第41回ジャパンカップの最終追い切りを中心とした追い切り考察を行いました。最後にお薦めの馬を発表していますので、最後までご覧いただけると幸いです。
有終の美を飾るべくコントレイルが登場。坂路で51.0-36.9-23.9-12.0を記録。馬なりでの内容でこの時計はさすがというか、貫禄の動きを披露してくれました。最終戦でも不安は感じません。
今年のダービー馬シャフリヤールも坂路で2頭併せ。53.8-39.0-25.1-12.2を記録。リラックスした中で僚馬に遅れる内容だっただけに少々疑問も…。
それでは伏兵馬の活躍がありそうかなども含めて、しっかりと考察を行いました。馬券の参考になれば幸いです。
ジャパンCの追い切り考察
評価は【S/A/A-B/B/B-C/C/D】の7段階評価です。
評価について、詳しくはこちらをご覧ください。
※…海外馬の前走比較ができません。また、海外馬は追い切りが独特の為、考察できません。感じたことをそのまま書いています。
アリストテレス【B】
6F80.9-64.8-50.1-37.1-1F11.9
3頭併せ外強め1馬身先着。
肩鞭が入っていますが、強めまでの運動負荷としています。
2頭が強めに追われる中で、軽く仕掛けられるとスッと前に出る走りを披露してくれました。
時計もしっかりと刻めており、状態が悪いということはまずないでしょう。
1週前も栗東CWで6F80.9-38.3-1F12.5をマーク。しっかりと追われて僚馬を3馬身程突き放す好内容でした。
ただ、1週前と当週追いと、追われてからの伸び方がややこの馬本来の走りではない印象も。
前走のデキと変わらない範囲での出走となる見込みですが、前走以上ということも言い難い内容ではありました。もう1つ上がありそうなところ。
ウインドジャマー【B】
6F86.7-69.7-53.8-38.7-1F11.7
3頭併せ中強め1頭併入、1頭クビ差先着。
しっかりと負荷を掛けられた中で、僚馬を煽るような動きを見せて走れていました。十分に負荷は掛かっていたと思います。
藤沢厩舎の調整方法ですので、これでこの馬の状態は整ったと考えていいでしょう。
この馬のこれまでの追い切り映像がないので、これでどうなのかは微妙なところ。今後、重賞に出走してくると思いますので、この映像を基準に考えていきたいかなと思います。
時計判断では、前走程度までと評価しています。
オーソリティ【A】
6F84.6-67.8-52.4-38.1-1F11.6
3頭併せ外強め1頭併入、1頭1馬身先着。
3頭での併せ調教ですが、2頭を引っ張る形で直線へ。少し気負いがあるような形で、鶴首にしてるようなところもありました。
ただ、最後はグングンと加速。前向きさを見せての走りで、全体的な雰囲気は前走以上でした。
前走アル共杯は【C】評価としていましたが、それでもあっさりと勝ちきりました。その時と比較しても、明らかに気合乗りも良いですし、今回の方がデキが上がっています。
1週前は単走追い。南W7F99.7-3F39.6-1F12.5をマーク。馬なりから末強めの内容でしっかりと走れていました。
1週前と当週追いを見て、今回の方がデキは上向いています。上々の内容を消化しているだけにここは楽しみしかない。
キセキ【B】
6F87.6-70.4-55.0-41.0-1F12.3
単走馬なり。
我慢ができているのかできていないのかが微妙なところで、掛かりそうになりながらの内容だった。我慢は出来ていたと思いますが、怪しい動きをしていました。
コーナーを回ってくるところまでは良さそうだったのですが、最後の直線向いてから気負って走っているような印象を受けます。ただ、最後ゴール直前になると落ち着くような形になったり、全体的にちぐはぐな印象は受けました。
ただ、雰囲気が極端に悪いということもありませんし、全体時計は物足りないものでしたが、運動負荷を考慮するとこの程度でも問題ないでしょう。
1週前は同じくCWを単走で6F79.8-3F36.9-1F12.3と、かなりの負荷を掛けられて駆け抜けました。
恐らく2頭併せだったと思うのですが、ほぼ単走追いみたいな形になっているので単走扱いになっているのではないかと見ています。和田騎手を背中に豪快に動けていましたので、1週前の状態を見ると特に気にする必要はないでしょう。この馬の地力は十分に引き出せる状況にあると見ています。
能力的にはG1でも上位争いができる馬。7歳後半と徐々に加齢を気にする時期になりましたが、前走京都大賞典でも走れるところを示しました。
京都大賞典では坂路を使っていましたが、今回はCWを選択。その時と比較しても、今回の1週前の雰囲気が良かった。
ただ、最終リハの動きがやや気になるところで、デキは前走程度までとします。
グランドグローリー【※】
5F72.0-56.1-39.8-1F11.9
単走馬なり。
淡々と走っての内容でした。この馬のいつもの動きを知りませんし、競馬学校のコースの標準時計というか、基準時計も持たないので、こればかりはよく分かりません。
少し頭が高いのが特徴的で、ダートを走っているからなのか、あまり踏み込みが強くはないタイプなのかなとは感じました。踏み込みが甘い印象を受けます。
ただ、それがこの馬の普段の調整での動きかもしれませんので、これが良いのか悪いのかというのは良くは分かりません。動けない状況というわけではないと感じました。
コントレイル【B】
51.0-36.9-23.9-12.0
単走馬なり。
淡々と走っていますが、時計は猛時計を刻みました。ここまで脱力感がありながらも時計がしっかりと出ているというのは、リラックスして走れている証拠でもあります。大きなレースで好走するような大物感漂わせる馬はこういう内容を消化してきます。
動きがやや小さい印象を受けました。その点が気になったものの、馬なりでこの時計を刻めるほどのデキということを考える方が得策かもしれません。
勘ぐったところで、ラストラン。福永騎手も、三冠馬の名誉を守りたいと話しているように、ここは全力の舞台だと考えているでしょう。ディープインパクト産駒のダービー馬で古馬G1を勝った馬はいないを覆すべく、仕上がりは上々のところで作られていると感じました。
馬券内は必至。あとは着順。
サンレイポケット【B】
53.9-39.1-25.1-12.2
2頭併せ強めアタマ差先着。
僚馬のすぐ後ろのところを追走し、最後の200Mのところで持ち出してから併せる形をとりました。
ただ、僚馬はそこまで負荷が掛かっていない中で、サンレイポケットはしっかりと負荷を掛けられてのアタマ差先着は若干地味に映ります。
途中でバランスを崩す部分はありましたが、ほとんどの部分はしっかりと動けていました。この馬の地力は引き出せる状況にはあると思います。毎日王冠6着、天秋4着ともう1つの成績ですから、前進があれば楽しみ。
ただ、メンバーが強化された中で掲示板に入れれば今回の挑戦は成功ではないかと感じます。
シャドウディーヴァ【B】
53.2-38.9-25.4-12.6
2頭併せ強めアタマ差遅れ。
馬場が非常に荒れていた時間帯での追い切りですので、時計はそこまで気にしなくていいでしょう。力強く走れていることを評価するべきでしょう。
若干、僚馬に遅れてしまいましたが、そこまで僚馬を意識してというものでもなかったので、これはこれで良かった動きをしていたと評して良さそうです。
1週前も坂路で51.9-12.1をマークする動きを披露。しっかりと追われて、僚馬に先着することができました。
1週前も当週追いも活気があって前向きさも豊富に感じます。悪くはないでしょう。気持ち、もう少しスマートさが出てくると良さそうですが、現状ではこのくらいの動きを見せていた方がいいのかもしれません。
ジャパン【※】
F86.6-70.3-55.4-41.6-1F13.7
2頭併せ馬なり半馬身遅れ。
半馬身遅れと記載しているものの、ゴール板を過ぎたあとも手綱を緩められることなく2頭共に走っていますので、陣営の思うゴールとは乖離がありそうです。
追えばしっかりと走れそうな雰囲気を漂わせています。遠征続きが原因での疲労などは特に感じないものでした。
この馬なりには走れるのではないかと見ています。パワー系という感じもするので、その点、馬場が荒れるとチャンスがあるのかなぁという気がしますが、欧州の馬はよく分かりません。
シャフリヤール【B】
53.8-39.0-25.1-12.2
2頭併せ馬なりクビ差遅れ。
遅れたのが本来の追い切り内容だったのかは分かりませんが、G1ジャパンC前に単調に追って遅れたのは物足りなさを感じる。
1週前はCWで2頭併せ。僚馬が外々を回る中で、コーナー部分をショートカットして直線入口で並走。そこから追われると伸びて6F83.3-3F37.4-1F11.6をマークしていた。
1週前の雰囲気は決して悪くはない中で、最終リハとなるとなぜかオーラが消えたことが気になります。
あまりに単調に走っているのと、無駄な動きが多い点。この2点がどうしても引っ掛かる。
これがジャパンCではないならば、そこまで気にせずとも良さそうですが、今回はジャパンC。ダービー馬が集結しているようなハイレベルな1戦。
神戸新聞杯と比較してもデキが上昇したとは言えずに、3歳春の日本ダービーがピークだったという疑惑。懸念材料はあるにはある。
ブルーム【※】
6F86.8-70.5-55.6-41.8-1F13.9
2頭併せ馬なり半馬身先着。
着差に関してはジャパンの項目の通り、陣営のゴールと乖離がありそうなので気にせず。
淡々と走っていて、こちらも疲労などは特に感じません。
ジャパンと比較するとより活気がありそうなのはブルームの方かなと感じます。追い切りを見た印象だけでお話すると、どちらかを買うならばブルームを選択するでしょう。
マカヒキ【B】
53.5-39.4-25.6-12.6
単走末強め。
いつも通りの動きを披露して最終リハを終えた形。8歳も暮れに近づき、いきなり急上昇することはありませんが、急降下することもありません。仕上がりに関してはいつも通り。
しっかりとした脚捌きをしていて、前走と比較しても変わった部分はありませんでした。デキはキープしています。
マカヒキがジャパンCを勝つならば感動ですね。そういった期待は追い切り考察には含めませんが、個人的にはどういう走りをしてくれるのか楽しみにしています。京都大賞典で見せた粘りを、ここでも発揮してほしいと願います。
ムイトオブリガード【A-B】
6F81.7-65.8-51.2-37.9-1F12.1
2頭併せ一杯4馬身先着。
前走は坂路を使っての実戦ですが、今回はCWを使っての内容でした。
僚馬を1馬身追いかける形でコーナー部分を周り直線へ。僚馬に一旦置いていかれるも、鞭が入ると急加速。僚馬を一気に置き去りにしていきました。
時計も決して悪くはなく、一旦遅れたところは見逃すことはできませんが、それでの追われてからの伸びは良かったです。
前走以下ということはなく、仕上がり的には前走使われた上積みは感じます。年齢を重ねてズブさが出てきているので、その点では今の東京が合うかどうかは難しいところがあると思いますが、デキとしては前走以上です。
ただ、このメンバーだと脇役の脇役までか。
モズベッロ【C】
52.9-38.3-25.2-12.9
単走強め。
悪くはない動きを披露していました。最後は減速ラップを刻んでいますが、それでも懸命に走っていたのが印象的です。
今回は坂路を選択してきましたが、全体的に見ても仕上がりが良かったのは天秋の方で、今回は余力での出走という印象です。
走りのバランス、雰囲気含めて前走の方が良かったと思います。2000Mが適距離だということを陣営は意識しているのかもしれません。
ユーキャンスマイル【B-C】
6F80.8-64.2-49.8-36.4-1F11.6
2頭併せ内馬なり併入。
札幌記念から天秋とデキは上昇したと評価していました。ただし、通用するのは難しいのではないかという書き方をしていました。
今回は仕上がり的には札幌記念の時のところまで落ちた印象です。前走感じた雰囲気の良さが失せていて、淡々と走っている馬という印象です。馬なり調整だとしても、もう少し活気がある方がいいような気がしています。
ユーバーレーベン【B】
5F68.0-52.7-38.1-1F11.9
3頭併せ中馬なり1頭併入、1頭半馬身先着。
秋華賞13着から巻き返しを狙うオークス馬。同じ東京2400Mに戻る点を考慮して選択してきたのだと思いますが、追い切りを見ている限りでは一度崩れると立て直すのが難しいタイプなのかなという印象です。
雰囲気が良くない印象。春の頃に感じた大物感が潜めてしまって並みの馬という印象です。
前走以下というところまでは評価しませんが、春の頃と比べるとデキは一つ落ちている印象のまま。燃え尽き症候群のような、どこかフワフワとしているところがあるので、ビシッとなってくれれば。
ロードマイウェイ【B】
53.2-38.8-25.2-12.5
単走末強め。
進路変更を行っていますので、真っ直ぐに走れなかったところは仕方がない部分。鞍上の指示にしっかりと応えることができている方を評価するべきでしょう。
デキは前走程度まで。ここまで順調に使われていますので、急に上昇したということもなく、この馬の中では地力は出せる状況だと判断しています。
ワグネリアン【B-C】
6F83.5-66.6-51.4-37.7-1F12.4
2頭併せ内強め半馬身遅れ。
しっかりと追われて走れている点は、デキなどに問題がないということなので状態面は良いのだと思います。
ただ、併せた僚馬は馬なりでの内容で、しっかりと追われたワグネリアンは追いすがるのがやっとのところ。ダービー馬としての貫禄はどこへやら。この内容ではさすがに厳しいのでは。
脚捌きなどは問題ないので、気持ちの問題なのか、それとも単純にもう衰えたのか。気持ちの問題が大きい気もしますが、原因がどこにあるのかがあまり見えてきません。
ジャパンCの追い切りまとめ
今回の追い切りで上昇気配を示したのは、【A】評価のオーソリティ、【A-B】評価のムイトオブリガードの2頭のみでした。
ただ、ムイトオブリガードは上昇気配を示したものの、このレースレベルを考えるとこの上昇度では足りない印象です。
【B】評価の中で前向きに見たいのは、アリストテレス・キセキ・コントレイル・シャドウディーヴァの4頭くらいまで。
追い切り評価的には、オーソリティ・アリストテレス・キセキ・コントレイル・シャドウディーヴァの5頭をお薦めしていればなんとか形になりそうという評価です。
それではお薦め馬です。上記の5頭を順位付けしただけの内容です。
動き良好。ライバルらしいライバルが追い切りで不安な動きを露呈した形。勝って有終の美&ディープインパクト産駒のダービー馬の古馬G1未勝利を打ち破ってほしい
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勝ちまでは厳しいか。2着3着争いならば。
こちらも勝ちまでは厳しいか。2着3着争いまで。
今回は上記の4頭を、ジャパンCの追い切り推奨馬とさせていただきます。
馬連とワイドの2点勝負のジャパンカップの予想記事を公開しています。合わせてご覧ください!