10月23日に行われる富士ステークスの追い切り考察を行いました。
ダービー馬ワグネリアンが初のマイル重賞に挑みます。
その他、ホープフルSの覇者ダノンザキッドなどが登場。
出走馬については以下のページでまとめています。
それでは各馬の考察を行ったあとに、まとめで推奨馬を4頭挙げていますので、最後までご覧下さい。
富士S2021の追い切り考察
評価は【S/A/A-B/B/B-C/C/D】の7段階評価です。
評価について、詳しくはこちらをご覧ください。
アルジャンナ【B】
53.6-39.4-25.5-12.4
単走強め。
しっかりと駆け上がれています。時計の根拠はやや乏しい印象もありますが、これだけ走れれば問題ないかと思います。
ただ、2走前に2着に入ったマイラーズCの時と比較すると、今回の方が大人しい印象。
今回は、良くもなければ悪くもなくという範囲でデキは前走から変化がないと考えていますが、2走前と比較すると見劣りする内容となりました。
ザダル【B】
6F85.0-68.8-52.9-37.7-1F12.1
2頭併せ外強め半馬身先着。
僚馬は馬なりでしたので、この半馬身差は特に気にしなくていいかと思います。
時計的にもそこまで速い時計というわけではありませんので、その点含めても着差は気にせず。
3馬身から4馬身後方を追走して直線へ。直線入口でも2馬身差ほど離れていますが、ゴーサインが出ると素早く加速できています。
精神的にも肉体的にも問題なさそうです。
2走前にエプソムCを勝った時は4ハロン追いと短い距離で負荷を掛けていました。強めに追われた僚馬に対してやや遅れるような形。
前走時は6ハロン追いで時計は今回とさほど変わらない範囲でのものでした。
上手くいったときの重賞の4ハロン追いではなく、長い距離を走らせるこのパターンがいいのかどうかは分かりません。
短い距離を走ってからレースに向かって結果が出ている点を考えると、前走と今回と6ハロン追いというのがあまり前向きに見れず。
状態は前走程度まで。敗因がしっかりとしているのであれば再度狙うのもあり。ただ、2走前のエプソムCと比較すると大人しい印象もあり、そのあたりをどう判断するか。悪くはない。
サトノウィザード【B】
52.9-38.1-25.0-12.4
2頭併せ末強め半馬身先着。
僚馬の方を向いて走っていて、真っ直ぐに前を見れていません。
追われてからは前を向いていますが、ソラを使ったかのように僚馬を抜いた後にふわふわとした走りに変わってしまいました。早め抜け出すような競馬は不向きなのでしょう。
特に状態面では問題なさそうです。精神的なものがありそうですので、直線で脚を伸ばしてという走りしかできないのかもしれません。
展開に恵まれると考えるならば、筆頭候補として良さそうです。追い切り自体は悪くはない。
サンライズオネスト【C】
51.8-38.2-25.1-12.7
単走強め。
最後はバテてしまったのか、頭の位置が高い走りをしてしまいスピード感はありません。時計も最後は減速ラップとなっています。
ここを使われてから上向くのかなと感じます。
ソーグリッタリング【B】
6F84.5-67.3-52.0-37.8-1F11.5
2頭併せ外1馬身半遅れ。
相手が菊花賞出走馬のディープモンスターとは言え、さすがに遅れすぎた。
時計は悪くはないところで動けていると判断しますが、どこか頼りなく。
中間からブリンカーの着用をするなど試行錯誤しているようですが、あまり効果も乏しく。
順調に使えていない点を考慮しても、復調を目指すならばまずはここを使われてから。ただ、7歳の暮れも近づきましたので、上昇を見込むのは酷なのかもしれません。
ソングライン【B】
5F68.4-52.7-37.7-1F11.9
3頭併せ内強め1馬身先着。
早めに抜け出してから1馬身半差を付けますが、最後は僚馬2頭に追われた形で1馬身差となりました。
ゴール後も緩められることなく走っていますので、上記の時計以上に走っています。
踏み込みなどに特に問題は見受けられません。
前走時は南Wで同じような時計を刻んでいます。負荷の具合なども特に変わりなくといったところ。
上昇気配は感じませんが、前走と同程度のデキで出走できる見込みです。
ダーリントンホール【B-C】
6F85.7-68.7-53.4-38.4-1F11.6
2頭併せ内馬なり併入。
コース4分ほどを通過しているので時計は参考程度。
コーナー部分では1馬身から2馬身差あったものが、直線入口で半馬身差まで詰めます。
僚馬がやや促される中で、最後は併入に持ち込みました。
気持ちは前向きではあるものの、掛かる一歩手前という感じ。最後は自ら動いて併入に持ち込んだという点では、レース本番でガッと掛かってしまわないか心配。
久々のレースですので、まずはここを使ってからなのかなとも感じます。映像がスタートしたときの走りはバタバタしており、全体的にバランスが悪い。
性格的なものもあって距離を短くしてきたと思いますが、距離的にはマイルくらいが妥当という印象で、そこがハマれば面白そう。能力は高いと思うだけにこんなところでは終わらないはず。
タイムトゥヘヴン【B】
6F82.0-66.3-51.9-37.8-1F11.8
2頭併せ外末強め1馬身先着。
僚馬と馬体を併せると、そこから一気に加速して僚馬を置き去りに。
ただ、そこから2馬身差まで差を広げそうな勢いも、最後の最後に鈍った形にも見受けられ、一瞬のキレは使いどころなのかなと感じます。動き良好で前進はありそう。
前走中山のセントライト記念で14着。これが距離なのかコースなのかは分かりませんが、東京マイルに適性がありそうにも思えず、難しい判断が求められそう。
しかし、追い切りの雰囲気でいえばメンバー上位。人気が落ちているのであれば、馬券の妙味は大きいはず。積極的に狙いたい1頭。
ただ、前走比較で上昇したとは言いづらく、前走のデキまでとします。その前の前走は【A】評価で、お薦め馬の2頭にピックアップしていました。
距離などに問題があると思うのであれば狙い目。状態が整っていないとか能力的なものが足りないと思うのであれば外して買う方が良い気もします。
ダノンザキッド【B-C】
6F82.6-66.-51.1-37.0-1F11.6
単走末強め。
実質的には前に2頭併せの馬を置いているので3頭併せのような形。
しっかりと動かされて、そしてダノンザキッドもそれに応える走りをしています。これを見て、デキが悪いと判断する人はいないかなと思います。
若干、太目残りの印象を受けるので、本格的に走れるのは次走の印象も。そのせいか、前脚の動きが春の頃に比べるとパワー不足な印象を受けてしまいます。
ここを使われるとさらに上向くのではないかとみています。目標はマイルCSだと思いますので、その時までに仕上がればという形での出走ではないかと思います。
前走がG1だったので、仕上がりは落ちてしまう印象は受けますが、それでも状態は比較的良さそう。能力だけで好走は可能では。悪くはない。
バスラットレオン【A-B】
53.8-38.5-24.2-11.7
単走強め。
重心を低くしてしっかりと走れています。
綺麗に走りすぎて、もう少し活気を見せてほしいと感じる部分もありますが、概ね良好状況だということは伝わります。
前走と比較すると、今回の方がより集中力が増しており、使われた上積みは感じます。
素直にデキが上昇していると判断していいのではないでしょうか。
上にも書いていますが、綺麗な走り方をし過ぎていて、逆に大人しいという判断もできますので、その辺りがこのレースにどちらに転ぶか。
フォルコメン【B】
5F70.2-53.8-39.0-1F12.2
2頭併せ内馬なりクビ差遅れ。
カメラの角度的にもしかしたら併入まで持っていけているかもしれません。
動きは軽快も、僚馬に対して遅れていく内容が気になりました。
時計も、外々を回ったわけではないのでやや遅いかなと思います。馬なりにしても、動きは軽快だった点を考慮すると、動き以上に遅く感じてしまいます。
去勢後に勝っているので、去勢の心配は必要はないでしょう。デキは変わらずの範囲だとは思いますが、重賞挑戦だけに上向いた姿を見せてほしかった。
ボンセルヴィーソ【B】
53.0-37.7-24.0-11.9
単走馬なり。
促されてはいましたが、馬なりと表記しておきます。
あと、単走扱いになっていますが、ぴったりと横に僚馬がいましたので、もしかすると表記ミスなのかもしれません。
1週前のレースに出走する予定が除外となりスライド。1週前には仕上がっていたと感じますし、今回は調整程度の内容となりました。
デキ自体は変わらずと見ていいでしょう。7歳も暮れになり、ここから大きな変化を求めるのは酷か。
マイラプソディ【B】
53.9-38.7-25.3-12.6
単走強め。
促されている割にはあまり進んで行かず。この馬のいつものところと言えばいつものところですが、もう少し迫力が欲しい。
前走使われて間もないので、そこまで大きな変化は感じず。中2週での出走ですので、大きな変化はない。デキは前走程度まで。
大人しすぎるので、もしかすると前走の疲労も多少なり残っているかも。今回はデキキープとしますが、迷ったら切ってもいいかも。
ラウダシオン【B】
6F89.7-72.3-56.6-41.5-12.8
単走馬なり。
促されてはいましたが、全体的に馬なりの範疇。
前走時の追い切りでも書いていましたが、追って反応したら途中で追うのを辞めるのがこの馬のパターン化しているようです。
頭の位置が高い走りは解消されており、それが前進気勢に見てとれます。
ただ、上へと跳ねるような走りは相変わらずで、それが時計に結び付かない走りとなっているのだと思います。
デキは前走程度まででしょう。
ロータスランド【A-B】
53.5-38.8-24.7-11.9
単走馬なり。
強めと迷いましたが、馬なりの範疇として考えていいでしょう。促されてはいました。
悪くはない動き。末の時計もしっかりと出ています。
前走時は渋滞している中での追い切りでしたが、時計は刻めていました。余計な力が入っていると感じましたが、今回はその余計な力がないのが良かったです。
ただ、余計な力みがある中で追い切って重賞で勝っていますので、その点では大人しくなったと考えることもできます。
脚捌きも軽快で力も入っています。動き自体今回の方が良かったので、単純にデキはさらに良くなっているのでは。本格化した印象。
ワグネリアン【B-C】
53.3-38.4-25.1-12.5
単走馬なり。
促されていましたが、馬なりの範疇としています。
この馬なりには動けているかとは思います。もう少し後脚の動きに力強さが欲しいところ。
1週前の映像を観たところ、大人しいなという印象を抱きました。ダービー馬としてのオーラがなくなっていました。
それは当週追いを見ても同じで、反応しているのか微妙なところ。
走る気持ちになっていないのでは。もう少し全体的に力強さを示して欲しかった。
良くなるとすれば、ここを使ってから。ただ、JCに向かうのであれば、ここ次第のところもありますが、周りと比べても苦労しそう。
富士S2021の追い切り総まとめ
今回の追い切りで上昇気配を示したのは、【A-B】評価のバスラットレオン・ロータスランドの2頭でした。
ただ、【B】評価のソングライン・タイムトゥヘヴンの2頭と、【B-C】評価ながらもダノンザキッドは走れそうな雰囲気十分でした。
ワグネリアンも走れないことはないとは思いますが、どこか雰囲気が悪い。ここを使われてから上向くのではないかと思いますが、もしかしたらピークすぎて下降線を下りきったのかもしれません。
それでは追い切りのまとめ、推奨馬の発表です。
前走から動きが良くなっていたのが前向きな評価。重賞連勝も十分に考えられる。
前走使われた上積みがある。京成杯AHは案外の成績も、見切るにはまだ早い。デキは上昇している今回は狙い目。
【B-C】評価としたものの、このメンバーならば上位に食い込めるだけの力はある。雰囲気も良かっただけに、G1馬の意地を見せてほしい。
セントライト記念は案外も、春のNZTで2着に入ったマイルに距離を戻すのは前向きに見ていいはず。そうなると、NHKマイルCで好走したソングラインも消すに消せないものの、前走使われた分も含めてタイムトゥヘヴンの方が良かった。
今回は以上となります。