11レース 発走時刻:15時35分
第38回 フェアリーステークス
3歳 OP コース:1,600メートル(芝・右 外)
フェアリーステークスの追い切り考察を行いました。タイムや映像をチェックした上で考察を入れて、最後にお薦めの馬を発表しています。追い切りの考察をお探しの方向けに書かせていただきましたので、特に追い切り考察苦手の方が参考になれば幸いです。
フェアリーSの各馬の追い切り考察
評価は【S/A/A-B/B/B-C/C/D】の7段階評価です。
評価について、詳しくはこちらをご覧ください。
ヴァンルーラー【B】
52.4-38.0-24.6-12.3
2頭併せ末一杯半馬身先着。
もう少し可動域が広いといいかもしれません。淡々と走ってしまっており、もう少し活気が欲しいところ。
走りを見ると無駄な力が入っているようにも見受けられ、半馬身の先着も見た目がやや地味に映る。
前走の映像がない馬なので考察を難しくさせていますが、追い切りの内容的には前走程度までと判断。前走時は11秒台を刻むラップを刻むところがありましたが、今回はそれがありません。だからデキ落ちというのは早計ですが、全体的に考慮しても前走以上ということはない。
ウラカワノキセキ【A-B】
5F68.6-53.0-38.5-1F11.9
2頭併せ内強めアタマ差先着。
誤差の範囲だと言えますが、中2週となる今回ですが、前走と比較しても時計が良化しているのが頼もしく感じる。
また、相手が未勝利馬だったことを考慮しても動きは良かったと感じます。
仕上がりは良かったと思うものの、この馬の場合は芝への適性があるかどうか。ヘニーヒューズ産駒の為、どうしてもダートのイメージが付きまとう。アジアエクスプレスなど、芝も走れる馬もいましたが、この馬もそうなのかは未知数の部分も。状態面で乗り切れるか。
エバーシャドネー【A-B】
5F66.2-51.6-36.9-1F11.4
3頭併せ内1馬身半遅れ。
シンザン記念のモズゴールドバレルを中に置いて。
直線入ったところから既に遅れはじめ、直線半ばに更に差が広がった印象です。1馬身半差遅れはあまりに地味で、強く推せるポイントはなし。
ただ、時計自体は大幅良化。前走使われた上積みも含めて前走以上のデキではありそう。
エリカヴィータ【B-C】
5F68.8-53.3-38.9-1F12.4
3頭併せ中馬なり1頭クビ差遅れ、1頭2馬身先着。
3頭いずれもが馬なりでの調整でしたので、着差はあまり気にしなくていいかもしれません。
ただ、内を走った僚馬にはいつの間にか遅れていたという形になっていて、あまりにさらっとし過ぎな印象。
時計自体は新馬戦の時の方が良かった点を考慮すれば、上積みまでは感じ取れない内容でした。
前走時は新馬戦の本番までに好時計を2回刻んでいますが、今回はそれがありません。末11秒台も1回しかなく、時計的な根拠を感じずままにレースに向かいます。
デキ落ちも意識できる内容だけに、前走以上ということはないでしょう。時計の根拠からするともう1つ上があると感じます。
スクルトゥーラ【B】
5F72.4-55.9-39.9-1F12.2
2頭併せ内馬なり併入。
掛かりそうなくらいに前向きさを見せての走りで、最後までしっかりと手綱を動かさずの動きとなりました。
それでも最後は12.2秒の時計をマークしていますので、今回のデキが悪いということはなさそう。
1月3日に美浦南W6F85.7-3F39.6-1F12.5を刻む時計を出していて、そちら方が実質的な最終リハという印象がありますので、当週はさらっとやった程度でしょう。
フラストレーションが溜まって本番で爆発しなければ。もう少しで首を上げてしまいそうなほど掛かる雰囲気がありましたので、距離延長が歓迎ではない可能性も。
スターズオンアース【B】
5F67.3-51.7-38.0-1F12.4
2頭併せ内馬なり併入。
手応え的には半馬身程前に出てゴールという形でも問題なさそうですが、その点微妙に映ります。脚捌きが悪いということではありませんが、踏み込み甘い印象は受けます。
前走時の最終リハ坂路でした。中間含めて、坂路とコース追いを絡めていました。今回は坂路で強い時計はなく、全体56秒台と57秒台が1本ずつと物足りない時計。コース追いでもこの馬のいつもの範囲までという印象です。
直線向くまでの手応えの良さを考えると物足りないですが、終始馬なりのままで古馬相手に併入と考えると悪いことはないのかもしれません。時計的には不安もありますが、デキは前走から変わりないと判断します。
スピードグラマー【B】
6F84.9-68.8-54.5-39.9-1F12.1
2頭併せ外馬なり半馬身先着。
手前を替えるまでは突っ張った走りをしている印象でしたが、手前を替えてからはスムーズな脚捌きに変化した印象で悪くはなかったです。
デビューから一貫して同じような調教過程が続きますので、デキが極端に悪いということはないでしょう。
可もなく不可もなく。
スプリットザシー【B】
55.5-38.7-25.0-12.4
単走強め。
前走が朝日杯FSでしたので、この中間は速い時計はありません。それでも最終リハで全体55.5秒で、加速ラップを刻んでいる点を考えると、前走のダメージはなさそうに映ります。それだけ具合が良いということの裏返しなのだと感じます。
ただ、真っ直ぐ綺麗に駆け上がることができずに、徐々に進行方向に対して左へと流れて行くような形になりながら、小刻みに右へとヨレたような形にもなりました。この辺りが考察的には微妙に映ります。
デキ自体は変わりない範囲だと思います。前走以上ということはないでしょう。
ニシノラブウインク【B】
5F71.0-55.3-40.1-1F12.2
3頭併せ中末強め1頭半馬身先着、1頭1馬身半先着。
外を走る僚馬が遅れましたが、淡々と遅れてしまったので気にせず良さそうです。
最後は追われていて、ゴール後も同じ強度で動かされていました。上記の時計以上に走っていました。
デビューから馬券内を外さない堅実な走りをしていますが、センスの良さは感じる走りをしています。走りのフォームは綺麗で、追われてからの反応も良かったです。
12月27日に南W6F87.5-3F38.9-1F11.6の時計をマークしています。31日は坂路で軽く時計を刻んでいます。
最終リハで末の部分で時計を刻むのがいつものパターンですが、今回は変則的な日程を考慮したのか最終リハは12.2秒と、この馬にしては遅いのが気になります。
デキはいつものところまでと判断しています。
ビジュノワール【B】
54.5-39.4-25.4-12.3
単走一杯。
しっかりと負荷を掛けられた割には全体時計が伸びきれず。坂路で時計をしっかりと刻んだのが2本目という点があり、今回が坂路自己ベストです。その点を考慮すると坂路は動かないタイプと考慮した方がいいかもしれません。
ただ、12月31日に南W6F83.8-3F38.2-1F11.8と好時計をマークしていて、そちらを考えると悪くはない印象です。全体的には前走の方が時計の刻み方の方が個人的には好きです。
活気ある走りをしていて、踏み込みも悪くはないです。
デキは前走と同じ程度だと思います。前向きに見たい前走と同程度のデキではないかと思います。
フィールシンパシー【B】
6F85.6-70.1-55.9-40.9-1F12.7
3頭併せ内馬なり併入。
頭を高く上げてしまい、何かに嫌がる素振りを見せてしまいました。集中力という点では難あり。
1月3日に坂路52.0-12.5をマークしていますので、そちらが実質的な最終リハだと思います。時計自体は大幅良化で、それまでの自己ベストが53.6秒でしたから、1秒以上も時計を縮めた形。
ただ、それまでは加速ラップを刻めていますが、今回は減速ラップとなっています。その点は少々微妙にも映ります。
前脚を前に前に出して前進気勢を見せていただけに、時計の刻み方なども観て、前走程度までと評価しておきます。前走以下ということはないです。
ブルトンクール【B】
6F84.4-68.3-53.9-39.3-1F12.5
2頭併せ内馬なり併入。
前向きさを見せたというよりも、掛かってしまっている形。追い切りで掛かるのはよろしくはない。ただ、前走から距離短縮は前向きに見て良さそう。
時計の刻み方を見るとデキはこれまでと変わりない印象で、前走のデキと大差はなさそうです。
可もなく不可もなく、デキは前走程度まで。
ポケットシンデレラ【B】
5F70.0-54.7-39.8-1F12.2
2頭併せ内強め併入。
恐らく僚馬の後ろを走っていたと思いますが、4コーナーを内々を回ったところをがあり、直線入口では横並びという状況でした。
12月11日のレースに出走しているため、中間含めてしっかりと時計を出したのはこの最終リハのみ。ただ、もう少し時計を刻めても良かったという感想も抱きます。
ただ、併せて強めに追っていますので、デキが落ちたとか疲労の色が濃いということはないでしょう。デキは前走以下ということはなさそうですが、前走以上ということもなさそうです。
ユキヤナギ【B】
52.0-38.7-26.1-13.3
単走馬なり。
肩鞭が入っていますので、馬なりまでとしています。ただし、強めとしても良さそうな運動負荷です。
活気があり前向きさも感じられますが、若干、進行方向に対して左へと流れています。それを修正するための肩鞭だったと思います。真っ直ぐに走れていないのはマイナス評価。
全体時計52秒は自己ベストをマーク。意欲的なものになったと考えることもできますが、デキは前走程度までと考えます。
ライラック【B】
5F68.1-52.6-38.4-1F12.3
2頭併せ馬なりクビ差遅れ。
直線半ばで僚馬が前に出たところで掛かりそうになる手応え。それでも手綱は抑えられたままでした。
4馬身後方を追走して、直線入口で並走となりますが、そこから先に行かせて最後に並び行く形です。
ややチグハグな動きにも見受けられますが、意図が感じ取れる内容だったので悪くはないと思います。
センスは感じるので、どこかの重賞は勝てそうな雰囲気は感じる反面、今回のデキは前走程度までとしておきます。走りのセンスは感じるものの、どこか覇気がないのが気になります。
追い切りまとめと推奨馬
今回の追い切りで上昇気配を示したのは、【A-B】評価のウラカワノキセキ・エバーシャドネーの2頭でした。メンバー構成的には通用しそうなので面白いと感じます。
【B】評価のメンバーでは、スターズオンアース・ビジュノワールの2頭が良かったと思いました。
今回のメンバーを考えると、前走新馬戦組が面白いのかもしれません。春のクラシックを考えると、ここは賞金加算は必須。今回のメンバーは全員が賞金加算が必須になりますが、前走新馬戦組が注目かと思います。
今回は4頭しかいませんので、序列を付けて終わりたいと思います。
前走12月12日の新馬戦を勝ちあがり、そのときと比較しても今回の方が追い切りの内容が良かった。素直に評価上げた馬ですので、ここは楽しみ。
ダート2戦で今回が初の芝レース。その点では不安の方が大きいが、デキは今回の方が上だと判断。芝で足りるならば好勝負に持ち込める。
前走新馬戦の時とデキは変わらずも、仕上がり良好。楽しみな舞台。
前走の赤松賞3着は案外も、センスある走りは追い切りからも伝わる。ここを勝ってクラシックへ進めるか。
以上がフェアリーSの追い切りでした。