11月14日に阪神で行われるエリザベス女王杯の最終追い切り考察を行いました。各馬の評価後に全体のまとめを行っています。最後までご覧いただければ幸いです。
アカイトリノムスメは美浦南Wで併せての追い切り。気持ちよく走っていたのが印象的でした。
レイパパレは集中力の高い走りを披露。いつもと変わらずの姿を見せてくれました。
その他の有力馬を含む全頭の追い切り考察を行っていますので、最後までご覧いただければ幸いです。
記事更新が遅くなりまして申し訳ございません。
エリ女の各馬の追い切り考察
評価は【S/A/A-B/B/B-C/C/D】の7段階評価です。
評価について、詳しくはこちらをご覧ください。
アカイイト【B】
51.6-37.8-24.9-12.7
単走強め。
淡々と駆け上がっていますが、しっかりと時計は出ています。活気が十分にあるという印象は受けませんが、時計が出ているのであれば問題ないでしょう。
1週前も坂路で単走追い。やや時計が掛かっていますが、元気は1週前の方があった印象。
ある程度のところでは仕上がっていると思いますし、この馬の地力は引き出せるところでは仕上がっていると判断します。
前走以上ということも、以下ということもないでしょう。
アカイトリノムスメ【B-C】
6F84.3-67.4-52.4-37.9-1F11.9
2頭併せ内馬なり併入。
最終リハは軽めの内容で、併入からやや遅れたところがゴールだったと思います。最後の部分が見えないのでなんとも言えませんが、丁度画面から見切れるところで失速したような気もします。
1週前は南Wで3頭併せ。馬場が綺麗な時間帯での追い切りというのもありますが、時計は優秀です。
秋華賞の時と比較して更に上積みがあるかというと、ないです。恐らく、秋華賞の時がメイチで、今回は余力でどこまでやれるかではないかと思います。
雰囲気は秋華賞の時の方が明らかに良く、それをキープしているか、もしくはややデキは下がったというところではないでしょうか。
厳しめに見積もって、デキ落ちとしています。ただ、下降線を辿っているとしても、そこまでは落ちてないでしょう。地力は引き出せる。母の忘れ物は、来年に持ち越しという印象は受けます。
イズジョーノキセキ【B】
7F97.8-82.0-66.2-51.6-38.2-1F12.7
2頭併せ内馬なり1馬身先着。
長い距離を消化してきましたが、時計は速いという印象はあまりありません。動きも、時計とリンクしているようで、可もなく不可もなくといったところ。
僚馬の2馬身程後方を追走して、直線向いたところでは半馬身程前に出ます。そこから伸び伸びと走れていて雰囲気は悪くない。
ただ、有力馬を脅かすほどの内容だったということはなく、ここまで順調にきている程度までで上積みは感じず。
年末、もしくは来年早い時期に行われる牝馬限定重賞のどこかは勝ててもおかしくなさそうな走りだとは思います。まだまだ奥がある馬。
ウインキートス【B】
6F81.0-66.3-52.5-38.4-1F11.9
単走馬なり。
時計は好印象ではあるものの、走り自体はそこまできっちりとしている印象はなく。コーナー部分では物見をしていて、直線入ると頭が高いままの走り。スピード感はない走りとなってしまいました。
1週前は同じく南Wで2頭併せでした。僚馬の外に持ち出して直線やや負荷を掛けられると僚馬を突き放す形でのゴール。その点を考慮すると、1週前の段階である程度仕上がっていると考えていいでしょう。
状態面では前走から変わらずの出走となる見込み。そこまで上昇したとは思いませんでした。悪くはない。
ウインマリリン【B-C】
5F69.0-53.9-38.6-1F11.5
単走末強め。
右脚負傷の影響は感じさせない動きをしていました。動かされている点を含めても特に気にしなくて良さそうです。
1週前は南Wで2頭併せ。ただ、1週前は僚馬に1馬身遅れ。明確に負荷は掛けたくないというのが伝わる内容でした。
その点では、やはり強く推せないものの、ある程度のところでは作られているのでは。順調にきていない分デキ自体は甘いのかなと感じる内容でした。
写真を観ても瘤みたいなものがあるが分かりますので、どこまで本気で仕上げてきているのかは疑問。
クラヴェル【B】
5F66.6-51.5-37.9-1F12.3
3頭併せ内馬なり併入。
直線向いたところで僚馬の1馬身後方で、残り1ハロンのところで追いつく内容。脚色は劣ってはいなかったものの、どこか物足りなさも感じる内容。
脚の運びなどは特に気にしなくて良さそうでした。集中力も感じられ、本人も実戦が近いことを悟っているのでは。
1週前は坂路で馬なり57.7秒。映像にはありませんが、そのあとの金曜日に坂路で52.5-12.3を消化していて、実質的にはこれが最終リハという内容でした。
前走の新潟記念も2ヵ月振りの実戦で3着。今回も末脚が活きる展開となれば前進できる。楽しみな1頭。
コトブキテティス【B】
6F84.1-67.3-52.5-37.4-1F11.7
2頭併せ内強め併入。
僚馬の3馬身から4馬身後方を追走。コーナー部分で僚馬よりも内を回ったことでその差を無くして直線へという内容でした。
手前を替えてから伸びるかと思った手応えの直後に、僚馬の方が前に出ていきます。反応はしているが怪しい脚捌き。
3勝クラスを勝ち上がったばかりですので強気には言えませんが、それでも時計判断ではデキはキープできていると感じます。前走使われた上積みまでは感じませんが、この馬としては地力は引き出せるのでは。
シャムロックヒル【B】
6F87.5-70.3-54.1-39.4-1F12.0
単走馬なり。
淡々と走っていますが、末の時計は12.0秒で悪くはない。伸びのある走りで柔軟性を感じます。
1週前も同じCWで単走。6F80.9-3F37.5-1F11.8で、最後はしっかりと追われての内容でした。その点を考えると、最終リハの馬なりでの12.0秒は魅力的です。もちろん、全体時計が遅いので、最後はそれだけ時計が出やすいということも頷けますが、状態が悪いとそれはできません。
マリーンSの覇者ですので、重賞を勝てるだけの地力は備えていると考えていいでしょう。ただし、その時は斤量50kgでマークの甘いなか逃げてのレース。
G1馬が集まるこの舞台ではやや見劣りする。惑星候補とまでも言えないか。状態は悪くはない。
ステラリア【B】
6F81.7-65.2-50.8-37.5-1F11.8
2頭併せ内強めアタマ差遅れ。
やや掛かり気配でコーナー部分を回ってきました。それでも我慢は出来ているものと判断します。
直線入口で1馬身後方を、残り約300Mのところで並ぶとそこから抜けるかと思いきや、最後は逆に差し返されるような形になってしまいました。
ただ、全体81.7秒で末も11.8秒で走れています。時計の根拠は十分にあるので、そこまでこの差を気にしなくて良さそうです。
しかし、コース追いで時計を出せる馬なので、時計だけを考慮すると危険な馬ではあります。
1週前は同じくCWで併せられ、直線入口まで馬体を併せますが、残り300M付近から加速していくとグングンと僚馬を置き去りに。早々に画面から消えたので僚馬と何馬身差があるのかすら想像もできない内容でした。
状態面は心配なさそう。秋華賞の時から引き続き状態はよく出走できそうです。
ソフトフルート【B】
6F85.5-68.8-53.1-38.9-1F11.9
2頭併せ内馬なり2馬身先着。
全体時計があまりにも遅い印象は受けますが、最後は促されると僚馬を突き放す好内容を消化していました。
コーナー部分をリラックスして走れているのが印象的で、前走と同じ2200Mへの出走となりますが、更に距離が長くなっても問題なさそうです。
1週前はCWを単走で消化。時計も6F83.5-3F37.9-1F11.7で良好です。
前走マリアエレーナに0.2秒差で敗れていますが、その時と比較すると上積みでいえばなかなか厳しそうですが、状態が落ちたということはまずなさそうです。中2週での出走となりますが、概ね状態は整ったと考えていいでしょう。
悪くはない。
デゼル【B】
52.9-38.7-25.3-12.9
2頭併せ強めアタマ差先着。
末の時計が伸びきれずという具合でした。それに合わせて脚色は劣勢でした。僚馬が馬なりで走っているところで後退しつつのアタマ差先着は見た目は地味。
ただ、坂路ではあまり時計を出せない馬ですので、それでも52.9秒で駆け抜けたのは前向きに見ても良さそう。
1週前はCWで3頭併せを行い、7F97.8-3F37.4-1F11.5の時計。最後は1頭併入、1頭半馬身差先着という具合でしたが、外を走った僚馬の方が脚色が良かったのが印象に残ります。
抜け出す時の動きは悪くはなかったものの、その後の伸び方がどうか。ただ、CWで末11.5秒は内を回ったとしても立派なので、具合が悪いとかはなさそう。デキはいい。
1週前を見ると、素直に面白い!と感じるものの、最終リハを見るとどうか。負荷をしっかりと掛けても問題ないほど体調がいいのか、最後余裕がなさそうになっていた点をマイナスと捉えるならば微妙にも映る。
前走府中牝馬SはCWを選択してレースへ向かい16着。その時も具合は良さそうだと思ったのですが、今回は坂路追いに戻してきました。
具合は良さそうだとは思うものの、あと越えなければいけないのは距離の壁。府中牝馬Sではデキは決して悪くはないと感じる中での16着だっただけに、この点はどうか。
デキ自体は変わりなく順調。阪神牝馬Sの時と変わらないデキでここまでずっと来ています。人気がないのであれば。
テルツェット【B】
5F71.3-55.6-40.5-1F12.5
単走馬なり。
手前を替えてからもリズムが変わることなく走れています。これが悪いということではなく、このスムーズさが良かったです。気負ったりもせずにリラックスして走れていて、特に問題はなさそうに感じました。
1週前は南Wで2頭併せ。残り1ハロンの標識を過ぎたところで負荷を掛けられると僚馬にアタマ差ほどを付けてゴールしました。
ただ、僚馬が終始馬なりであったことを考慮すると、やや物足りなさをも感じてしまいます。
今年のダービー卿CTとクイーンSの覇者。その前走クイーンSの時は函館Wで5F69.8秒1F12.5秒でした。しっかりと最後も促されての走りだったので、その点では今回の馬なり調整が気になる部分。
全体的にデキは変わりないところで仕上がっていると判断します。悪い動きではありませんでした。
ムジカ【B】
53.2-38.5-24.9-12.4
単走強め。
中2週での内容ですので、この内容でも状態は整っていると考えていいのではないでしょうか。
負荷を掛けていいほど体調面は問題ないという事を確認できた。
上昇したとは言い難いところはありますが、概ね、前走のデキをキープできていると考えています。
ランブリングアレー【B】
4F51.5-37.0-1F12.3
単走馬なり。
コース5分のところを走っているので、時計は参考程度まで。
動き良好で伸びのある走りをしていました。柔軟性もあり、前脚を大きく前に蹴りだして走れていました。馬なりでの内容でしたが、余力も感じられるものでした。
1週前にCWで単走。6F82.1-3F36.1-1F12.0で、ゴール後も動かされているので6F以上走っていることになります。それだけ具合が良いという表れだと感じます。
前走のオールカマーと比較しても決して悪いということはなく順調にきていると思います。前走は牡馬とのレースで結果は残せませんでしたが、牝馬限定G1ならば楽しみには広がる走りでした。
リュヌルージュ【B】
5F66.8-50.2-36.7-1F11.6
2頭併せ外末強め併入。
動きが悪いということはなかったです。この馬としては動けているのでは。
ただ、近走の成績からすると、ここは上積みを感じる走りが欲しかったです。6歳も暮れが迫った馬には厳しいかもしれませんが、前走とデキキープくらいでは何とも言えず。その他特筆すべき点も特になく。
レイパパレ【B】
52.9-38.4-24.7-12.5
2頭併せ強め1馬身先着。
最初に映像を観た率直の感想としては、動きは変わりないということでした。過去のレースの映像を間違えてクリックしたのかと思うほど、走りの雰囲気などは一緒でした。
前走のオールカマーではデキ落ち評価としていました。やはり時計の根拠が足りないのが気になる部分でした。今回は辛うじて52秒台に乗せましたが、末は12.5秒はこの馬にしては遅いです。
1週前は坂路で2頭併せ。53.0-12.5と時計はあまり見込めず。
ただ、走りが極端に悪いわけではなく宝塚記念までのデキが良かったというだけで、走らないということではありません。オールカマーでも4着に着ていますので、やはり能力は高いと見ていいでしょう。
今回は最終リハで抜けた走りができた分、見た目は良かったですが、時計の根拠とするとやや寂しいか。それでも前走以下ということはなく、上昇気配としても良さそうかなとも思います。厳しめに見積もって前走までとしますが、何度もいいますが、走らないわけではないのでその点は忘れない方がいいでしょう。
ロザムール【B】
5F66.8-51.8-37.7-1F12.0
単走強め。
頭の位置が高い走りをしていて、スピード感はあまり感じず。
特に手前が替わってから頭の位置が高くなった印象で、それがなぜなのかがよく分からず。肩鞭が入っていますが、それも反応しているのかはやや微妙なところ。
ただ、前走の集中力がなさそうな走りをしていたという部分はある程度解消されていて、今回は集中力は増している走りをしていました。
時計の根拠などから上昇気配とまでは言い切れませんが、デキは悪くはないでしょう。この馬の地力は引き出せる。
エリザベス女王杯の追い切り考察の総評
エリ女の追い切り考察が終わりましたのでお薦め馬などについて記載していきます。
今回の追い切りで上昇気配を示した馬はいませんでした。厳しめに見積もったところもありますので、その点ではという部分はあります。
【B】評価の中では、ウインキートス・クラヴェル・シャムロックヒル・ステラリア・デゼル・テルツェット・ランブリングアレー・レイパパレは良かったです。
【B-C】評価ではありますが、斤量も恵まれる3歳馬のアカイトリノムスメも決して悪いと感じる走りではありませんでした。ただ、こちらはアタマまではない印象です。
合計9頭は前向きに見れるだけの追い切りを消化したと判断しています。
この中から上位4頭に絞って推奨馬を発表していきます。
前走オールカマーでは、同じウインの冠のウインマリリンに敗れてしまったものの、0.3秒差と極僅かの差。その点を考慮すると、今回の仕上がりならば面白いと見た。
春は結果を残していた。前走は久々を使われて状態が上がらなかったか。レース感覚も戻って牝馬限定ならば上位争い可能。
夏以降は本格化の兆しあり。一気に牝馬の頂点へ駆け上がる可能性は高い。
クイーンSの覇者。今年はダービー卿CTを制している。牝馬限定G1ならば上位争いは十分に可能。VM14着の雪辱の舞台は整った。
今回は以上の4頭が追い切り上位馬とさせていただきました。