10月24日に阪神で行われる第82回菊花賞の出走予定馬情報をまとめました。
クラシック最後の一冠である菊花賞。
今年は、皐月賞馬のエフフォーリアは天秋へ、日本ダービー馬のシャフリヤールはジャパンCへの参戦が決定。春のクラシックを制した馬が菊花賞を回避する流れは、時代と共に色濃くなってきました。
寂しい感じもしますが、春のクラシックは仕上がりの早い馬や早い時期に完成された馬が活躍する傾向があります。
その点では、一夏を越して成長を遂げた馬や夏場に活躍してきた馬とガチンコ勝負になるのも菊花賞。
強い馬が勝つと言われるのは、どの馬もある程度成長した後に行われるクラシック三冠目だからだと思います。
そして、今年は阪神が舞台となりますので、急坂を二度も駆け上がらなくてはいけません。例年以上にスタミナも要求され、それでも勝負所で動けるスピードを兼ね備えておかなければなりません。
阪神大賞典と同様のコースですが、古馬でも苦しいこのコースを3歳の若駒が挑む。
ワクワクが止まりませんね。
それでは、菊花賞の登録馬をチェックしていきます。
登録馬24頭
優先出走
馬名 | 負担重量 | 想定 |
---|---|---|
アサマノイタズラ | 57 | 田辺 |
オーソクレース | 57 | ルメール |
ステラヴェローチェ | 57 | 吉田隼 |
レッドジェネシス | 57 | 川田 |
モンテディオ | 57 | 横山和 |
賞金順
馬名 | 負担重量 | 想定 |
---|---|---|
タイトルホルダー | 57 | 横山武 |
ヴィクティファルス | 57 | 池添 |
ヴァイスメテオール | 57 | 丸山 |
グラティアス | 57 | 松山 |
ディープモンスター | 57 | 武豊 |
ワールドリバイバル | 57 | 津村 |
セファーラジエル | 57 | 鮫島駿 |
アリーヴォ | 57 | Mデム |
ヴェローチェオロ | 57 | ○○ |
エアサージュ | 57 | 藤岡佑 |
ディヴァインラヴ | 55 | 福永 |
ロードトゥフェイム | 57 | 丹内 |
抽選(1/5)
馬名 | 負担重量 | 想定 |
---|---|---|
テーオーロイヤル | 57 | 菱田 |
ノースザワールド | 57 | ○○ |
ハギノピリナ | 55 | 藤懸 |
マカオンドール | 57 | ○○ |
ワイドエンペラー | 57 | ○○ |
除外対象・回避
馬名 | 負担重量 | 想定 |
---|---|---|
トーホウバロン | 57 | 除外 |
シュヴァリエローズ | 57 | 回避 |
シュヴァリエローズは自己条件(3勝クラス)に回ることが発表されています。
菊花賞の推定オッズ
馬名 | 推定オッズ | |
---|---|---|
1 | ステラヴェローチェ | 2.2 |
2 | オーソクレース | 6.0 |
3 | レッドジェネシス | 8.1 |
4 | タイトルホルダー | 13.3 |
5 | アサマノイタズラ | 18.3 |
6 | ディヴァインラヴ | 22.0 |
7 | エアサージュ | 29.2 |
8 | アリーヴォ | 36.7 |
9 | ディープモンスター | 48.5 |
10 | ヴァイスメテオール | 52.1 |
11 | グラティアス | 72.4 |
12 | セファーラジエル | 78.8 |
13 | ヴェローチェオロ | 82.3 |
14 | ヴィクティファルス | 96.1 |
15 | モンテディオ | 119.3 |
16 | ロードトゥフェイム | 160.9 |
17 | マカオンドール | 204.2 |
18 | ワールドリバイバル | 237.5 |
19 | テーオーロイヤル | 242.3 |
20 | ハギノピリナ | 244.3 |
21 | ノースザワールド | 264.7 |
22 | ワイドエンペラー | 319.2 |
ステラヴェローチェの一本被りの様相ですが、ホープフルS2着から長期休養明けでセントライト記念で2着だったオーソクレースが迫るものと思います。
皐月賞2着のタイトルホルダー以下は10倍以下のオッズとなる想定ですが、このあたりは実際のオッズと乖離があるかもしれません。
有力馬の見解
ステラヴェローチェ≪牡3/黒鹿 須貝尚介厩舎≫
【前走】神戸新聞杯 1着
【父】バゴ
【母父】ディープインパクト
TR神戸新聞杯の覇者。
皐月賞3着、日本ダービー3着と、春のクラシックではそれぞれ前に2頭いる結果となってしまいました。
前走は、比較的平均的な流れの中、最後はレッドジェネシスとの叩き合いを制し勝ちました。
不良馬場に強いという見方もできますが、逆に言えば、不良馬場で目一杯走った疲労が心配材料の1つでしょう。
前走の神戸新聞杯では、大幅なプラス体重での勝利。
デビュー時488kgから、前走500kgを超える馬体重まで増えたのは良かった。日本ダービーの時は、デビュー時と同じ馬体重まで落ちたので、敗因はその辺りにもあったと考えるのが妥当でしょう。
ノーザンF生産のバゴ産駒と言えば、グランプリホースのクロノジェネシスが有名。
クロノジェネシスも、オークス後に夏場に休養し、秋華賞復帰。その時プラス20kg増となりましたが、後続に0.3秒付ける圧勝でした。
ノーザンFは既にバゴ産駒の特徴として、馬体重増鍵となると理解しているような調整方法で、これが必勝パターンだと考えているのだと思います。
バゴ産駒をここまで大幅プラス体重に拘っているので、逆に言えば、マイナス体重では勝負度合いは低いと考えていいのかもしれません。
当日の馬体重が減っていた場合は、1着固定での馬券の買い方は危険かもしれません。
オーソクレース≪牡3/黒鹿 久保田貴士厩舎≫
【前走】セントライト記念 3着
【父】エピファネイア
【母父】ディープインパクト
前走は久々の登場でセントライト記念3着の実績。
追い切りを見てもまだまだで、セントライト記念の追い切り評価は【C】評価と、前走以下としていました。
それでも3着に入るだけの実力があるのは、地力の高さを証明した形。
そこにプラスして心強いのが父エピファネイアの存在。
皐月賞と日本ダービーと、2着に甘んじた春のクラシック。福永ではクラシックは勝てないと言われていた時期です。
神戸新聞杯を快勝し、迎えた菊花賞で、福永騎手のうっ憤を晴らす勝利を納めた同馬ですが、父となってからも長距離に強いことを証明しています。
基本的にどの距離でも好成績を残すエピファネイア産駒ですが、特に距離2000M以上で安定して連対率25%以上を記録。
特に、2400M以上の距離となると、複勝率40%近くを叩き出しています。
同産駒として今年はエフフォーリアがいますが、皐月賞を勝利し、日本ダービーでは2着でした。
右脛骨骨折からの復帰。前脚ではなく後脚での骨折ですので、自身の走りの衝撃(着地の衝撃)に耐えられなかった怪我と考えるのが一般的。
基本的に後ろ脚に纏わる骨折は、パフォーマンスに直接影響する部位だけに、どこまで怪我が癒えて、精神的にも問題をクリアにしているのかが鍵となります。
デビュー前の評価や血統面では心強いものの、怪我の影響が気になる馬ですので、長距離を走り切れないと考えるならば思い切った馬券も必要になるかもしれません。
レッドジェネシス≪牡3/鹿 友道康夫厩舎≫
【前走】神戸新聞杯 2着
【父】ディープインパクト
【母父】Storm Cat
TR神戸新聞杯で2着の実績。
春は京都新聞杯を制しており、ゆきやなぎ賞を含めて2000Mを超える距離で結果を残しています。
ダービーは11着と伸びきれませんでしたが、中2週の影響も考慮しなければならないでしょう。
ディープインパクト×ストームキャットの組み合わせはニックス配合。
これまでも、日本ダービー馬のキズナ・ドバイTを制したリアルスティール・香港Cを制したエイシンヒカリ・安田記念を制したサトノアラジンなどがいて、現在現役のダノンキングリーやラヴズオンリーユーといった豪華なメンバーがこの組み合わせです。
ただ、母方がSadler’s Wellsの血を引いており、ディープインパクトのキレを邪魔しているような印象を受けます。
前走の不良馬場で2着に伸びたのは、重たいSadler’s Wellsの血が、逆にタフさを求められる馬場と適合したような印象も受けます。
長く良い脚を使うタイプなだけに、阪神内回りはベストコース。
ただ、4ハロンのキレを求められると厳しくなりそうで、ゴールまで6ハロン手前からのロンスパ戦にならなければ好走は難しいかもしれません。
タイトルホルダー≪牡3/鹿 栗田徹厩舎≫
【前走】セントライト記念 13着
【父】ドゥラメンテ
【母父】Motivator
弥生賞1着から皐月賞で2着と、王道路線を歩んでダービーへ進みますが、そのダービーでは6着と凡走。夏場は休養し迎えたセントライト記念では1人気に支持されるも、終わってみれば13着と、本来の走りからはかけ離れた成績となってしまいました。
血統的には姉に菊花賞5着馬のメロディーレーンがいますので、ある程度長距離への不安は少ないと見ています。
単純に成績をみた場合、成長が足りない印象は受けます。
ダノンザキッドに2敗して挑んだ弥生賞では逆転。皐月賞ではブービーのダノンザキッドとの間に2秒差がつきました。
ダノンザキッドはマイラー寄りに対し、タイトルホルダーが2000M前後の中距離で結果を残すタイプであると考えるとその差は仕方がない気がしますが、2頭共に3歳春で成長がパタリと止まって下降線を描いているようにも感じます。
下降線を描いていたのかどうかまでは分かりませんが、前走は展開が向かなかったこともありますが、どん詰まりしたことが大敗の要因となりそうです。
ルペルカーリアに騎乗した福永騎手が2コーナー部分で蓋をするように外から上がっていき、3コーナー過ぎではさらに外からグラティアスが上がっていたことで万事休す。タイトルホルダーの進路が消されたことも痛い誤算だったのかもしれません。
内が伸びない馬場でその内にいたのもそうですが、どうも消極的な競馬となりました。
今回も引き続き横山武騎手が騎乗します。この馬の場合は溜めて溜めてよりも、早めに動いていった方がいいのではないかと思うだけに、菊花賞では積極的な騎乗に期待したい。
アサマノイタズラ≪牡3/黒鹿 手塚貴久厩舎≫
【前走】セントライト記念 1着
【父】ヴィクトワールピサ
【母父】キングヘイロー
デビューから中山を中心に使われて、中山以外のコースで走ったのは2走前のラジNIK賞の1走のみ。
陣営が中山のようなトリッキーなコースの相性が良いと考えいているのだと考えます。
その期待に応えるように、スプリングSで2着、そして前走のセントライト記念で1着でしたので、陣営の見立てがハマっています。
この馬の場合は、タフさを兼ね備えていると思いますが、それがどこから来ているのかというと、父ヴィクトワールピサの影響を色濃く継いでいる可能性が高いと見ています。
父ヴィクトワールピサも、重馬場の弥生賞を勝って皐月賞を制しています。
また、凱旋門賞から帰国直後のジャパンCを走り3着、そして年末の有馬記念を制するなど、非常にタフな馬でした。
国内G1はいずれも中山競馬場でのレース。G2勝利も中山のみと中山巧者でした。
ここまでアサマノイタズラ陣営が中山に拘っているのも、父から引き継いだタフさ、そして中山巧者の面を読み取っているのかもしれません。
スプリングS(重)→皐月賞(稍重)→ラジNIK賞(稍重)→セントライト記念(良)と、3走続けて負担の大きい馬場が渋ったレースでも、しっかりと結果を残しました。
血統背景的には長距離向きだとは思いませんが、タフさを考慮するとマラソンレースでこその馬なのではないかと考えます。