でも特に問題ないとみていいでしょう。
まだこれから良くなっていく馬だと思いますので、ここで完成されているかというとやや疑問も残る。
しかし、仕上がりの良さは1週前の追い切りから伝わってきますので、ここは楽しみに考えていいのではないでしょうか。
上昇気配とするか迷いましたが、前走以下ということはまずないと考えていいでしょう。
デキは前走程度ですが、前向きに見たい1頭です。
パープルレディー【B-C】
5F69.0-53.1-38.6-1F12.1
2頭併せ内強めアタマ差先着。
クビ差ほど前に出たところで、最後に僚馬に盛り返されたという形になりました。
ポリトラックを選択しているので、あまり負荷を掛けたくないというところだと思います。
前走時は南Wを選択してレースに挑んでいるので、その点では今回は珍しいパターンです。
1週前は南Wで追い切っています。
馬なりから最後は強めに追われて半馬身程遅れた内容でした。
太め感は感じませんが、動きがやや重たいのが気になりました。
もう少し軽快に動ける方が良かったかもしれません。
ハギノピリナ【B】
56.7-40.3-25.5-12.4
単走馬なり。
時計を見て分かる通り、淡々と駆け上がっている形での最終リハでした。
脚捌きは軽快で、ここまでの連戦の疲労などは特に感じません。
中2週での出走ですので、中間の時計も軽め。
その為、時計の判断は難しいところ。
悪くはないと思いますが、前走以上ということは考え難いです。
ファインルージュ【B】
5F67.1-52.5-38.2-1F12.1
3頭併せ中馬なり1頭半馬身遅れ、1頭1馬身先着。
馬なりでの時計ですが、コース3分ほどを通過しているので、それでも参考程度まで。
走り自体は前進気勢を見せて、伸びのある走りをしていました。
1週前は2頭併せを行いました。馬場が綺麗な時間帯でした。
時計は今回とさほど変わりませんが、馬場差を考慮するともう少し走れても良かったかもしれません。
前走桜花賞の時と比較すると、時計は変わらない程度でした。
ただ、走りのフォームは今回の方がスムーズさはあったかなと思います。
時計の根拠では変わらない部分ですので、デキが上昇したとは言い難いところもありますが、悪くはなかったです。
前走のパフォーマンスは発揮できる見込みです。
ミヤビハイディ【B】
5F67.8-51.8-38.1-1F12.5
2頭併せ外馬なり半馬身先着。
実質的には3頭併せのような形になりました。
すぐ外を他馬が走るようになりましたので、その馬を追いかけるような形になりました。
これが予定通りの追い切りとなったのかは分かりません。
1週前は3頭併せで1頭1馬身遅れ、1頭併入という内容でしたが、負荷をしっかりと掛けた内容でした。
2走前のクイーンCでは、坂路での最終リハで、映像的には今回の方が動いている印象です。
前走時の時計と比較すると、そこまで大差はない印象ではありますが、2走前のクイーンCで11着だった時とはやや違う印象です。
前走時からはデキは変わらずですが、2走前の印象は捨てた方がいいでしょう。
ユーバーレーベン【C】
5F68.2-52.7-38.7-1F12.1
2頭併せ内強めクビ差遅れ。
僚馬の2馬身後方を追走して直線入口で併入状態へ。
そのまま半馬身程前に出ますが、最後は差し返されるような形になりました。
時計を見ると、僚馬が思いがけず走ったとも言えるもので、悪くはないところ。
ただ、G1直前の追い切りで差し返されるというチグハグな内容だっただけに、積極的に前向きに見たいという感じは受けませんでした。
1週前は南Wをしっかりと追われて、僚馬が楽な手応えで先着を見せています。
2週続けて遅れるのは、少々気になる部分です。
デキは落ちたと考えるのが妥当かもしれません。
疝痛の影響がどこかで響ていると考えるのが適切かもしれませんが、本調子ではない印象は受けます。
今年のオークスの追い切り注目馬
各馬の考察が終わりましたので、全体のまとめを行っていきます。
まず、今回の追い切りで上昇気配を示したのは、【A】評価のスルーセブンシーズ、【A-B】評価のウインアグライア・クールキャット・ステラリア・タガノパッションの合計5頭でした。
【B】評価の中では、ソダシ・ニーナドレス・ファインルージュの3頭は面白い走りをしていたと感じます。
こうなると、8頭もピックアップする馬が出てきてしまうので、ここからさらに絞っていきたいと思います。
ただ、今回は絞り切れずに、5頭のお薦め馬を発表します。
いつもは3頭か4頭まで絞りますが、今回は追い切り予想から混戦模様です。
1頭目は、≪B≫[最強]競馬ブログランキングへとします。
しっかりとした足取りで、伸びのあるフォームで軽快に走れていました。
上昇度の高い追い切りを消化しているということで、ここは迷わず1頭目に選択。
オッズを考えると、単複勝負だけでも面白いのではないかと感じています。
2頭目はソダシとします。
動きは相変わらず良かったです。
ここまでの実績ですので、前走と同程度の内容を消化しているならば順調と考えるべきでしょう。
ただ、逆転の目があるならということで、1頭目推奨ではなく、2頭目推奨としました。
3頭目はニーナドレスとしました。
ここまで無敗の馬ですが、特に1週前の動きがよく、そのまま最終リハも良かったです。
デキ上昇とするかどうかは迷いましたが、前走のところまでとしています。
ただ、本当に動きは良かったので、ここは3頭目とします。
4頭目はステラリアとします。
1週前に7ハロン追いを行い、当週追いではCW6ハロン追いと強気の追い切りを消化。
2走前のクイーンCの時と比較しても、今回の方が楽しみ。
3番手のニーナドレスとどちらを先に紹介するか迷いましたが、ニーナドレスの最終リハの方が良く見えたので4頭目推奨とします。
5頭目はタガノパッションとします。
無駄な動きもあったかとは思いますが、とにかく雰囲気が良かったです。
追われてからの反応と、柔軟性を考慮して、ここは追い切り推奨馬にピックアップしておきます。
以上の5頭を、今回の追い切りお薦め馬とします。